花咲く陽光の丘に
記憶の忘れ物
じぶん、行方不明

たぶん じぶん消え
花咲く陽光の丘、
初めて記憶の
奥に現れ

変容し続ける
記憶の忘れ物

花咲く陽光の丘にて

反復 ....
 路の端
 行きすぎるヒトの脚許
 恐れもせず
 ヨチヨチ
 
 細い舗道で歩調ゆるめるヒトたちの視線
 浴びる君はなんとか
 横断すると
 また 喫茶店のガラス扉の前
 軒下う ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ


えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく


えくぼ
笑 ....
我が家では

いただきますの後
ニャー と号く

あの日から
そうしてる



魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
 給料日 仕事上がりに立ち寄るATM
 その銀行の隣に花屋がある
 軒先、白い看板には飾り文字で「花音」

 店内は細長いスペースで奥行きあり
 入り口に色とりどりの花の苗が陳列していた
 ....
 色褪たページは
 枕辺のまぼろし
 テーブルに伏せた夜のとばりを
 そっと捲るように

 形を感じさせぬ影は
 ただそこにあり
 幾重にも揺れるカーテンの奥で
 かすかに濁すマドラス ....
朝の光に包まれて
紫陽花の青、浮き上がり

意識、うっとりあけてひらき

朝の光彩 闊達に浴び
青の流出 今や止めどなく

新たな現の顕れに
眼と成るわたし
静かさの内
 手をコピーする。左手をコピーして、右手を
コピーする。腕をコピーする。左腕をコピーし
て、右腕をコピーする。顔をコピーする。光を
見ないように、目をつむってコピーする。肩と
胸をコピーす ....
 都会の片隅に、にっこり
 置いとかれたお地蔵さん
 短い夢にからかわれ
 ビルからまたビル渡り
 錆びた引戸の奥で
 さよならぽつり

 きみはやわらかに抱きしめ
 つつみながら
 ....
習い事をする指
花粉が入ってきて
鉛筆に降り積もる
狭い心房
右と左がある
一時間後バスに乗る
土の上、優しい
柔らかな色彩の
ように息継ぎをする
発熱、発汗、
生きている ....
 いつからか

 私のまわりを古びた影が踊るようになった

 冷たい唇を
 心臓にぴったりとはりつけて
 やがて
 血汐をすいとってしまうのではないか


   だが
    ....
ネズミにかじられた日々
錆びた釘
二階の楽園から逃げ出して来た蝶がテーブルにとまっている
青い翅に書かれた詩
息と息の間の甘い舌のもつれと苦い錠剤の散弾が
古いR&Bのむこうとこちらを煙のよ ....
 風の中に雨がむせび

 雨の中に女がむせぶ

  長く長く
   細く細く


 胸の中に
 容赦なく風が吹きこむ度
 
 血潮のいとおしさに女はむせぶ
 
   過ぐる日 ....
 夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
アパートの軒下で

猫が雨降りを眺めている

虚ろな無関心な
人間の目をよそに

瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し

遠い海鳴り宇宙のそよぎ

軒下の猫 夢みてい ....
 地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
扇風機から炭酸水が漏れている
甘い味はなにもないのに
蟻が数匹集まっている
手触りのする布で拭いて
以前から繰り返していた
冷蔵庫を開ける
三丁目がある
良く冷えた救急車が
大通りを走 ....
気がついてみると、あの頃にようには心や脳
が動かなくなったのか、とかなんとか。そん
なことはないはずで、身体と心のあちこちが
ゆるんで、ちょっとやそっとしたことなんか
で胸が高鳴り、涙を流して ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している

海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網

身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り  ....
 積乱雲を想って
 紫の渦あじさい
 順呼気に澄む
 ふくらみ過ぎた花と緑は
 まるで巨大なくるみ型の舟
 或いは脳みそ 
 私はミソスープに伸ばした腕を
 食卓の
 小鉢に触れたいと ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
そして私は迷い込む
静かな五月の夜
輪郭を失くした処に

複流し
伏流する時の中で
淡くオーヴァーラップするのは
私の意識と
君の意識か

(私とは)
(君とは)
谺のように出 ....
 日本海に春の来た時は
 カラカラ カラカラ と
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 妙に乾いた音たてて
 踊り上がりながら 転げこむ

 海の碧に惹 ....
 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を ....
雨上がり
暗闇に
空気が透明
水の匂い
耳をすます

+++

田舎道
水たまり
機嫌よく
出来ることは
何もなく
新しい童話ができました
美しくて優しいお話でした
子供たちは喜んで読みました
けれど一番夢中になったのは
大人たちです
雨上がりには虹が出ると
いつまでも信じ続けました
どこから ....


どの、骨で
鳥をつくらうか。

どの、骨で
鳥をつくらうか。

{ルビ手棒=てんぼう}の、骨で
鳥をつくらう。

その、指は
翼となる。

その、甲 ....
5月28日
黒いペンで書かれた
カレンダーのさりげない予定
几帳面な字

その翌日
あなたは
日めくりの裏のような
真っ白な予定の永遠に続く
向こう岸へと
踏み出してしまった

 ....
ryinxさんのおすすめリスト(1270)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花咲く陽光の丘にて- ひだかた ...自由詩4*23-6-29
街カラス[まち角11]- リリー自由詩5*23-6-29
えくぼ(ver.2)- 本田憲嵩自由詩523-6-28
お魚くわえない猫- AB(な ...自由詩12*23-6-28
小さな生き物- そらの珊 ...自由詩9*23-6-28
花とボタン- リリー自由詩12*23-6-28
ブルーマウンテン- soft_machine自由詩323-6-26
静かさの内- ひだかた ...自由詩4*23-6-26
コピー。- 田中宏輔自由詩15*23-6-26
お地蔵さん- soft_machine自由詩823-6-25
習い事- たもつ自由詩823-6-25
鎮魂歌- リリー自由詩4*23-6-24
六月の寡黙- ただのみ ...自由詩2*23-6-24
風の中に- リリー自由詩7*23-6-23
One_Day_- 空丸自由詩1623-6-22
軒下の猫- ひだかた ...自由詩523-6-22
引幕(「廃家」[まち角8]改訂)- リリー自由詩6*23-6-20
履歴書- たもつ自由詩5*23-6-20
いつか_あえかなきみ- AB(な ...自由詩8*23-6-19
ヒメジョオンの巷- そらの珊 ...自由詩13*23-6-19
坂道と少年。- 田中宏輔自由詩13*23-6-19
六月- soft_machine自由詩8*23-6-16
メシアふたたび。- 田中宏輔自由詩12+*23-6-12
Overlap- 塔野夏子自由詩6*23-6-11
小石- リリー自由詩3*23-6-11
群青- そらの珊 ...自由詩12*23-6-9
夜に雨があがった- 日朗歩野自由詩6*23-6-7
童話(童話)- たもつ自由詩523-6-7
骨。- 田中宏輔自由詩14*23-6-5
向こう岸- Giovanni自由詩13*23-6-4

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