カメレオンになって秘密のいたずら
姿を隠してくすぐって
あなたの驚く顔が見たい
なんて天邪鬼
でもずっとはお断り
忘れられるのが怖いから
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく
少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
わたしは何かを見に来ていた
一匹の蝿
一羽の鳥
空は空に
海は海にひとつずつあり
遠くも近くも聞こえずに
陸へ陸へと近づいていた
ひとつがひとつのまわりをまわり
....
フゥー…ンと
電気で動く電車は走る
「兄弟仁義」を歌う
酔っぱらいのオジさん乗せて
オジさんをを見つめているのはサラリーマン
プリンスホテルの紙袋をぶら下げて
その紙袋 ....
きみは 湖みたいな子だったよ
俺は そう思ったぜ
時には
優しくて 思いやりがあって 可愛い
だれもが 覗き込んでみたくなる
釣り人は 糸をたらしたくなる
子供は 遊びたくなる
「麗 ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春
嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ
私に 実を選られた 桃
収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい
台 ....
泣かないで
僕が悪いなら
出て行くから
泣かないで
僕は
人の君の人生の邪魔をしたくなかったんだ
好きだという気持ちだけで
突っ走ってしまった
あの時は ....
俺の住む街の
隣で
花火大会をやってるよ
音だけだと
騒音以外のなにものでもない
騒音だぜ
俺は
やっぱり
線香花火が好きだ
ひっそりと
静かに燃える
ちいさ ....
ポストを開けて
そこにはたくさんの幸せがあるから
桜が知らせる春の訪れ
かたつむりが運ぶ梅雨のお便り
時々ポストで休むわたし
目の前でぐるぐる渦を巻く子供達に注意して
幸せが来るのを待って ....
虹を ばらばら に します
少し きららん を ふって
指の隙間から 消えていこうとした
お祭 の 花火 で
かりん かりん
心持ち 軽く いためます
虹は い ....
君と夜のドライブをするのは
久しぶりだね
さっきから
君は目を伏せて
何か言おうか悩んでいる
僕たちの間に
秘密ができてしまったんだね
なんとなく
気付 ....
俺とお前が
最後に 別れたのは どこだった
「最低だ」「最悪だ」「やってらんねぇ」
お前は 吐き捨てるように言って
きえちまった
今の俺は
「最低」で「最悪」かもしれないが
な ....
みず の たま
くわえた くち
さえずる
ささやき
とおれない きのう は
おっこちたよ
まぶしい
あさ
丸いカビが生えた
あたたかい晴れの日でもやっつけられない強力なやつ
手から足へ、足から私と呼ぶもの全てに
私は水玉模様になる
誰も見ない
私も誰も見ない
ただ白い世界
けれど
ふんわり ....
敷かれて行く なごり葉
ほつれた 眼線 が吹く
いつとも いわない
いつかも しれない
点けられた なつ
すすき の 香り に
消されてく
十重 の 隙間 に
刷か ....
淡い赤とあまずっぱい香り
苺がくれる内緒のしずく
お家を運ぶボクにはごちそう
街灯を転々と遊びながら帰る
競う人もいないけど
ただ歩くことはしたくなくて
誰もいない夜道をケンケンしながら進む
窓からこぼれる光がなぜか寂しくさせる
子供みたいに
ずっと
帰りが遅いと ....
はあと は ぎりぎり
うめられ そこねた めまい
つい に はしり
とれいん れん あま だれ
はれた め の うら ない
のど ごし ごし
だ から
かぶり つか ....
手にさげた 月のふきだまり
つめ といだ 草のさざなみ
石の望み
動かない 空と
ながれはじめた 雲
ゆく 決別 の 時
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい
わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
さり らく の しじま
とり けむ る そよぎ
つと ゆけ ば むいに
とき ふけ よ まもり
やき むれ の つどい
ほし ちと せ かたり
まう とわ の そよぎ
....
僕が君に
初めてあった日
あの日から
ずっと
僕は君を見続けていたよ
何をしても気分がはれなくて
蝋人形のように
凍えた僕が
君がいるだけでうれしかった
喜びも苦しみも分 ....
「俺って結構まじめなんだよ」
っていう男は多い
ほんとに多い
いったい何が言いたいのか
さっぱりわからない
心の中では
「へえー」と答えてるけど
別に言わない
繁華街のホテルを出た
....
わたしは家族に会いたいなと思って
晴れた日曜日におでかけしました
家族はどんな人だろう
わたしを愛してくれるかな
晴れた日曜日の道はゆらゆら揺れる
ポストは赤い
空は青い
犬はわ ....
さけた ひびき
さらす ふたば
つち の はじらい
かぜ の ふくいき
まかれた からだ
ゆらしてる
夜の風に当たりたくて
外に出た
まるい月が綺麗だぜ
まるい月をみていると思い出す
どこか寂しい眼
なつかしい声
遠ざかる背中
あなたは俺にとって
あのま ....
よくある職場恋愛で
なんとなく付き合い始めた
きらいではなかったけど
好きかどうかは判らなかった
暇でさびしいから
そういう理由で男女はいくらでも
付き合えるから
慣れてくると
いつも ....
月下のお好み焼き屋は油凪
鉄板の上で焼かれているのは
ナポリ天と悲恋だ
梅ソーダサワーの上昇する泡を
見つめながら・・・
思えば酒豪になるべく
和洋折衷受け入れること蝶のごとし
....
夕立でもぎ取れた蝉が
丁度今乾き切りました
私はアスファルトに足を揃えました
腹をかえし対の肢を合わせたその亡骸は
無音の言祝ぎでした
夕立のあと再び燃えていた日は、結局 ....
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