昔 うちの父さんは
カレーライスにソースをかけて
スプーンをグラスに突っ込んで
上から下までぐるぐる混ぜて
それはそれはおいしそうに頬張っていた

ある日 それを友達に
なにげなく話した ....
「ばかものよ!」

なんて言い切れるなら良いのだけどね

「もしかして」

そんな枕ことばで思いの丈をごまかしたり
まるで何事も無かったかのように
飼いはじめたばかりの小鳥の世話を焼い ....
おまえは正しい

人間として正しい

最愛がほかにいることを

そいつにきちんと話したのだから

きっといまの苦しみは昇華される

これが業なら今回のことで消滅する

だから気 ....
ただいま と思いながら両手を下に広げる
林檎畑は収穫のための作業で忙しい
陽があたるように実の回りの葉を取るため
晴天の日曜日 実家に帰る

草を分ける土の道 人の歩いた道
風にそれる 緑 ....
透ける唄をきくから目をとじて
車の流れる音も聞きながして
そらはやっと明けたのに夜は幕をさげてゆく
夏はもう通り過ぎたの

冬物を出しながら
これからのことを考えて
でもこれからのことな ....
 「へそ」

夕立とともに雷が落ちる音がして
少年ははっと目覚める
もしかしてへそが盗られていないか
あわててシャツをめくり
お腹にちいさな穴が残っているのを
確認して
ほっとしながら ....
涼しくなったらさ
秋になったら
河原の芒が風に泣く前に
月が細り始める前に
右手を掘り出しに行こう
あれはまだ絵筆を握っている
才能はないんだ
カンバスの絵はみんなカッターナイフで
裂 ....
辺境を目指して隊商は
何も遮蔽物の無い太陽の炎の先を歩く
必要以上に熱い砂の上を
ただひたすら駱駝とともに
テクテクのテクテクのてくてく
歩いて歩いて歩いて歩いた

目的地はバスラ
ロ ....
泣きじゃくりながら
坂道を登っていた

気がつくと
そこは
深い森

森の中だった

緑 緑 緑の渦
苔むした木々

鳥の声

時折さす
きらめく太陽の光・・・

声 ....
この世のうわずみを
あらかた舐めてしまった

僕は

もう

面白がらなければ
何も面白くないし
欲しがらなければ
何も欲しくない

この世のうわずみは
どれも同じような ....
良い詩なんてどこにもないね
うん、ないね
それでいいんだよ
うん、それでいいんだよ
だって私たちは無名だもの
うん、無名だもの
きれいな詩もあるけどスルーだね
うん、きれいだけどスルーだ ....
虚の場所
 


                  こくりこと 霊。

(青空、)
墜落が 必然であった か
錐揉み乍ら 再考している…


(集落、の)
仮構された 中 ....
セブンイレブンに買い物に出る
夜の旧国道はひっそりとして
思い出したように車が行き交うだけ

秋の虫がてんでに声を競う
聞こえてくるのはそればかり
淡い闇を纏う街を見ていると
何だか現実 ....
今まで大切にしてたものや
欲しいものだけに
埋もれ、殻を創り
私は閉篭もって居た。

その殻は
とても不安定で

ちょっとしたことで
亀裂が入り、揺れる


亀裂が入る ....
女を抱きたい気分でもなく
ただ、見ていたい
風がセピア色
入道雲の思い出
「バニラスカイ」を見て
あなたはどう思った?
彼女の言葉を思い出す
力を失った男が
荒野をさすらう時
相棒は ....
幾年月の魂の蓄積

地の底に眠る土の塊

いつか僕が還る刻の風化

笑っているのだろうか

それとも
この世を恨んだままでいるのだろうか

その石はなにも語らず
自分のことで
人の手を煩わすことは
恥ずかしいことだと思いなさい
それに気づかないことは
恐ろしいことだと思いなさい
いつか
それに気づいたならば
感謝しなさい

はじまりのすべては ....
おお!惨めな言葉よ
食い千切られた月の破片
ヘロデ王に捧げられたパウロの首
銀の皿の上で
罵られる美徳の使者よ


 ....
                   101001




ミズノさん
並四ラジオが
故障です
すぐ直してください
明日もお勤めだと言うことは承知してますが
今晩中になんとかし ....
家にはじめてテレビジョンがはいったのは
ぼくが八歳のときだ
十二月の寒い午後
第九交響曲を唄う白いブラウスの女性たちが
画面に映る
カメラは三人くらいずつを順番に写していく

近くにだれ ....
自動販売機のコイン投入口に
すいこまれていく女の人をみた金曜日の夜
ポッケの底のおつりの枚数をかぞえていた
裏面をやさしくなぜながら
口当たりの良い絶望味のコーラをぐびぐびのんだ

昔乗用 ....
わんころ ほよん
あの日の初め
しろくうらくふくらんだ茎 ゆかんだ凪のひたい  
私はきみのことが好きだ
でも どうやらきみは
私のことを好きになることができない体質だったらしい

仕方がないので
私はきみを好きでいつづけることを
やめることにした

無理にきみに合 ....
舌先から街が見えた
憧れのデートコース 本当は君と行きたかった
だけど死んでしまったから 君の魂と小旅行

僕の姿が見えるかい? 僕はまだまだ温かいだろう?
天狗山に明かりが灯る 僕の知った ....
カウンターの背の高いスツールに腰掛け
グラスに注がれたバーボン
氷のゴツゴツした表面を覆いながら滑り落ちる
琥珀色の液体にジッと
視線を這わせ

すでに結露したグラスを捧げ
グビリと ....
私は想う
あなたと出会う
その事実を
あなたの意味を

これから
私は失っていく
例えば友を
痛みを

そのとき
私が還れるために
北極点のすがしさで
あなたが

たとえ ....
紅葉

秋風に頬擦りされて
照れ隠しに
薄化粧

ゆさゆさ
つぶやいて

聞こえるかな
乙女な気持ち
かたちのない宝石を
手のひらで転がす九月の午後
孔雀たちはまどろんでいる
淡く実る葡萄の夢を見ながら
人は何の為に生きるのだ。
それは死ぬ為だ。死ぬ為に今を生きる。
今を生きるとは何だ。
それは創造する事だ。
死ぬ為に懸命に生きる。そして懸命に生きる為に創造する。
創造こそが生だ。生きる力の ....
あんなに大きかった人が
幽霊になってしまった
行方不明の幽霊
生きているはずなのに
わたしたちは
残念ながら霊感がまったくなくて
幽霊がみえない
幽霊は文字のようで
記憶のようで
素 ....
豊島ケイトウさんのおすすめリスト(541)
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