ポインセチア
ベンジャミン



赤と緑が
美しく共存する

いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという


赤い花苞


この世界には
今も戦火が絶えることはない
緑色の大地に
打ち落とされたミサイルの火柱が
何かを守ろうとするために
焼き尽くした
守られるべきものすべてに
正義があるのだと


誰もが知っていても


やわらかいスポンジケーキに
真っ白なクリームをデコレートして
ゆっくりと切り分けようとするとき
ナイフを握りしめた少年が
あるいは銃口の先に
見たかもしれない夢を


ポインセチア


赤と緑が
美しく共存する

真冬の家々を彩る
それが
本当は寒さに弱いことを


知らないまま


もしかしたら枯らしてしまうかもしれない
守るべきもののために

赤々と燃えるように
花を包もうとする
その花苞が

自然の摂理であるならば


いったい僕は
何を祝えばいいのだろうか

    


自由詩 ポインセチア Copyright ベンジャミン 2005-12-18 08:38:08
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