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蘇生のイキをするように
そっと虚空に
言葉をはなったとき
言葉はすぐにちりぢりになってきえた
あの日の
あの青空には
二度とであえはしない
....
草のなかにレールをみつけた
錆びた鉄の平行な二本線が
弓なりに
ここから延びていた
または
この草のなかで
すっぱりと裁断されて尽きていた
あおぐらい記憶 ....
猫のようなKといると
ぼくの言葉の文脈は乱れふあんな小波が打ちよせてきて
とても平叙文ではいられなかった
煎じつめれば
煎じつめなくても
Kは妻で
Kは猫だっ ....
ゆうべはねむれないまま舟を漕いだ
ねむれないまま舟を操り蘆を払って湖沼をすすんだ
朦朧とねむれないままもとの舟着場にもどる
と、先がみえない霧のなかを漂流していたことがわ ....
眠らないバスにのった
眠れないぼくは
あの野性化した雲といっしょに
あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう
写真でみただけの
マリアナ諸島の鮮やかなブル ....