二人で地下室に入り
暮らそうか
そうね
窓
なんていらない
あいしてる
あいしてる
まるで二人は
日差しを惜しむように
ひたすら
気がついて
しまったから
....
吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった
よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで
そんな僕はまだ
....
君の家の庭に紫陽花が咲いていた
ただポストに手紙を入れて
走って逃げてきた
薄紫の紫陽花の色だけは
今でも覚えているよ
15の頃
君と初めて海に言った時
君は ....
もう行っていいよ
僕はもう少しここで涼んで行くよ
君が悲しくて眠れない夜
僕がずっと抱きしめていた
僕が不安で心細い夜
君がずっと抱きしめてくれた
君と僕のかけがえ ....
道を分ける白線の上を
影のない影が歩いていて
こちらに気付くと
逆の方に歩きはじめて
突然消えた
日曜の夜は
誰もおいでおいでをしてくれない
ふんじゃった
でも
みれない
かたい ような
ちいさいような
うごいてるような
どうして
うごけないの
ねえ
にげないの
君に会えたことさえも
今じゃ全てが気持ち悪い
さっき食べたものさえも
一緒に吐き出してしまうこの始末
あぁ人を好きになるって
こんなに切なくなるものなのね
はじめからわかってた
君が誰が ....
机の上を歩く
蟻たちを追って
旅に出た
旅先で出会ったのは
甘い 甘い
君という存在
けだもの
かぜ
に
そよいで
いる
毛
だもの
初夏の風に葉をさわさわと揺らせて
静かに佇む一本の木
強くなってきた日差しに
きらきらと輝く葉
いつからそうしてそこに立っているのだろう
行き場の無い想い抱えて窓の外
目をやれば静かに微笑 ....
ごはんを食べた後
階段を上って部屋へ戻ると
ごはんを食べるために部屋を出て
階段を下る
ごはんは誰かが食べていたので
階段を上って
部屋に戻ると
明かりがつけっぱなしだった
だれかが消 ....
月はね
遠くから見るから
綺麗なんだ
そばに寄ったら
でこぼこで
何もないだろうね
君も
遠くから僕を見るんだね
僕が愛しく思っているのは
君だか ....
俺のすむ街は
今日も浮かれだす
月の光より
飲み屋の光のほうが
明るくて
夜がこないような気になる
それでも
夜は来るんだよ
俺にとって
今日
....
俺が
待ってくれと言っても
あなたは
待たなかった
信号が変る位の時間でも
遠くから
俺が走ってくるのが見える距離でも
待たなかったから
俺が
し ....
コーヒーを飲み過ぎたせいか
僕はコーヒーになってしまった
夜、眠れないとか
胃が痛いとか
そんな問題じゃなくなった
あ、こぼれてしまう
とゆうよりすでにこぼれてるねみんな
....
独りの部屋で
暑い、暑い、とつぶやきながら
服を脱いでしまった
裸になってしまった
シャワーを浴びようと思ったけど
面倒で動けなくなってしまった
今日はとても疲れた
エアコンをつ ....
わたしは窓から身をのりだして
身投げのような夕陽を見ていた
消える 消える と小さな声が
両手をあげて泣き顔で
通り過ぎる祭を追った
わたしは高すぎて
わたし ....
頬から頬へ
まなじりからまなじりへ
打ち寄せる震えを
降りおりる応えを
音は見ていた
けして くちびるには訪れないものを
音は見ていた
ひとり 見ていた
おともだちとお茶
いいかげんなわたしは
話し相手に
いいらしい
少し欠けた茶碗は
お気に入りのブルー
だから
捨てないで
使ってる
天気の良い日は
遠くへなんて行かないで
....
結婚式で 打ち上げた祝砲
幸せを祈り
永遠を誓い
襲撃と 思った米の飛行機
爆撃そして
みなごろし
ニュース番組の中
子供も女の人も男の人も
棺に しがみ ....
おれは海を釣ろうとする
海からおれを釣ろうとする
あなたは海を産もうとする
ひとの不思議を産もうとする
ぐるり
この星が太陽をひとまわりして
海辺の町に
また
桜が咲いた
....
今日も世界は果てしなく
夕焼けに向かい
沈んでゆく
今日も世界は果てしなく
花開いては散ってゆく
明らかにぼくは夕焼けだ
明らかにきみは夕焼けだ
砂まじりの唾を飲み込んで
涙目 ....
俺の前の携帯電話は黒だった
ひそかに
あなたとおそろいにしたくて
白に変えた
俺の今の携帯電話は白だぜ
なのに
あなたの今の携帯電話は黒だ
なぜ黒に変えた
....
俺の瞳は
赤いガラス玉
ルビーみたいな価値はない
ルビーみたいな輝きはない
俺は ガキの頃
いじめられてばかっりだ
この赤いガラス玉のせいで
でも 俺は反撃した
赤いガラス ....
もう
なにも聞こえない
見えないけど
最後のちから
くちびるに集めて
ぼく
うたいます
きみに
あげられるもの 総目録
っていう歌
あー きみに
あげられるもの
夜のため息 ....
ねこおやじは
ねこのおやじ
言い換えると
ねこの父
いつも涼しいところで
目をつぶってる
ねこおやじは
エライ
妙に情を
かけたりしない
常に
クール
....
泣いていたのは
誰だったろう
涙はコロコロ
微笑みにかわり
たんぽぽに
揺れている
おひさまに似た黄色に
揺れている
ほんとは
あなたはいくつ
顔があるの?
それ
どこにあるの?
わたしも顔は
いくつかあるけど
ときどきずれちゃって
あなたもときどきずれるとき
あるね
僕はルビーグレープフルーツが好きだよ
初めて買ってきてくれたのは君だった
いっしょに
グレープフルーツ用のスプーンも
買ってきてくれた
壊れかけのアパートの
陽の当 ....
僕の夢は死んだ
君のいない世界
何故に想いはいつも届かないのか
あの日の約束も
あの日の微笑みも
泡のように消えていく
君を失っても
頼まないのに明日は来る
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33