すべてのおすすめ
静寂を沈めた海が、満月を映している
白い泡を浮かべた幾度目かの波が、
今夜も踊らない砂浜を濡らして、
ひとりの足跡が、塔のある岬までつづいた
打ち寄せる羽ばたく声と、
幼い飛沫が果て ....
人生を捻じ曲げる、
まっすぐに終わりへとむかう
ひどく短絡的な直線を
乱暴にぐいっ、と曲げる
きっと皆は、この僕が
まっすぐ進むと思っていただろうな
でも突然、進路を捻じ曲げたから
....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている
正 ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを
アフリカの中央部、西部、そして ....
手足も鋭い口の一部だった、
小さな鯵はたちまち餌食となった
隠されたふたつの針が捕食者の自由を奪う
烏賊は、見知らぬ力に捕らえられた
月のない夜だから、
磯は辺り一面墨を溢したような暗闇 ....
白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く
破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢の ....
土星の衛星タイタンの海、
時空間跳躍施設のあるプンガの島々に
量子駆動によって遥々と運ばれた 卍 、
コンテナの中身はサルデーニャ島産のチーズ
生きた蛆虫の湧いた、カース・マルツゥだった
....
土砂降りの雨がおまえを濡らし、
からだが小刻みに震えているのを見た
星の巡りじゃなく、俺はここにいる
華奢でしなやかな声をキスで塞いだ
信じられるのは、息と瞬きだ
うなじや首筋 ....
白く浮かんだ綿雲が涼しげな影を作り、
緑の斑は噴煙のように大地を盛り上がらせた
いつもは動かない巨きな山たちが
突然、立ち上がって天空を掴みそうだ
現実と、非現実との見分けがつかない
遠 ....
あやうい花のいのちも誇らしげに
青に浮かぶ梢の淡い紅の清らかさよ
そよぐ風に花は揺蕩い、
霞に煙る吉野を見渡せば、一目千本
賑やかに咲き、忽ちに散る花の錦、
散る道の風情はいつしか夢へとつづ ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む
また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る
既に世界は ....
三つの色、
一つの終わり
声と息が重なり、
いのちを紡ぐ
春、
菜の花が咲き
夏、
青い夜に
秋、
幾度もの口づけ、
瞳に映るのは
紅蓮の炎
めぐる季節と
想いは ....
寂れた町の匂いのする
季節外れの席でビールを飲む
砂粒だらけの赤い足で、
板張りの床を踏んでいた
濡れた髪の女の子が
ハンバーガーとポテトを運んだ
台風が去った跡の景色が、
そのままこの ....
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えて ....
降りしきる砂に埋もれてゆく
さまざまな過去が現れては消え
羽のない水色の鳥は
ぼんやりとした想いの空をとびつづけた
ここが幻だとしても
今は見ているものが現実だった
砂に埋もれてゆくからだ ....
子供たち
と
遊ぶ
白い獣、
むき出しの
牙
と
ビスケット
緩やかな陽射し、
庭の歓声、
他愛ない時の流れの
そのひとこまに、
静止した
笑みは
遠い空に消え
....
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後
音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き
鞄を逆さにす ....
ryinxさんのatsuchan69さんおすすめリスト
(17)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
グィネヴィアとエレイン
-
atsuchan69
自由詩
15*
25-3-1
し
-
atsuchan69
自由詩
24*
25-1-14
青い涙
-
atsuchan69
自由詩
15*
25-1-7
アフリカの涙
-
atsuchan69
自由詩
20*
24-12-31
烏賊
-
atsuchan69
自由詩
11*
24-12-11
碧の欠片
-
atsuchan69
自由詩
20*
24-12-4
タイタンの卍
-
atsuchan69
自由詩
9*
24-9-19
息と瞬き
-
atsuchan69
自由詩
11*
24-9-12
virtual
-
atsuchan69
自由詩
13*
24-9-4
サクラ
-
atsuchan69
自由詩
9*
24-4-6
サクリファイス
-
atsuchan69
自由詩
17*
24-2-14
3+1
-
atsuchan69
自由詩
11*
24-1-2
幽霊たちの砂浜
-
atsuchan69
自由詩
18*
23-10-24
シマウマに乗って宇宙へ行く
-
atsuchan69
自由詩
12+*
23-8-26
砂の鳥
-
atsuchan69
自由詩
10*
23-8-5
残光
-
atsuchan69
自由詩
10*
21-5-15
四次元のリコ
-
atsuchan69
自由詩
13*
06-11-26
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する