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半透明な一日の中の朝が溢した
色のついたある一点を探しにいく
近況、そんな穏やかな毎日です
晴れた日の傘のように
言葉たちは眠っています
だから私はペンを置いて
モールス信号の ....
二本足で立つ老人の 孤を描いた中枢は
結末の骨をもって 循環の窓を射る
あらゆる愛と憎しみだった形は
一人ぼっちの空に抱かれて
今なお愛と憎しみとして連鎖する
高架下で眠る 鳩達 ....
藍の闇、琥珀の星。
三日月の船が西に寄る頃、太陽の塔の石階段を陽の守人がゆっくりと上り始める。
金の弓を手に、まるで世界を起こしてしまわないよう気づかうように、
一歩ずつ、音をたてずにゆっく ....
ほうりこむ
可能性を海に
可能性の海に
過ちが沈む
確かだった気持ちや
不明確なままの関係が
仄暗い重力に揺れながら
ゆっくりと底に横たわる
私は海辺を去る
そして
....
なんだか懐かしい晴れ間 太陽のもとなのに水の中のような
切り落とした断崖から現れたのは夏だった
緑は黄色く笑い 雲は水の空にとけてゆく
遠くで見ている陽炎が意識を惹きつける
誰かの窓で ....
僕は虫籠の中で 君と話している
無邪気な網はいつも心たちを翻弄して
突然小さな籠に閉じ込めてしまう
僕らは籠の中だとも知らずに彷徨う
(くるくると)
弄ばれた仲間たちに次々と ....
バーに行けば オーケストラが行き交う
饒舌なバーテンダーが指揮をとり
客は各々の楽器を手にする
銀行員の男性は総銀製のフルートを吹く
離婚歴のある女性が笑うようにピアノを叩 ....
夕刻地平線 紙の切り傷
鼓動にあふれた静寂がふたつ
痛みをともなうのは
前世からの記憶のひとひら
秘めた焦燥は赤色に駆られて 涙をおとす
はりつく体温と
しお、鉄の味
....
人々は 互いの浅瀬に足を浸して
塩の水を汲み取っている
此処では誰もが 孤高で
ありながら共存している
互いの森で 迷いながら
不意に君は森を抜けて 一面の草地に ....
君らが私の年輪を見遣る時には、すでに私は切り倒された後だろう。
残された私の上で、手を合わせるのは誰だろう。
そこから見える東雲は、成功と報酬に溢れているだろうか。
それとも人間らし ....