初めて贈った
お手紙には
何を書いたか今となっては
たぶん初めて化粧をしたときのような
恥ずかしさと酸っぱい胸の
はつ恋


それから何年もあと
さみしく笑うから
暗がりを求めて
 ....
もういちど言ってください
とあなたたちが言う
わたしは爪を剥きながら
それはできない と思う
思いながら それさえも言えないでいる

もういちど言ってください
とあなたたちが言う
 ....
いつの間にか人が住まなくなった家がある。人が住んでいた頃の庭は常に花々が咲き誇り、小鳥を寄せるバードハウスもあり、小鳥の鳴き声で賑わっていた。いつも庭に出て手入れをしている人の姿もあった。

ある ....
悲しいことがあったなら
目を閉じて数を数えなさい
ひとつ。1歳の出来事
ふたつ。2歳の出来事
そんな風に思い浮かべながら
自分の一つ先の歳まで

人や運命を憎みたくなったら
海を憎 ....
ただ、青くて
細く収束する顎の形
幼い紙質の上に
設計図面を描くといつも
自動扉のところで
ふと途絶えてしまう

お昼の休憩中
遷都のようなものがあった
街のいたるところから ....
雨上がりの公園の
澄んだ池の向こう遥か、

大きな巨きな虹の架かり 

一色、一色、一色、一色、一色、一色、一色、

朝陽と夕陽の狭間を
繋ぎ輝き響き光り渡り住み 、

月明かりに ....
 三輪車コロコロ転がして
 ゆるやかな坂を下る道、
 わづかに小石遊ばせて入る
 梅林

 手の届かない
 白くかすんだ花
 ちらつき始めた小雪が
 桃色のカーディガンに降り
 いつ ....
朝からユトリロの絵画のような
白い空が満ち満ちていました

夕刻になってようやく
この惑星に落ちてきた雨は
みぞれに変わり
ぬかるんでいくわだち
いつとはなしに雪になり
夜になってはさ ....
カマキリのハーモニカが落ちていた
とても小さなハーモニカだった
むかし見せてもらったものと
同じ形をしていた
困っているといけないので
姿をよく見かける草花の側に置いた
数日後窓辺 ....
ひとりで眠る
白い 心臓
星が ぱちぱち 輝いた

くすんだ髪が 目にかかる

わたしは 一つも変わらないまま
とおくの過去に まどろんだ

ひとりで死んだ
白い ざわめき
月も ....
 拒む亡霊たちよ 

        大地を震わし 立ち 塞がり

熱それは
                     雨か風なのか

我は夢を見続ける 

           ....
薫るほど咲く街を見下ろして今
できればあなたを失いたかった
{引用=
夜の終わり、ねむり、やがて抱き合って半透明になりながら夜空へと浮遊してゆく存在たち、存在たち、灰色の雲の膜を張るように、あの輝く満月に一つになりながら覆いかぶさってゆく、覆いかぶさってゆく ....
放擲しろ
 月明かりを
朝陽にかわる
 その瞬間に
もとに戻せ

 喪失した巨きな記憶 、
あなたが夕日の
真似をするものだから
わたしはすっかり
あなたを夕日だと
思ってしまった
ほんの少し
音を出してみる
それもまた
言葉だった

誰かが黒板に描いた
綺麗な ....
夢の中でも詩を作っていた
映画のパンフの写真の切取りを二種類ぐらい並べて
物語風に詩を作っていくのだ

〝いまはまだ蒼い空の下で〟
〆の文句を考え付いたところで唐突にもう一つ詩を思い付いて
 ....
冷気を嗅いで手繰り寄せる
黒い焔 死せる舞踊者
太陽との距離を測りながら
夢を滾らせる
からだは形を逃れ
こころは殻を得た
重なり溶け合う
不可分の同一
全感覚でまぐわうように
世界 ....
 

 

 回れ楡の花 硯大根芋牛蒡 松葉結は栗匂う華
 
  オレンジの皺皮剥いた四時半時に哀れ 朧三日月の 弓は徒を絶つ

             流れのない街でずっと暮らすつ ....
   静寂な朝ほど夜は深く  粉雪散り 燦めき

念い靴音が耳に響きわたる

絶望の先にも月は輝き

 ....
 先生にはじめてお目にかかりましたのは、もう十年ほども前のことになりましょうか。ユリイカの新人に選んでいただいた年のことでした。場所は、新宿の駅ビルにある PETIT MONDE という喫茶店の中でし .... 濁った空の下
確かな職もなく
行き場の無くなった人々がカラカラに乾いた精神(ココロ)を持て余し
ただ、何の希望も見い出せずにその場限りの生活を送っている

彼らのたったひとつの持ち物はコイン ....
  風景が振りむいた
  きりきりと ただ一度だけ
  冬の 椀の 上

  木立があった
  冷えた池も あった
  あなたが いなかった

  振りむいた
  震えた 溢れた ....
ぼくは、聞きたくなかったよ。
そんな捨て台詞。
でも、だって、とか言い訳なんかいっちゃだめってことも、わかってるよ。
あきらめない、ぐちらない、できるまで、やりつづけるのが大事なんだって ....
浅い春が来て
きみの肩先から
ふたばが芽吹く

冬の熱量が
熱ければ熱かったほど それは
あどけなく
ふるふる
ほころぶ

目をはなしたすきに
ひとひらの蝶になって
とびたった ....
今眠りに落ちる私
なるものが本当
に存在するもの
かは分からない
が      私
なるものがなけ
れば落ちていけ
ぬのが夢の中で
その夢の中で愛
でた花の香だけ
が本当であるか
 ....
一行目が二行目ならば二行目は一行目ではないこれは偽である

二行目が一行目ならば一行目は二行目であるこれは真である

三行目が一行目ならば二行目は二行目であるこれは偽である

四行目を平行 ....
財布の中に右耳を見つけた
最近コインの音ばかりするな
と感じたのはこれだったのか
お金を取り出して
代わりに草原を入れておいた
これでいつでも
風にそよぐ草の様子を
聞くことがで ....
 眼に泳ぐ精子たち      
                     電子を帯びたきみの姿見
 幾数年もわたしの前を歩いている
               ひとりごちに浴する勝手が ....
瀬音に秒針の音紛れ込む冬日

金魚がいると思ったら、赤いプラスチック容器

PayPayと鳴く鳥がいるらし

ジャンボ機から見れば小人のような私の暮らし
街に雨が降っている
いくつかの記憶が断片のまま転がっている
  僕は君に呼びかける
  かえってくるものが自分の谺にすぎないと
  知っていても
  それは君がいなければ
  生まれなかっ ....
ryinxさんのおすすめリスト(1270)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
淡く遠い- 唐草フウ自由詩9*25-2-15
塩水- はるな自由詩425-2-14
人のいない庭- 自由詩6*25-2-4
letters- mizunomadoka自由詩325-2-3
残り香- たもつ自由詩625-2-3
世界を売った虹- ひだかた ...自由詩525-2-2
不香の花- リリー自由詩15+*25-2-2
ミトン- そらの珊 ...自由詩19+*25-2-2
届くもの- たもつ自由詩325-1-30
過去は死ぬのか- みぎめ  ...自由詩325-1-29
天と才- 洗貝新自由詩6*25-1-29
まち- はるな短歌425-1-29
海月- 本田憲嵩自由詩1425-1-26
遡行する時_、- ひだかた ...自由詩7*25-1-26
黒板の花- たもつ自由詩3*25-1-26
睡歌- 栗栖真理 ...自由詩225-1-25
冬の樹霊- ただのみ ...自由詩4*25-1-25
水入りの街- 洗貝新自由詩12*25-1-24
アウシュビッツ解放の夜に- 洗貝新自由詩8*25-1-23
de_verbo_ad_verbum_/_nihil_int ...- 田中宏輔自由詩12*25-1-22
或る貧困労働者の祈り- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-22
ラザロ(2025.01.16)- 草野春心自由詩425-1-21
いっちまえよ、ベイビー- 阿ト理恵自由詩5*25-1-20
はなうた- そらの珊 ...自由詩14*25-1-20
逸脱- 雨宮吾子自由詩325-1-19
百行詩- 田中宏輔自由詩12*25-1-19
- たもつ自由詩325-1-19
無線紙- アラガイ ...自由詩10*25-1-17
小人の暮らし- 紅茶猫俳句5*25-1-17
call- 塔野夏子自由詩6*25-1-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43