カナリア カナリア
快楽の中に今も尚
生きながらえた首を曲げた老人
苦しみなら信じられると
禁断の果実すら腐り落ちる
この土地を愛してやまない
カナリア カナリア
突発の中で育てられ ....
>>さて、ところで詩の余白ということに最初に着眼した方は1900年に活躍した詩人のマラルメさんらしいのです。
と前回「視覚詩と北園克衛 (と私の好きな視覚詩)について」の中で書いてからはや2ヶ月 ....
ある麗らかな朝、一行の詩が書物から立ち上がってはるかな水平線をめざして言葉の海を泳ぎだしたまま行方不明になった。さっそく捜索隊が組織され船出することになった--------。
どうも気がすす ....
畏れるな
羽根はすぐそこだ
雨の日の夜の校舎は
まるで水中のようだった。
おれは、かすかだ。もうすぐ、なくなる。それでもいだきつづける、おと。か、すか、だ。あのねThis is POPなのPPPP底には何があるの。セミがあおむけマンションの廊下に落ちてたよ。夕日!だった。貴 ....
かなしい夏 ?
夏の首すじが
眩しい
何もすることのない午後
空気さえ発光している
しなやかな夏のゆびさきが
飽きもせずあやとりしてる
夏はあの木立のてっぺんあた ....
「不思議だね、みんな死んだらいいのにね」ってビルの65階の夜景
もう少し待って 60年くらい経てばさみしさが死因で死ねる
{引用=6月、梅雨 ....
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式 ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で
蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
それは 破綻だった 小さな部屋で
はじまっていた 壁が不必要に白すぎて
かといって 何を置けば あるいは ただひとつの
窓に 何色のカーテンをかければ その白が
中和されるのか わからなかった ....
ダヒテ。
ダヒテの発音は砂のようで
ダヒテの腕はいつもきみどりいろな気がする。
僕の魂は重みにつぶされたりはしない
青梅線を走る送電線に巻き込まれたりしない
そうなったら
....
土くれの上で
ブクブクと肺をうごかして
息を吸う
息を吐く
それから
しらじらとした空気の中で小さくワルツをする
手はこう、角度はこう、小さく、チラチラと、
....
午前四時
遊泳をやめない夜
銀色に溶けて
静かに生きた
連続する人の群れに
並んで
あなたを探している
あなたという名の人は
存在しないけれど
忘却の跡地に
染 ....
アルコホル
眠くなる後悔する
の
夜のすきまには
都電はすべて ばらけている
傘の先つたう水を
すとんと間抜けた放送を
泥に似て垂れる人を窓につぶつける雨を
ゆられてふらめく光 ....
始点
まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
も ....
最後の頁は
白
いくつもの空を渡って
うたが
君の心へ届いたなら
いくつもの虹を越えて
ことばが
君の心へ入り込んだのなら
....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
[1]
その森園にさえずるのは、鳥ではない。この降り続く雨が、パラホロロパラホロロとポリフォニックなリズムを刻んで増幅して、ぼくらはいつのまにか、見えない明日へ見栄を張るため消えている。水滴をのぞき ....
どこから。
ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が
わたしの温い肌に染む ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
コップの縁にとまったガラス細工の鳥が
思い出したように身体を傾けて
水を飲む様を演じる
赤い液体が体内を巡る
海のようだ
わたしの中に溜まった水が
満ち引きをくり返しながら
すこ ....
みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおま ....
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