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友よ、
夏の朝は蝉の羽に描かれた透明な街路図
すべては透明に満ち足りている
夏の灼熱の陽光は
まるで新鮮な水かなにかのように拡がってゆく
辺りの建物の窓や街路樹の緑 色濃い花々に
輝きと潤 ....
ブラインドタッチでスイスイ カチカチ
テレビに気をとられても
幾何学的に文字を羅列で逃げ切りに
今 気づく修行不足
誤ってエンターkeyで動揺
修正というより ....
グーパー グーパー いい感じ
ギューっと握って
猫の手 猫の手 シャンシャンシャン
パァーっと開いて
パイナ パイナ パイナップルプル
おばあちゃんが言ってたわ
「花びらは ....
ふんふんふんふん
どうしたってさ いろいろあるよね
びっくりさ
父さんに捨てられた
ぼくが
父さんを捨てたひ
ね、笑うかい
{注イデアを宝石と呼ぶ人=瀧村鴉樹『胎児キキの ....
死んで
白骨化した
自分に
問いかける
「己を生き抜いたか?」
死刑台に上がるような気分で
白いノートを開いて書きます
生きたい生きたい
夢があるんだ
白い言葉を黒に書くのには
チョークと黒板がお似合いですね
ナナカマドのひび割れた樹皮に触れる
シロツメクサやセイヨウタンポポを撫ぜる
ダンゴムシを摘まみ上げ掌で転がしてみる
変わらないものたちの
質感の 希薄さに
抗う という ささやかな自慰
....
傘を忘れた
七夕の夜は
君の長い
プリーツスカートを
天の川だと
信じているから
その中に飛び込んでも
後悔しない
君の心の準備は
出来ましたか
音楽の中に隙間があって
思想や感情をそっと置いても
誰も回収しないからいつも
25秒で気持ちが高鳴る
まるで裸足で街を歩くような
そして痛みを忘れていくような
光があればどんな傷も洗い ....
光を消して過ごしました
朝に揺れる光を消して過ごしました
吐かれた煙を夜から夜へ引き継いで
アベンチュリンの若葉を
湛えた私の両目が鏡の中で溺れている
揺れているものすべてを
....
統合失調症を患い
今度は
胃癌。
どこにもぶつけようがない
吐き出し口のない
不安や恐怖がのしかかる
逃げ場はない
受け入れて、立ち向かうだけ
神さまから与えられた試 ....
浪を映した鏡の穴が
さらに空から遠去かるとき
六百三十五秒の結婚
草のはざまに満ちる声
月と痛みと錯視の夜に
左目だけが吼えつづけている
緑と黄緑の静かな境いめ
....
死にかけている気がして電車から降りる。何が、といっても明言はできないけれど、自分か他人か、その両方か。膝の裏に氷をつけられたような心地で駅の階段を上って改札を出ると、廃ビルの上に青褪めた月が貼りつき、 ....
絞首刑は
空中浮遊には通じない
最後の最後で
空飛んで逃げるのではないか
そう信じていた
しかし、アッサリ
おっちんじまったところを見ると
ははーん、さてはアイツ
空飛べなかったん ....
さっきまで明るかった空が暮れてゆく。
家路へと急ぐ人達に紛れ込み、今日も一日が終わろうとしている。
暗がりの中、明かりが灯された電車の中で私は孤独だった。
誰かと話したい訳ではなかっ ....
七月になり暑さが増す
梅雨を押し退けて
七夕の日は晴れになる
みんなの気持ちが一つになり
晴れを引き寄せているのか
多分そうなのだろう
短冊に書いた願い事
子供の頃毎年書いて ....
雨が降るのは今夜がいい
明日はどうぞ降らないで
晴れなくてもいい
灰色の雲が空を覆っても
光の影さえ見えなくても
それでもいいから
どうぞ明日は雨を降らさないでおくれ
そのた ....
靴下は靴の中に履くのにどうして靴の下なのだろうか
年下は年が若いだけなのに何が下回っているのだろうか
軒下は屋根の下なのにどうして外なのだろうか
突然の雨で入った軒下で
年上の女 ....
ルーズにこんがらがって
筆箱は本棚の二段目
トローチはテレビの下のラック
レターセットは引き出しに
昨日の夢は枕カバーと
洗濯籠のなかで眠っている
「明日も雨」と天気予報
家を揺らす ....
高速が通行止めになると下道に車があふれた
あふれたというより詰まって滞った
会社のまえの普段こまない道までが車車車だ
命にかかわる雨だとか
雨で死ぬために生まれてきた訳では ....
初恋に魂をとられていた
急に走り出したら
慣性の法則が降ってくる
大雨が小休止したあとに
虫の音がしている
生きて潜んでいたんだね
平成のうちに死刑を執行したか ....
笑顔を作る
今日も笑顔を作ります
どんどんつくる
何があっても
とりあえず
笑顔を作る
悔しくたって
みじめだって
傷ついたって
イライラしたって
笑顔を作る
ものすごい嘘つき ....
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた
光をともす雨つぶのなかに 今朝はうまれた
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた
わたしは傘を差し 家を出る
はじまりがおわりに ....
去年は虫に苛まれ
今年は長雨に泣く
愛するものを持つことは
憂いを抱え込むということ
悩みは執着から生まれ
拘りはただ惑いを育む
そんな中にも時折煌めく
微かな喜びを拾い集め ....
とても天気が良くて
気持ちいい風が吹いて
少し眼を細める光が射して
心を許せる友だちが数人いて
いつ聴いても飽きない音楽があって
偏見の目で見られても胸がときめくひとがいて
からだ ....
家に来たとき
まだ子供で
カメラに収まらないほど
暴れん坊で元気だった
ガゼルみたいに飛び跳ねて
片時もじっとしなかったっけ
じいちゃんが倒れた時
家族に知らせようと遠吠えした賢 ....
君が君とはまるで違う小さな花に水をやる時
じょうろの中に沈んでいる冷たい一個の星が僕だ
ビー玉越しの景色を一通り楽しんだなら
必ずベランダから放ること すべて朝食前に
僕の口笛が余韻を引いても ....
僕のいちにちが始まる朝に
必ず見上げる景色があった
あの屋根よりも遠くへ行きたい
あの緑よりも光を浴びたい
夏を急がない透明なプール
その柔らかな水面は映らず
騙し絵のような空に鍵をか ....
眠れているから
朝が来るんだ
晴れているから
外へと出るんだ
ちぎれているから
雲を呼べるんだ
希望の唄には
締切りがなくて
良いことが
生まれる度に
継ぎ足す
メロディや歌 ....
世界は時を刻んでいく
わたしが嬉しくても哀しくても
世界は確実に移り変わっていく
(人は生まれて死んでいき)
わたしの鼓動が途絶えても
世界の律動は止むことなく
続いていく響いていく
....
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