電柱に
カラスの親子が
とまってて
海の向こうを
眺めてました
喫煙ルームから猛スピードですぎてゆく町並みを見つめていたら町がミニチュアのようになっていた
いきものたちのいないのどかな光景だ
シートに戻って車窓から町を見つめてみても町はミニチュアのよう ....
{引用=XY遺伝子の真価とテストステロンの黄金律を顕現せしめた稀少野生種。容貌に幾分かコーカソイドの特徴を有する傷だらけ科色男で、原産地は日本。桃井かおり命名するところの「よしおちゃん」種。
主に1 ....
メール返さず
着信履歴も
あり
あぁ私
彼女みたいじゃない?
∞
「おはよう」と
きみが言うから
朝になる
わたしの夜明け
きみが差し出す ....
指先に
約束された
風景は
ずっとあなたを
待ち続けてる
↑ ← ← ← ←
私はぼんやりした人である
だから空へ登って行きたいと願う 手段は問わない ↑ ....
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をも ....
肌やきもちが敏感になって あしたにはきえてしまいそうな夜
ぼくのせいで旦那さんが死んだことを
ぼくもそのとき死んだことを
奥さんが33ヶ月投獄されたことを
こどもの成長のためだけに奥さんが死ななかったことを
あなたたちのこころのひかりが
ほんとうに ....
{引用=
なぁぼくは受話器で泣いてるきみを抱けん。その泣き声さえも「ほんもん」ちゃうんや。
気の強いきみの受話器が黙るんは なんでかわかるよ、ぼくにはわかる。
....
春風は あの子のスカート ひらりとめくる 甘酸っぱい僕の日々
かっこつけてクールを装い 隠してるんです ポケットの中身を
たまには不真面目を演じてみたい 僕にそんな勇気があ ....
弥勒の雨の降り初め
緑青の音階が透きとおった
川はもう
市街地に集合して海に戻りたがっている。
手のひらに(砂の塩)
29℃の残り香が開け放たれた窓を過ぎ、
鉄の雨が降った
クリーム色を ....
{引用=
今にも 椅子を蹴ろうとしている足に
今にも 手摺を離そうとしている指に
閉じかけた瞳に 途切れそうな意識に
長い説教が響くか
巧い喩えはとどくか?
溺れながら謎かけを ....
それにぼくはふたをしたのか
みてみぬふりをしたのか
きもちをコントロールしたのか
あきらめたのかわからなかった
でもいまゆめのなかで
あなたのもうひとつのなをよんで
はずかしくて
ホ ....
一、 お散歩
しっぽ振り弾丸が行く月ぶれる
アスファルト下る瀑布に身も細り
黒ラブの餌より高き糞(くそ)不思議
後始末手こずる隙に引きずられ
散歩かな牽引されて汗まみれ
アホ犬とテニ ....
目をとじて
遠いどこかで
目をひらく
ただそれだけの
世界がすべて
空のチリ空気のツブの小ささが宇宙へ続く蒼をつくるの
ハナゲって単位聞いててふざけてて自分が笑えないのが痛み
真空の中をうつろで飽和させ詰まった想い送った空へ
カンカラカンから缶から缶 ....
墜落のいちじつにある街にむき とうめいいろのもちをたべてる
12時はカラスの群でできています 7時になるとゴミあさります
通話する 波のおとだけ鮮明で でんでんむしと ひとはいうなり
....
桜咲く 踊れ人畜虫神霊 恋も恨みも生死も忘れ
「サクラがね、きれい」とはしゃぐキミの肌 ピンクの花を 夜 咲かせよう
その先は楽土か黄泉か花の道 向こうで誰か手招きしてる
遊び{ルビ ....
無色の眼光に崩壊した空は いまだ自転の歯車を回し続ける
微かに揺れている 渦巻いた日蝕の環に 写影機は 操られている
非具象絵画が 乱雑な閃光に 連写される
既に太陽と月は 暦を稼 ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
白と赤紫ブルー花咲きて妻の花壇は賑わいており
ギッシングふとふと読みて人生の目標みつけり
曇り空ベートーベン・ピアノ曲部屋中に響いておりけり
天井でメッサーシュミットがぐるぐる回っている
弟の塗装はいつも雑だ、片側の窓がカーキで潰れている
ヒトラーは演壇で熱弁をふるっており
ドイツ語はさっぱりなので、盛んに繰り返されるClitoris ....
{引用=
花霞 目に映るのは君の背に散りゆくたったひとひらの夢
北国の君に(好きよ)と花びらで書く 南風がさらってゆくよ
首筋に君が降らせたひとひらは淡い花より ....
絨毯に虹ができていた
ガラスのテーブルのせいだろう
この世はひかりで出来ている
否、この世はひかりで見えている
否、この世はひかりのようなもので出来ている
テーブルはガラスで出来ている
虹 ....
日がしろく輝いて
ひとびとに熱を伝えている
傍らの空にはさくら
それをこどもみたいに自慢げによろこび
それをおとなみたいに適度な距離でたのしみ
日がバス通りの向こうに落ちて
ひとびとから熱 ....
ああ、だからニンゲンは
あらそいをやめないのだ。
とそう気づいたのは思春期のころでした。
なにゆえに
陰であるのか。
と、なやんでいたのです
サインコサインタンゼントの合間に。
夏で ....
下宿から 二か月ぶりに 家帰る
猫に忘れられ シャーッと鳴かれる
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
ここが気持ちの良い伸びやかな場所だということが
霊能のないぼくにもよくわかる
水のふくよかさが光に自由だ
土や風はじっとりとあえなく色彩へとかわり
そして私は鼻腔から生まれかわる
この地で生を受け ....
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