{引用=ジャンクフードからドッペルゲンガーまでを
わたしの小さな世界の一員と認めて陳列したストアで
コスモポリタニズムを宣言するの。
エキセントリックな彼を愛する彼がとても好きだから
シャネル ....
言葉はひかりより
遅れてやってくるから
たぶんまだ
君は粒子で
かすかな時間差の中に
小さく膨らんだり
縮んだりしているんだろう
空は淡く
まだ少し痛いから
僕は水辺にいて
円 ....
+
花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた
+
花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
新月の深い闇夜はいつも
晩夏の有明海を思い出す
まだ19歳のひとり旅だった
熊本長洲港から最終間際の有明フェリーに乗船し
対岸の長崎国見の多比良港に渡った
フェリーに親しげに ....
わたしのなかの毒を 冷たい指先から
触れるものにすべてなすりつけた
その先にあるのは無機質な 温度で 少なくとも
モノであるぶんには ずいぶんあった
かぞくで暮らしているのに ひとりで ....
どこへ行こうか――
そう問いかける森の
落ち葉は湿って素足に心地よい
(靴は捨ててしまった)
赤や黄や私を包み込むまだ青い
木の葉よ お前の匂いにむせて
ひたむきに傾けるやさしさに ....
明日
急に友達で
無くなるくらいなら
また明日って
交わした最後に
次は僕だと教えてほしい
誰かが
....
「めざめろ!。」と肉をなぶる指がもどかしくてぎゅっと首筋を咬む。
ほてる肉塊を押しつぶし舌先にひとつぶのスパイス効かせて。
気に入らない窪みさがしだし唇でき ....
球形時間に道端でまるまっていると猫がやってきた。
猫はとなりで球のようにまるまりぐるぐると喉を鳴らしている。
タマと呼ぶと「にゃあ。」と鳴いたので猫はタマにな ....
否定すればするほどすくすく育つあたしの中の黒い世界樹。
信じられるひとからひとりひとり刺して殺してぱっぴーばーすでいとぅみー。
舌先でとがったことばを削 ....
泡だらけの手であなたを掴みにゅるにゅると手なずける逮捕前夜。
汗まみれで犯行に使用された「凶器」を握り締め眠る安堵は。
トリックを解くようにフロントホックを ....
あてもなく書き滴ることばはいつもあなた宛てなのに届かない。
産んだ憶えもないおとこずっとおっぱいに吸いついて離れない夜。
空き家にしのび込むようにあたし ....
あなたの右眼と左眼がまるで恋人同士みたいだったから、
瞼の裏でお気に入りの想い出かじり過ごす週末はヴァイブ。
噛み締めるほどの想い出もなかったはずな ....
マッチを擦るようにシュッとネクタイ外しひと夜の夢を見るあなた。
眠れない夜のからだを冷やすあなたのつめたいことばが欲しくて。
いたずらな指先でディナーの前の ....
影を踏み続ける悪役になり切れないきみのヒールなかかと。
書こうとすればするほど加工している気にもなるいつか実る木もあるのに。
このこころの鈍いいしをただ磨き ....
花ならば君を待つのも安きこと
ラベンダー蒼きこのうすにおい
この想い忘れてしまえマーガレット
花びら散らし涙にくれる
ローズマリーやさしい罪は思わせぶり
....
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