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「思春期」


疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って

思春期なのか
四月は変拍子

狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
指で感じて
頭で捏ねくり回して
指で嘘をつく

唇で感じて
頭で探し切れず
唇で誤魔化す

背中で感じても
頭は留守で
背中は語れない

爪先で感じても  ....
なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた

一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
なかなか膨らんでくれない風船に
飽きもせず息を吹き込み続ける
何処かに穴が開いているのを知りながら
滑稽な独り遊びを止めることが出来ない

春には妄想を咲かせて散らして
夏には傷痕を弄 ....
GIRAGIRA

あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた

今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
 ....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く

手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく

南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶

傷つけたこと ....

ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
さしすせそ

歯に沁みる朝

凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す

たちつてと

舌で弾けない昼

すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
<1>

これがなければ
生きることができなかった

これがなくても
たぶん死ねなかったけれど

これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった

これがあったほうが ....
一針
また一針
言葉の
日向と日陰を
縫い合わせる

一針
また一針
自分の
頂点と底辺を
縫い合わせる

ときどき痛くて
たびたびくすぐったくて
ちょくちょく嘘で
 ....
あおい満月さんのnonyaさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
発条式発泡詩_<1>- nonya自由詩1516-4-9
ポンコツ- nonya自由詩16*16-2-26
君が教えてくれた- nonya自由詩23*16-2-12
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
モドキ- nonya自由詩29*14-8-17
八月の欠片- nonya自由詩25*14-8-9
あたたかい雨- nonya自由詩25*12-5-23
鳴かない猫- nonya自由詩27*12-2-11
寒波- nonya自由詩33*12-1-14
仮面- nonya自由詩27+*12-1-6
詩作- nonya自由詩14*09-4-26

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