世界の無数の先端にある
歴史の新芽を摘みとってきて
言語の無数の先端にある
事実を手際よく料理して
一束の作品が今日もポストに届く
新聞は根底的に潤っている
どんなに乾いた悪意が記されてい ....
目を覚ますと隣で寝息を立てている。時間になって起こしに行くとおはようと挨拶を返す。朝ご飯を作ってくれる。CDプレイヤーから流れる音楽に合わせて鼻歌を歌う。午前中に掃除や洗濯をする。午後は仕事に出かける .... 僕はゴミを出しに行く
君は朝ご飯を作る
お互い家事を贈り合って
平凡な生活を稼働させている

僕は車の運転をする
君は行き先のお菓子屋さんを調べる
お互い労力を贈り合って
平凡な休暇を ....
満ちては引いていく
あなたの全年月
誕生も死もすべて含んだうえで
あなたは満ちてまた引いていく
火花が飛び散り雷鳴がとどろく
涼風が吹き小春日和が続く
四季折々の風景を包み込んで
すべて ....
仕事で疲れ果てて休みを取った日、君は仕事に出かけ、そのまま遠くの病院に行き実家に泊まってくる予定だ。僕は仕事からも君からも離れて、独身の頃のようにワープロソフトを開いている。人生は端的に切ない。そこに .... つぶさに歳を重ねていると、日々の幕開けによって勝利する太陽から投げ落とされるものが折り重なる。そのいくつかは目じりのしわとなり、そのいくつかは白い髪の毛となり、細胞が生き死にを繰り返すサイクルが少しず .... 出会ったとき
僕たちはさして美しくなく
清潔な身なりと誠実な物腰が好ましかった

デートを重ねて
僕たちはそのたびごとに
美しさの種を拾っていった

すっかり親しくなり
僕た ....
古い道に至るまでの
新しい道をつくっている
道同士が接続することで
道はそれぞれの流れをくつがえし
さらに伸びたり分かれたりを欲する
この新しい年に新しい道をつくり
行き先を指定せずに
 ....
命より重いもの、愛より深いもの、死より絶望的なものを多孔質の部屋へと注ぎ込み、漂う生の圏域からはぐれて二人影を重ねる。生活は表層において美しく、淵において数限りない汚濁する流れと交わっている。おはよう .... 僕が家で留守番していると
君も透明になってそこにいる
確かに君は遠くの病院の診察を受けに行ったが
それでも君は透明になってそこにいるのだ
君は目に見えないし
君は微笑まないし
君は ....
ご飯を炊いて
魚を焼いて
味噌汁作って
食事をする
生活の回る
快い音が聞こえる
幸せとはこういうものだ

洗濯をして
ベランダに干して
部屋に取り込んで
きれいにたたむ
 ....
個人のつつましい民主主義が疲労して
つま先から順に夏に攪拌されていく
暮らしの行き先など
だれも責任を持たずに今日も花市だ
詩は円環軌道で経営され
詩は競争優位のためにイノベーション
 ....
廃墟と化した商店街が完結している
続くべき陸地はすべて粒と化した
誰もが譫妄を欲する真昼
比喩が陽射しとともに降り注いでいる
つぶらな嘘が重い層となり
死地から死地へと飛び移るとき
 ....
大地に濡れ
人を買った経済よ
お前はただ無限に略取されればいい
海の押し寄せる血管に
人の声は明け渡され
法規の群れが押し寄せる窓辺に
季節はその最後の一塊を溶かす
ほろ、ほろと
耕さ ....
わずかずつ差分を超えてきて
都市の配管にひたひたとうずもれる
真夏の花弁が遠い秋の音と鳴り代わっている
時雨れているのは人か木か
正しい結審の音ばかりが降り注ぎ
うすら近い日々の錯乱がう ....
 雨は思索の器のようなものであり、人は雨という器に包まれて思索へといざなわれる。それまで複雑だった外界が雨という器一色になることにより、人は外界から内界へと関心を移し、自らの来し方、これからの展望、様 .... 言葉がはじかれ、どんどん軌道をそれていき、やがて意味を失っていく。絶妙なバランスで高く積み上げられた石積みが崩れ落ち、その音響はいつまでも反響をやめなかった。過誤は自然には存在せず、社会が定義する .... 同じ画面に収まった二人は
時間をたくさん間違えているし
空間をたくさん間違えている
数限りない間違いの果てに
取り返しのつかない勘違いの果てに
この小さな画面の中
笑顔の二人がいる
食材と調理器とのパズルを解いて
今日も君は正解を導き出す
その正解は少し焦げていたり
しょっぱかったりするかもしれない
だが少しの偏りはみな正解である

料理と僕とのパズルを解いて ....
夜空に絵を描くために
人は花火を打ち上げる
灼熱の夜空の強靭な肌を
華々しく出血させるために
花火は溜め込んだ怒りをまき散らす
ここには夜空と花火との
無意味で無益な戯れしかない
戯れの ....
女の中には無尽蔵の怒りがある
そして無尽蔵の慈しみがある
幾代にわたって夜を継承しながら
女は毎夜眠りと同じ形で眠る
女を彩る数限りない世界
その世界の振幅を
女は怒りと慈しみでもって ....
君と出会うことで
僕の記憶は層が増えた
これまでにない次元での
記憶が更新されていく
君との記憶は未来の記憶だ
これから君と過ごしていく中で
共に分かち合う記憶が
果てしなく予定 ....
詩の身体をよこたえて
幸福の点滴を始める
詩は安らかな顔のまま眠りに落ち
徐々に心臓が停止していく
追い打ちをかけるように
成熟の点滴を始め
社会の点滴を始め
現実の点滴を始める ....
人と人とが交わし合う
ひかりに意味はなく
ただただやさしいいろどりとして
いたる所にひかりが飛び散る

人の生の波そのものである
ひかりはきしみ合いながら
漠然と昼と夜を受けて
疲れた ....
思い出の匂いに包まれて
僕は今日も仕事に出かける
僕の記憶の野原には
たくさんの思い出が咲いていて
とりどりの匂いを発している
どんなに苦しい思い出もかぐわしく
とりどりの色彩を競って ....
 妻がパートを始めた。新婚生活も落ち着いてきて、専業主婦は若干暇なようだから、パートの面接に応募したら合格したのだ。平日半日勤務、年収80万円程度のパートであり、私の扶養に入ることとなる。
 妻がパ ....
この春、親友が死んだ。自死かどうかは重要ではなく、重要なのはそこで一つの世界が終わったということだ。親友の死とともに、私と親友とが共に存在する世界が終焉したのだ。世界の終焉とはこのように唐突に訪れ .... 春を形成する理論が
微小に解体されたのちに
夏を構成する流線が
しじまを軽やかにかたどっていく
死んだ者たちの沈黙から
跳ね返される無限の声を聴きとって
生まれるということは
生きる ....
種が芽生えるためには
尽くされなければならない
みずうみがある
種が根付くためには
終わらなければならない
幾何学がある
種が芽生えて根付いた先には
新しい双葉が包皮を脱ぎ捨てて
 ....
 私は既婚者であり、妻と二人の家庭を持っている。結婚して同棲を始めたのが昨年であるが、いざ家庭を持ってみるといろんな意味で自分の生活が変わってきたことに気づく。
 まず、独身のとき、私は週に一回片道 ....
葉leaf(914)
タイトル カテゴリ Point 日付
新聞自由詩220/4/2 4:25
ホワイトデー自由詩020/3/24 5:15
バレンタインデー自由詩120/3/21 17:28
自由詩120/3/11 13:38
小休止自由詩220/3/2 9:56
飲みに行く自由詩120/2/1 3:44
美しさ自由詩220/1/18 4:13
新年自由詩020/1/2 16:36
一年間自由詩120/1/1 15:05
留守番自由詩219/12/2 3:31
幸せ自由詩519/11/6 15:32
律動自由詩119/10/6 16:11
自由詩119/9/30 4:29
自由詩219/9/28 5:25
自由詩019/9/19 5:05
雨の詩学散文(批評 ...019/9/16 14:02
過誤自由詩019/9/7 9:02
ツーショット自由詩419/9/1 15:52
料理自由詩119/8/19 3:51
花火自由詩219/8/12 15:35
眠る女自由詩119/7/27 5:41
未来の記憶自由詩019/7/21 7:30
詩は死んだ自由詩019/7/12 5:47
ひかり自由詩119/7/9 3:33
思い出自由詩119/7/2 3:49
妻のパート散文(批評 ...119/6/22 14:14
閉じていく世界自由詩119/6/14 16:48
初夏自由詩119/6/6 4:43
家庭に浸されて自由詩119/5/31 16:49
家庭について散文(批評 ...019/5/25 8:55

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