すべてのおすすめ
彼の家というものに誘われたのが
初めての クリスマスの夜だった
家族に紹介するというので
料理など持参してみたり
めいっぱい緊張して気を使って
ぎくしゃくと挨拶をすませて彼の部屋に行くと
 ....
窓がとぶ
屋根がとぶ
全裸のマネキンが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

傘がとぶ
帽子がとぶ
純白のパンティーが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる

笑いやがれ、
笑いやがれ、
笑 ....
誕生日を祝ったりする
成長段階を経てしまえば老化して行くだけなのに
自分の生まれ出た日を記銘して再来させる
これは不思議な慣習だ
去年の今日が今年の今日でないように
刻々と老衰に向かう肉体も ....
天高くヒト肥ゆる秋雨の宵
換気扇がブーブーと油煙を吐いて
焼け爛れたローズマリーの匂い
隣のアメリカ人は今夜も豚肉らしい
ブーブーブー これで一体何頭目?
カンサス・シティーの豚舎の嘆き
 ....
通り沿いにガラス張り
湯島のちいさな洒落たカフェ ペグ
オーナーの娘だろうか店員女性にときめくわたしは
「おはようございます。玄関マットの交換です!」
の発声加減については役者なみだ

マ ....
今年最後の林檎もぎの日は晴れて
山に建つ我が家では霜が降り冷たかったけど
生まれた家の近くの林檎畑に長靴で行くと
陽気で 草露になっている

十月の葉取りから会社の休みには手伝い
雨の日は ....
 
イッチャは鳥の啼き声をあてるのが上手だった。あれはコサメビタキ、あれはヤブサメ・・・。わたしはそれがどんな鳥なのか知らないままに、イッチャの背中に向かってあやふやな相づちを打つのだった。そして、 ....
駅前のメインストリートには
すずかけの木を等間隔にはめ込んだ
ビルディングは高さをそろえて
白色と茶色と灰色に塗りわけた

踏切の遮断機は配線が切れているから
決して開くことはないけれ ....
中学の用務員パンパカは
第二グラウンド裏手の平屋に住んでいた
戦争中はラッパ手だったのでパンパカ
短気な爺さんでからかうと怒り出すのでパンパカ
上級生の一部男子は面白がってかまっていた
かば ....
背のちっちゃな女の子
男好きのする笑顔が印象的で
逢う度に違う男の子と一緒だった

背のちっちゃな女の子
いつも彼氏の背中に隠れてた
風が吹けば彼氏の体を風避けに
雨が降れば彼氏の差した ....


凍ったような青空の中を一艘の船が
西から東へ進んでゆくのを見た
おそらく西に沈んだ月を
東の定位置へ戻す船なのだろう
さざなみが白く航跡を描いて
航跡はそのまま雲になり

ま ....
 
 
世界地図を描くと
いつもはみ出してしまう
そんな遠くの大陸に広がる
乾燥した椅子地帯では
今年もイスコロガシの
産卵時期をむかえている

普段、イスコロガシは椅子を餌としてい ....
台所が火事で燃えている

私が寝ている間に火が消えてくれるだろう
そう思って寝ていても
火は消えなかった

もうかれこれ
半年になる
強風が冬を迎えにゆき
冬を連れて戻ってきた

 ....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった

公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた

で ....
うつろな視界の外側で小鳥の囀る気配
ひとしきり肩の上を行ったり来たり
動こうとせぬ私の様子をいぶかしく感じたのか
右の頬を軽く啄み樹海の奥へと飛び去った

時の感覚を失う
それがこんなにも ....
幸せ


孤児院住まいの見習いウエイトレスは
真っ赤な口紅のついたコップを載せた
ステンレスの盆を厨房の隅にそっと置くと
裏口から同じくらいにそっと出た
ダイアモンドとマスカラのお客はま ....
美しいもののために
わたしの泥がたちあがる


言葉は手段になり
舌も歯も唇もメディアになる
ぜんぶ私のもの
だったのに


どうしてだろうわたしは
どうしてだか
人間になって ....
駐車場の樹の下で 
わたしは黙って雨を見ていた
輪回しをする子供たちが
家路を急いではしゃいでいた

男たちはうつむいて
路面に何かを探していた
ひとりごとは小さすぎて
誰にも聴こ ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
バケツをひっくり返したようなって言われても
ピンとくるわけじない

ひところ軒先で騒がしかったツバメの巣はいつの間にやら静かになっていて
育ち盛りと餌を催促してた雛たちは
ハーメルンの笛の音 ....
 狂女の独白

いつもそれは夕刻よりも暗い夜明け
一日は、東の地底で死んだ胎児のように
いつ迄も、紫色の胎盤にまみれて
暗黒の硬い産道に引っかかっている
胎児の頸には硝子のつららが刺さって ....
労働者として 街を 歩けば
踊り子や営業マンばかりが 立ち止まっている
路地裏の方を 歩いていく
一円玉が いくつか 散乱していた
アスファルトの 全体に 淀んでいて
アメリカの 泥地から  ....
君の一歩に手を貸して
花は微笑みました
温度は上がっています

風は雲を運んで
空は太陽を迎えに行って
かえりに 真夏を誇らしげに

私はみあげて
感じています 夏の日
君は旅立っ ....
シャネルの前にはいつものように孤独な乙女が
「私の志集」を薄い胸の前に掲げて佇立している
思えば20年以上前から立っているけどリレー制なのだろうか
夢多き若気の士心は1部300円というのに誰も買 ....
水たまりで加速する人格
の輪郭に適度な凶器が刺さったままだから
もはや懐かしいんですよすでに全部が
といいながら地図を破り捨てて笑った
まさこをみたのはそれが最後だったってお兄ちゃんが ....
雨を欲する街が
コンクリートのサバンナだとしたら
ぼくは群れからはがれた
いっぴきのガゼルになって
待ち伏せていた風に食われる


舐めてもいいよ、と
赤い花々のうつわがひらき
惹か ....
 たった一本の卒塔婆のように
 不健康に伸びた櫓から
 私はずっと向こうの火山を見守る

 今にも昂りそうで昂らない
 噴き出しそうで噴き出さないそれを
 ひたすら見守りつづけて幾星霜も過 ....
この悲しみはひとにやさしくなれる

いちど別れた女となんねんかぶりに会った

肌をふれあわせる以外のことを夜通しした

この女は最愛だったが

ふたりで制度のなかにくるまれることはなか ....
お前の母ちゃんの子宮にはアリゾナの青い空があって
乾いたハイウェイ沿いにただ1軒あるガソリンスタンドで
お前の父ちゃんが働いていたんだよ。
ただお前は地下に埋設されたガソリンタンクからではなく
 ....
*一時限目 数学*

美しき微分/麗しき積分/淫らな糖分=知性の所望するもの<睡蓮たちの睡魔 
無限の輪っか((エタニティー=ハニーディップ×2))
を、黒板の隅に小さく描く

カリカリカ ....
オイタルさんの自由詩おすすめリスト(569)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昔のクリスマス- 砂木自由詩8*10-12-26
狂った風- atsuchan69自由詩24*10-12-26
生まれの日- salco自由詩5*10-12-4
豚肉を哲学- salco自由詩5*10-11-23
PEG- 乾 加津 ...自由詩15*10-11-22
林檎もぎ- 砂木自由詩14*10-11-21
イッチャの背中- せかいの ...自由詩610-11-21
箱庭- nonya自由詩9*10-11-20
パンパカ- salco自由詩16+*10-11-18
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褪せてゆく秋の或る一日- 吉田ぐん ...自由詩2210-11-15
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火傷- ナカツカ ...自由詩11*10-11-13
木螺子- nonya自由詩22*10-11-12
安らぐひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*10-11-8
十一月の童話- salco自由詩16*10-11-7
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うつつと夢の間を縫うバスに乗って- 石川敬大自由詩1910-7-22
野良猫のうた- 恋月 ぴ ...自由詩18+*10-7-19
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