今の日本では、誰でも理科の教育を受けると機械論的自然観を植え付けられる。自然界は元素の組み合わせでできています。自然は量的に計測可能です。厳密な実験に基づいて自然を利用していくのです。だ .... 点在するものが輪郭を軽くし
遍在するものが浸透圧を下げる
終わっていく一日と始まっていく一日が
互いを巻き込みながら壊れていく中
どちらの日でもない間隙に僕は起き出す
人々は個体の中で誰とも ....
〈誕生〉
生きるために産まれてきたのでも死ぬために産まれてきたのでもない。
目的がないのではなく目的を作るあなたが産まれたのだ。
あなたは自由でもなければ不自由でもない。
自由を作るためにあな ....


前へ逆らってくるものに濁った静寂を飲ませよう。人間は平等な墓石の上で草になるのを待っているから。広がって他を照らそうとするものをそれ以上の絶対的な光で鎮めよう。あらゆる広がりは人 ....
都市の迷路に波打っている緑の原点たち
原点たちはどんな香りをも演繹せず
冴え渡ったおしゃべりの隙間に破裂して飛び散っている
おしゃべりは思想という場違いな花を排水溝に流し続け
ビル ....
〈私と社会〉
社会は初め私をくるむ甘い衣のようだった。
私が一人で歩きだすと、
社会は今度は数限りない迷路と罠をしかけてきた。
私が地図を作り罠の避け方を学ぶと、
社会は今度は遠くに見える山 ....
あなたは水の流れに逆らわず
最も清い水がどこに流れているかを素早く見抜いた
光と光を結んで星座を作るのが得意で
幾つもの新しい星座を見つけては
地上に豊かに降らせた
だが優れた技 ....
人は人と出会うことによって孤独を作り出していく
人にとって他の人は孤独そのものだ
生まれたとき母親と出会い
人は最初の孤独を作り上げる
育っていくごとに無数の人と出会い
人は無数 ....
〈孤独の光〉
人は多くの孤独を抱えているほど豊かな人間だ。
仕事に就いて人と沢山情報交換していると孤独は消えてしまったかのように思える。
だがそのときいよいよ光を増してくる孤独の数の分だけ人は人 ....
駅に向かう坂の途中に咲いている朝顔に人形の首がぶらさがっている。天気は訪れる時期を間違え続け、今日も橙に人々の肉を染め上げている。鉛なのか鋼なのか定かではないが、いつでも重い金属が鼻孔の奥 .... 〈幸せそれとも不幸せ〉
辺りが闇に包まれるとそこに尊い神具があったとしても何も見えなくなる。
僕の眼の前には幸福が大きく広がっているが残念ながら僕の時間はいつでも夜。
星明りひとつない真の闇だか ....
私の絶望は何かの病巣のようであって、その病巣はたえず再生産しながら増え続けている。確かに若い頃、万策に窮して絶望の源の方まで落ちていったことはたびたびあった。だが私は結局絶望を燃やし切るこ .... 〈人間失格〉
一人一人の人間には基準がないから失格も合格もない。
人が他人と関わるとき基準が生じて失格が問題となる。
人が多くいると平均化による基準も生まれる。
だが人間失格とはそんな一般論を ....
〈組織を流れていく明かり〉
ドアを開くとどこも同じ風景。
だが新しいドアであるのは間違いなく同じ風景でも全く違った内側の構造を宿している。
人の動きはどこも同じ。
だが同じ動きでも全く違った言 ....
あなたの体の中を
馬のように駈けている命が
僕を見つけて立ち止まったのか
それとも
僕の中で安らいでいる
鳥のような命が
あなたを見つけて飛び立ったのか
あなたのまなざしと僕 ....
僕という泉の湧き水の量は一定のはずで
僕は泉の水をちょうど飲み干すことで毎日を生きているが
それ以上の水が必要とされるとき
仕事の熱量が僕をさらに引き延ばしていき
もはや水ではなく ....
カードのようにシャッフルされた僕たちは
必然的なものなど何もない真空で
必然的なまなざしのせめぎ合いを生み出そうとしていた
人間という強い酒杯を次々と飲み干しては
したたか酔って二 ....
〈雨天から降ってくる雨という憂鬱〉
世界が世界一つ分狭まると雨が人々の庭に侵入してくる。
人は歩けない以上に歌が歌えない。
声は口に達する前に雨によって沈められてしまう。
電車が遠くを走ってい ....
戦場


辺りを見回すと曇った戦場になっていた
地図も何も持っていない
辿るべき道もなければ道を切り開く道具もない
振り返るとそこには文書の山があった
作り笑いをしている顔があった
と ....
〈Syrup16gを聴かなくなってしまった僕に〉
捨てられたカードが終わりのない落下を続ける。
捨てられたカードはまだ呼吸をやめない。
カードはもう要らないマニュアルだけあればいい。
自分を守 ....
人々の敵意が鉄の壁のように僕を取り囲み
外側から来るどんな愛も遮断し
内側から発されるどんな愛も跳ね返してしまった長い期間
僕の中には一枚のカードが次第に凝結していった
最後の切り ....
ここには生きた死体ばかりが働いています みんな自分の大事な部分を殺して一度死んだ上で その死体を制度の機械的な動きに合わせて 操り人形のように動かしているだけです ここに生きた人間は入れない 入る段階 .... 毎朝電車に乗ると
犬も猫も狸もライオンも
色んな動物が一緒に乗ってきます
僕はさしずめ犬といったところ
動物たちは黙ったまま座席に座って
それぞれのしぐさと毛色とまなざしで
電 ....
怖い人よ
あなたの視線はどこまでも遠く通っていき
あなたの声はどんな棘でも受け止める
水よりもさらに率先して低い位置へと流れる
怖い人よ
社会から一斉に降ってくる硬い種を見事に発芽さ ....
泳ぎ方が分かりません
この組織にはいくつものプールがあり
それぞれのプールで異なった泳ぎ方を
しなければならないけれど
そして最後には
どんなプールでも泳げる
泳ぎ方を身につけ ....
ぎっしりとデスクの並んだ職場で、社員たちは互いに協力しながらてんでに仕事をしていた。データを入力したり、書類を作成したり、文書を印刷したり、メールを確認したり、同僚と打ち合わせたり。私は職 .... 隔離されなければならない 家族から 仲間から 社会から 世界から その場を乱したりするわけではなく 逆にその場に適合しすぎて その場を栄えさせ過ぎてしまうから この社会の網の目が勢いよく不気味に成長し .... 俺はこのどでかい建物の中で書類をいじくり
何か血なまぐさい争いでも起きるのではないかと期待していた
人と人とが心底憎み合うような
湿った命同士の争いを待っていた
ところがこのどでかい建物には
 ....
世界の外側


世界の外側に
もう一人僕がいる
あるいはそれは
何人もいる僕のうちの
たかだか一人に
過ぎないのかもしれないが
この世界の外側に
もう一人僕がいる

あの日君は ....
役割が与えられました 大きさがよく分からないし 形もよく分からない役割です 伸縮自在に動き回る役割に 僕はうまく当てはまらなければならなくて 僕は完璧じゃない 僕は失敗する それでも目に見えて追いかけ ....
葉leaf(914)
タイトル カテゴリ Point 日付
森山恵詩集『みどりの領分』について散文(批評 ...214/7/30 11:37
朝のこどく自由詩014/7/27 3:21
人へ自由詩314/7/24 6:57
コンプレックス自由詩814/7/21 9:49
ジャズ自由詩5+14/7/20 5:33
人へ自由詩414/7/17 7:03
偉い人自由詩014/7/13 4:50
孤独自由詩414/7/10 17:21
人へ自由詩214/7/10 16:39
幸福不信自由詩114/7/5 11:04
人へ自由詩114/7/5 8:41
燃焼自由詩414/6/29 4:33
人へ自由詩114/6/28 7:01
自由詩1+14/6/26 6:39
自由詩314/6/21 17:33
残業自由詩114/6/20 6:40
研修自由詩114/6/14 9:43
人へ自由詩614/6/11 5:43
戦場自由詩414/6/8 5:14
人へ自由詩214/6/5 4:51
愛されない自由詩114/6/1 5:03
twitter自由詩214/5/27 4:35
通勤自由詩314/5/24 8:39
怖い人自由詩314/5/18 10:00
水泳自由詩314/5/11 5:22
自由詩614/5/4 11:50
twitter自由詩214/5/1 3:05
水物厳禁自由詩314/4/30 18:33
世界の外側自由詩214/4/26 15:12
twitter自由詩214/4/26 4:16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 
0.08sec.