道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く
拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく
紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった
ベッドのなかでもブーツ脱が ....
朝目覚めて口のなか乾いているのは
どうやら鼻の具合悪いかららしい
それとも流行の風邪でも引いてしまったのかな
人知れず鼾とかかいていたりして
人知れずってのはいかにも寂しいな
鼾うる ....
こんな地方都市の半分住居の小さなビルでは
屋上のすぐ下まで人の生活の気配がする
が 屋上へはめったに人が上がらないので
屋上はやけに
世間ばなれしている
何十年も人が上がったことのない屋 ....
「秋の夜は果てしなく長いのだから」と
あなたは言って
舳先の行く手を確かめながらゆっくりと櫂をこぐ
おとこのひとに体を許す
例え今夜がはじめてではないにしても
月明かりは艶かしく ....
あのね
とりあえず声に出してみた
答えなんかでた訳じゃ無いし
そんなものはなから無かったりする
えっとさぁ
次のことば続かなくて
それでも携帯の画面へ逃げ込むのだけはぐっと堪え ....
“熱が冷めた”らしい。
きっと、時の流れが君の心に入り込んで、少しずつ熱を奪っていった結果なのだろう。
幸福や悲しみ、怒り。
時間には、様々な熱を冷ます効果があるって聞いた事がある。
....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。
わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
あなたによく似たひとだった
人違いと戸惑うわたしの顔を覗き込み
どうかしたのと気遣ってくれた
これを落としたひとをずっと探しているのと
あなたの落しものを目の前に差し出した
その ....
ここに一脚の椅子があって
それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした
そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
9月だってば
9月になったんだってば
それで何かが変わるってわけじゃないけど
夏の記憶には「さよなら」したし
もう後悔なんてしないと決めたのだから
秋だってば
秋になったんだってば ....
そそくさと去り行く夏の記憶を確かめようと
深緑色に澱むお堀ばたを訪れてみた
色とりどりのウエアでストレッチに余念の無い肢体は眩しく
人恋しさを見透かされてしまうようで
遠慮がちにちょっと離 ....
ガンダムってすげえよな
隣の席で男の子たちが騒いでいた
お台場に展示されている実物大のガンダムを見てきたらしく
それぞれ高揚した面持ちで身振り手振りが忙しい
ガンダムってモビルスー ....
ぱぱ
ぱぱ
大好きよ
心の中は、あなただけ
会いたい
いますぐに
あなたの声を聞きたいの
優しい声を聞きたいの
手 ....
おまえは自分でかわいらしいなどと思ってはいなかった。
まわりはかわいいという
しかし、おまえは自分が不細工と
信じていておどおどしていた。
幼稚園からの帰り道
手をつなぐ同級生がわずらわ ....
「もう大丈夫」
これほど安心する
言葉はない
「隣にいるから」
「私はいつも貴方の味方よ」
と言われる。
玄関を出る
ドアを開けたら倒れ込む
貴方がいるから
酒もタバコも止め ....
鯵の開きってあのままの姿かたちで泳いでいるのかな
だなんて今さらながらにとぼけてみせても
私は私自身に過ぎなくて
迎え火で迎え
送り火で送る
ヒグラシの鳴く音に季節の移ろいを覚え
....
長いものには巻かれるほうだ。
だから君にもグルグル巻かれてる。
あんまりキツク巻かれたりして、イテタタタ…みたいな時もある。
時には撒かれちゃったりして、君の姿が見えなくなっちゃったりして困 ....
二本足で立つ老人の 孤を描いた中枢は
結末の骨をもって 循環の窓を射る
あらゆる愛と憎しみだった形は
一人ぼっちの空に抱かれて
今なお愛と憎しみとして連鎖する
高架下で眠る 鳩達 ....
深夜12時に
勉強終えて
詩を投稿する
皆を夜更かしさせる。
最近疲れてきた
禁断の菓子を食べる
空からは星が降ってきた
明日も晴れです。
タンツェンタンツェン
太鼓を叩きま ....
あなたの笑顔が見たくて
手をつないで
散歩しよう
もっと知りたい
ずっと近くにいて
風は流れ
麦茶を飲もう
貴方は真珠
今日はブタシャブに
野菜あんかけ
好評につき完食
....
その記録に関して
僕の記憶の倉庫には
僅かな記述でくくられた薄っぺらな本が一冊しかありません
でも、その本を開く度に
痛くて堪らないと
僕の中の良心が泣き叫ぶのです
痛くて、痛くて堪らないの ....
東京のアパートの壁に
砂の黄色がかったタイル柄を
写真に撮って張り巡らす
壁の間を進めば
*
共同ホテルの看板はとうとう見つからなかったのだ
小さいだろうから
ヤシの木が顔を ....
【羅刹国】
皺を刻む掌を合わせて
時の重さを振り返れば、
壁に焼き付いた影と同じく
あの日見たあなたの顔が
私の心に今も深く…
時代は変わり
....
好きなのに
言えない
自分では不足だと思い
言えない。
貴方への思いは
人一倍人十倍
空回り
硬派なんだよ
意気地なし
振られるのが
怖くて
苦しくて苦しくて
助けて下 ....
ゆく雲が
君を求めてのばした蔓から
ふわりと咲いた雪の花びら
彼方を白く染めるものの
ひとつひとつの小ささを
ひとつひとつの儚さを
まるく含んだ湿り気が
花の波に匂いたつ
....
透明な風が
ぼくらを包む
夏の香り
夕暮れの風
きみは
笑うけれど
ねえ
今一瞬だけ
真顔で言わせて
きみは
きみのままでいて
きみのすべてを
ぼくが肯定するよ
無理しなくて
いいから
....
カラカラに乾いておりました、
何もかもが強い陽射しに溶けて色を失い、
ただ真っ白に輝いておりました
遠くから観る僕は
映画館の銀幕よりも、いっとう大きな銀幕の一番前に立って、眺めているよう ....
きのう おおきな おくり物をもらった
わたしには 少し 重い分量で
それは えらい人 の 気持ちのあらわれで
いくらか わたしは ためされているのだと思ったが
ことばを選んで 神妙になった
....
少し遅刻気味の進路
ミスを気が付いて自分を呪った
あの頃に戻りたいのはみんな同じ
いつの間にかに出来上がった
シークレットエンディングを
見るための条件は
どれも自 ....
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