すべてのおすすめ
死に
たかる蟻たち
夏の羽をもぎ取り
脚を引き千切ってゆく
死の解体者
指の先で抓み上げても
死を口にくわえてはなさぬ
殉教者
死とともに
首を引き離し
....
あめんぼうは、すばらしい数学者です。
水面にすばやく円を描いてゆきます。
真夜中、夜に目が覚めた。
凄々まじい羽音に起こされた。
はらっても、はらっても
黒い小さな塊が、音を立てて
いくつも、いくつも纏わりついてきた。
そういえば、ここ、二、三日とい ....
とっても有名な蠅なのよ、あたいは。
教科書に載ってるのよ、それも理科じゃなくって
国語なのよ、こ・く・ご!
尾崎一雄っていう、オジンの額の皺に挟まれた
とっても有名な蠅なのよ
....
きみは海を見たことがある?
(パヴェーゼ『丘の上の悪魔』10、河島英昭訳)
ぼくは
(サルトル『アルトナの幽閉者』第一幕、水戸多喜雄訳) ....
『ジイドの日記』を読んでいて、ぼくがもっとも驚かされたのは、友人であるフランシス・ジャムについて、ジイドがかなり批判的に述べていることだった。ジャムがいかに不親切で思い上がった人間か、ジイドは幾度 ....
二年くらい前、ある詩人に、萩原朔太郎は好きですか、と尋ねられた。嫌な質問だった。というのも、この手の質問では、たいていの場合、好きか、嫌いか、といった二者択一的な返答が期待されており、それが、詩人の好 ....
小学校四年生のときに読んだ『フランダースの犬』が、すべてのはじまりだという。実際、彼の作品は、神を主題としたものが多い。二十代までの彼の見解は、サドが『閨房哲学』の中で語ったものと同じものであった。「 ....
■同じ少女■同じ男の子■同じ世界■同じ場所■同じ小路■同じ国■同じ地方■同じもの■同じ言葉■同じ見方■同じ人間■同じ問題■同じ階段■同じ手段■同じ方向■同じドア■同じ形■同じ理由■同じ意味■同じ場所■ ....
あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、
目の隅で、何か動くものがあった。
歩く速さを落として目をやると、
結ばれていたはずの結び目が、
廃棄された専用ゴミ袋の結び目が
ほどけていくところ ....
ああ、神様、
私は煮詰まっています。
午後の週末です。
それは非常に活発な議論です。
あなたのひげに会えて良かったわ。
長い間、会議に来なかったわね。
主人は自分の携帯電話で滑って眠りに落 ....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
高級官僚になれますように
七夕の短冊に、そんな願い事が書かれてあった。
デパートの飾り付け。
ユーモアあるわね。
それともユーモアじゃなかったのかしら?
ひばリンゴ。
ひばりとリンゴを ....
『詩人の素顔』という本を買った。
シルヴィア・プラスのことは
ガスオーヴンに、頭を突っ込んで死んだ詩人
ってことくらいしか、知らなかったけど
読んでみたいと思った。
死に方にも、いろいろある ....
私が何も新しいことは言わなかった、などとは言わないでもらいたい。内容の配置が新しいのである。
(パスカル『パンセ』断章二二、前田陽一訳)
もはや、われわれには引用しかないのです。言語とは、 ....
学校のトイレの窓ガラスは、むかしから割れていた。
洗面台の鏡の端っこに
生乾きの痰汁がへばりついている。
その鏡に、学校と隣り合わせに建っている整形美容外科医院の
きれいに磨き抜かれた ....
主なる神はその人に命じて言われた。「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう」。
(創世記 ....
先生にはじめてお目にかかりましたのは、もう十年ほども前のことになりましょうか。ユリイカの新人に選んでいただいた年のことでした。場所は、新宿の駅ビルにある PETIT MONDE という喫茶店の中でし ....
あるとき、atom、つまり、「原子」という言葉が、ディキンスンとホイットマンの二人の詩人の詩に使われているのを発見して、これは、おもしろいなと思ったのである。それというのも、当然、この二人の詩人 ....
一行目が二行目ならば二行目は一行目ではないこれは偽である
二行目が一行目ならば一行目は二行目であるこれは真である
三行目が一行目ならば二行目は二行目であるこれは偽である
四行目を平行 ....
いま、わたしは、西院というところに住んでいるのだが、昨年の三月までは、北山大橋のすぐそば、二十歩ほども歩けば賀茂川の河川敷に行けるところに三年間いた。その前の十五年間は、下鴨神社からバスで数分の距離 ....
{ルビ形象=フオルム}を一つ一つとらえ、それを書物のなかに閉じこめる人びとが、私の精神の動きをあらかじめ準備してくれた
(マルロオ『西欧の誘惑』小松 清・松浪信三郎訳)
言葉ができると、言 ....
「私の生涯を通じて、私というのは、空虚な場所、何も描いてない輪郭に過ぎない。しかし、そのために、この空虚な場所を{ルビ填=うず}めるという義務と課題とが与えられている。」(ジンメル『日々の断想』66、 ....
どこで夜ははじまるのだろう?
(リルケ『愛に生きる女』生野幸吉訳)
夜は孤独だ
(ブロッホ『夢遊の人々』第三部・七七、菊盛英夫訳)
めいめい自分の夜を堪えねばならぬのである。
(ブラ ....
──韻律と、それを破壊するもの/詩歌の技法と、私詩史を通して
ころげよといへば裸の子どもらは波うちぎはをころがるころがる
相馬御風の歌である。それにしても、「この音は何だ」( ....
枯れ葉が、自分のいた場所を見上げていた。
木馬は、ぼくか、ぼくは、頭でないところで考えた。
切なくって、さびしくって、
わたしたちは、傷つくことでしか
深くなれないのかもしれない。
あれは、 ....
ちょっといいですか。
あなたは神を信じますか。
牛の声で返事をした。
たしかに、神はいらっしゃいます。
立派に役割を果たしておられます。
ふざけてるんじゃない。
ぼくは大真面目だ。
友だ ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
夏
白い夏
思い出の夏
反射光
コンクリート
クラブ
ボックス
きみは バレーボール部だった
きみは輝いて
目にまぶしかった
並んで
腰かけた ぼく
ぼくは 柔道部だった
ぼ ....
詩によって花瓶は儀式となる。
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』下・第三部・18、大西 憲訳)
優れた比喩は比喩であることをやめ、
(シオドア・スタージョン『きみの血を』山本 ....
ryinxさんの田中宏輔さんおすすめリスト
(154)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蟻。_
-
田中宏輔
自由詩
18*
25-7-21
あめんぼう。
-
田中宏輔
自由詩
17*
25-7-14
羽虫_。
-
田中宏輔
自由詩
16*
25-7-7
とっても有名な蠅なのよ。_
-
田中宏輔
自由詩
18*
25-6-30
HE_HAS_JUST_BEEN_UNDER_THE_DAI ...
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-6-16
_TWIN_TALES。
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-6-9
MELBA_TOAST_&_TURTLE_SOUP。_カリカ ...
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-19
百葉箱のなかの祈禱書。
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-5-12
SAME_OLD_SCENE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-5-5
THEN。__
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-5
いま一度、いま千度、
-
田中宏輔
自由詩
14*
25-4-27
懲らしめてやりなさい。
-
田中宏輔
自由詩
16*
25-4-10
DESIRE。
-
田中宏輔
自由詩
12*
25-4-3
WHOLE_LOTTA_LOVE。
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-3-24
Lark's_Tongues_in_Aspic。
-
田中宏輔
自由詩
13+*
25-3-17
窓。
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-3-3
イヴの手が触れるアダムの胸の傷あと_──大岡信『地上楽園の午 ...
-
田中宏輔
自由詩
9*
25-1-26
de_verbo_ad_verbum_/_nihil_int ...
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-1-22
語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-1-19
百行詩
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-1-19
THE_GATES_OF_DELIRIUM。_──万の川より ...
-
田中宏輔
自由詩
9*
25-1-15
LET_THERE_BE_MORE_LIGHT。_──光の詩 ...
-
田中宏輔
自由詩
9*
25-1-14
WELCOME_TO_THE_WASTELESS_LAND。 ...
-
田中宏輔
自由詩
9*
25-1-12
IN_THE_DEAD_OF_NIGHT。──闇の詩学/余白 ...
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-1-8
ATOM_HEART_MOTHER。
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-1-4
むちゃくちゃ抒情的でごじゃりますがな。
-
田中宏輔
自由詩
17*
25-1-1
みんな、きみのことが好きだった。
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-12-27
高野川
-
田中宏輔
自由詩
20*
24-12-24
夏の思い出。
-
田中宏輔
自由詩
17+*
24-12-22
THE_GATES_OF_DELIRIUM。
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-12-15
1
2
3
4
5
6
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