数日前
ちくちくと気になり
次の日には終日気になり
有料の食事を泣きながら食し
翌日新たなそれの子が横に現れ
後日、親子共に成長を遂げ、
合併し
今に至る。
薄暗い博物館の
階段下脇に
上半身だけ
腕組した文覚像
見開かれた眼

何思うか苦悩と孤独
愛するものを過失で殺害
無念無残悲惨
結ばれない愛の曼陀羅模様

遠めで見ればほんの一 ....
隅田川は天井川で
千住の街から川面は見えない
母の知り合いの子が
釣りをしていて溺れ死んだ
川岸に菩提樹の若木を植えてみんなで拝む
小学校入学前のぼくが土手の上からのぞくと
黒くて巨大な蛇 ....
風が無い季節に
病葉(わくらば)が落ちる

眼に見えない時間が
自分の掌から零(こぼ)れ落ちて行く

突然訪れた季節に」
黄色の銀杏並木は
幹まで落葉で覆われ

道行く者の足を ....
地に飢えた哀しみより街に住む孤独の苦しさ

古い映画を観ればすぐに涙ぐむ癖に
アフリカの子供たちから顔を背けるわたしたち

土地を追われた哀しみはすでに絵空事で
ひもじい辛さも ....
あり合わせの野菜と特売の豚ばら肉で作った野菜炒め
ちょっと辛めなのは彼の好みで
できたての熱々をふたりのお皿に取り分ける

彼はと言えば相変わらずのパソコンに熱中していて

彼のお皿にはお ....
一本の
JR線路記号のような白黒の紐で
するすると地膚におりたつ

口を開けた 函
一列の
七十億の

新聞紙(パルプ)が敷かれ
中をかさこさ歩きまわる
ひよこ一匹をさがす

 ....
旦過市場を抜けたはいいが
山を越え
谷を過ぎ
ここはどこやねん
ぐるぐるぐるぐる
廻る道
これがニーチェの言っていた
永劫回帰か
あほんだら


天と地におけるありとあらゆるも ....
わたしを見ている
あなたのネクタイが
少しだけ曲がっているのが
気になって仕方がないけれど

愛しさが憎しみに変わる瞬間を
型に流し込んで作った
わたしの細すぎる指先は
ディスプレ ....
霧のなか/片足の折れた犬を知らないか
空腹にさまよう/満月の夜
気が付くと外灯の赤い肌は暗く
置き去りにされた毛布の染みを洗い流す
裏切りの斜雨ト
/
千切れた鎖を引き摺り/畜生と ....
僕はいまだによく悩む
そんな時頭の中では家なき子だ
じっと我慢
ハリーポッターの魔法の棒でもあればね
石ころが美女に変身するような
ひらめきと
それまでのくよくよを一気に粉 ....
ふと 横を見ると
あのひとがいた

1年前 
恋こがれて
夜の渋谷の坂を
走って追った ひと

横顔 今もすてきだ
30センチも離れていない
ところにいる

あっ

彼は  ....
また動物の話をはじめた

彼女はたまった動物番組を見ながら

いっしょに歩くように話してくれる

自然が好きなの、山登りじゃないよ、そういうんじゃないの、

やわらかな鼻声がかわらしく ....
全ては言葉で始まった。

ものは言葉で存在し

言葉で言えないものは無い
存在しない

絵に描けなくても言葉になって

人の間に漂って

人の気持ちも言葉になって

言葉が無 ....
冬の星空は、美しい
 
そして、今夜は 月も明るい

満月か これらか満月になろうとしている月なのか

こうも月や星が明るいと 夜遅い時間であることを忘れてしまう
  
 
 あれは ....
いえね タイトル負けの
しんや
液晶画面は踊りあかすよ
「く」の字や「も」の字の
光線びーむ
(BGM/波のように大貫妙子)

つぶやきりん)近頃のねずみはしっぽもない 耳にさわるな
 ....
もっと触りたい
ふわふわの領域を
もっと抱きしめたい
ふわふわの範疇を

手のひらから沁み込んだ
もふもふは一気に
視床下部まで駆け上ると
セロトニンの波に乗って
第3肋骨の裏側に潜んだ
「不」のつ ....
{引用=

指の先で三日月が伸びる夜
まるまるふとった空に
ふぁんたじいを映して
げんじつが困ってしまうような視線で見た明日の

熱烈な

  *

光を集める目のなかを
飛 ....
「有害な空気を生み出す煙突のようだね」

そう呟いたのは、他でもない私の心でした
体内をぐるりと回り行き場を失くした有害物質は、ため息と共に吐き出される

透き通った冬の空気
吐いた息は煙 ....
霧氷を知らない 海風の町に
 ひと夜の冬化粧
  許された 雪の舞う月の夜


すべてを白く染める 悪のような力で、
あなたの寝室の灯かりが消える
 僕は自分であろうとして
  逃げ出 ....
月が好きだということは

ひかりが好きだということです

太陽みたいにどぎつくなくて

月にあたってやわらかく

はねかえってくるひかり

そんなひかりが好きなのです


緑 ....
空白を塗りつぶす
色を慎重に選び
枠からはみ出さぬように
息をつめて

私には絵を描く才覚などない
から
他人の描いた線画を
色で埋める

五十色入りの
色鉛筆の缶が私の器量だ
 ....
風はとうから吹いていて
それはまるで空回りする蔦のように
くるくるとからみつき
見えないままで終わるよう
まぎれもない事実のように去って行った
振り向くことはしなかった

夜中にのどが渇 ....
匂い袋を破っても匂いは漂うように
お守りの使えない事に
包む掌は頷いていた
待っている続きにしか
使えない守り

薄めれば薄めるほど
きかなくなる
でも どこまでも薄まる事に
耐え損 ....
縦横無尽に うちのチャリ

それがすべてよ マイワールド

五里霧中なんかじゃないんだからね


 
いとしあの娘のおそい夕食

いとしのタラコスパゲッティ

すこしのびすぎたのは

洗い物がたまってたせい

タラコがこまかくからんでる

海苔も醤油もオリーブオイルも

カルピ ....
何かしら対価を見出したので愛するんだと思う
男のひとなら性欲の捌け口だとか

下心で膨らんだ股間を隠し
君だけを愛しているなんて恥ずかしくないのかな

女のひとだとしたら
無性に巣篭もり ....
詩を読んだ日、
見上げると満月だった。

詩を聞いてもらって,
「いいね」と言われる。

詩を読んだ日、
見上げると満月だった。
充血するほど
見つめあっても
見えないものはある

どんなに長い
聞耳を立てても
聞こえないものはある

見えているのは
草原の遥か彼方の
とても体裁の良い
互いのまぼろし
 ....
毎日ドレスアップの君
太陽ばかり見つめて
恋文を鳥に運ばせている

片想いの僕は
君の肩に触れることも出来ず
届かない詩を綴って

ときおり零れる
君の涙を
掬ってみるだけだ
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