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初出『パーシー・アカデミー』誌 1963年 12月号
クウォーター・パークの酒場でめずらしく呑んでいた
かれは室でしか呑まない男だった
もう若くない顔で時折
笑うそぶりを見 ....
だれのものでもない両手で
だれかを傷つける
呼び鈴がおれの耳に
爆発している
やり過ごすことのできない咎に身をふるわせて
やはりだれも
おれを諒解しないというところで
....
慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
あるいは取り残された者たちの最 ....
田園のなかでブリッジミュートを鳴らしつづけていた男がうごきをとめ、
河べに立ちながら永遠ともおもえる時のなかで鳥を眺めている
かれが悲しみの澱みたいにおれには見える
それはこの十年ものあ ....
かつて昭和記念公園でわたしは森忠明と歩いていた
夏のあじけない夜でしかなかった
わたしは師匠と話しながら
東京都市の暑さのなかで
これからの人生についてみじかい詩句をひねりだ ....
さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、
ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者
いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、
た ....
捧げられたものと与えるものの区別がつかないままで、
ぼくは語って、きみは答えた、のはぜんぶがぜんぶ正解じゃないから
なにものともつかない悪夢を乗せて亡霊がインターステイツを走る
あかとき ....
洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
ついさっきまで見ていたんだよ
....
どこか見憶えのあるような、
なだらかな空気のなか硝酸系の毒物を蒔く
愉しそうな子供たち、大丈夫もう終わりだから
地下鉄工事の終わらない夏休み
眠れない夜をいくつもいくつも数えた ....
もしも死者が定型ならば、
生者は不定形ということなのか
水に浸かった流木が沖に着くとき
ぼくのなかに存った永遠という辞がすべて、
駅という一語に置き換えられるのはいったいなぜ ....
水の夢を観た
水を呑む夢でなく、
水にまつわる夢でなく
水、そのものの夢
個体が液体になったのか
自我が消失したものか
ぼくにはわからない
その夢のなかでは
光 ....
*
ブルームーンの流れる河は、あなたのポケットのなか 粉末ジュースを呑みすぎた子供時代のような夜がそっと手をふって花になる朝 韻頭を失った詩がどこまでも誘うからか、スカートが皮膚 ....
ryinxさんの中田満帆さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
すべては無意味/アラン・マッケル=作
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中田満帆
自由詩
5
24-9-24
surely
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中田満帆
自由詩
4*
24-3-18
黒犬の眼球
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中田満帆
自由詩
7
23-10-24
feelin'_bad_blues
-
中田満帆
自由詩
4
23-9-22
夏のよるべ
-
中田満帆
自由詩
5
23-9-20
ムンクの星月夜
-
中田満帆
自由詩
6
23-9-18
ぼくらが幽霊になるまで
-
中田満帆
自由詩
5*
23-9-13
友だち
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中田満帆
自由詩
7
23-8-10
おれが愛に気づいたとき、その愛がおれに語ったこと
-
中田満帆
自由詩
4*
23-7-16
the_beach_boys_strikes_again
-
中田満帆
自由詩
7
22-1-31
水
-
中田満帆
自由詩
5
21-8-13
ブルームーンの流れる河
-
中田満帆
自由詩
6
21-4-1
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