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リズムの残骸は、砂浜に沈んで、視覚障害者の見る幻覚みたいな朧げな輪郭だけが、晩夏の太陽のなかで揺らいでいた、それはジェファーソン・エアプレインの音楽を思い出させた、敢えて違うところで繋がれたパズル .... 擬音的な焦燥が砂のように散乱したフローリングの暗い色のグラデーションを誰かの
ダイイング・メッセージのように読みながら疲弊し続けた今夜の遺言を日付が変わる前に
脱ぎ捨てた衣類には今日という名の ....
冬のさなかのような目覚めだった、なにか夢を見ていたのかもしれない、その夢が心身を徹底的に凍えさせたのかもしれない、猛暑といえども明けたばかりの朝のなかではその牙はまだ剥き出しになってはおらず、冷汗 .... おぼろげな夢のなかで
おまえは踊りはじめた
おざなりなワルツのプロローグ
おぼつかないステップの羅列

金属のような月明かりが
照らす板張りの床のうえで
同じリズムが何度も、何度 ....
光源は視認することが出来なかった、辿ることが出来るほど確かな光ではなかった、黒焦げの夜は冷めた煤の臭いすら漂わせているようで、俺はそれを解き明かすことを選ばなかった、ただ道路標識のように朝が来るの .... ルーズにこんがらがって
筆箱は本棚の二段目
トローチはテレビの下のラック
レターセットは引き出しに
昨日の夢は枕カバーと
洗濯籠のなかで眠っている
「明日も雨」と天気予報
家を揺らす ....
俺の無機質を食う
お前の無機質を食う
俺の無機質はスイートで
お前の無機質はデリートだ
俺は気に入らないものには手も付けないが
お前はまずいものでも残せない性分だ
ずっとそうだった ....
猛り狂っている闇の濃度はストーンズの望むレベルをも遥かに凌駕していて、それはもはや景観というより心情とでも名付けた方がしっくりくる位だった、もちろんそんな感覚をそこらへんの連中に理解してもらおうと .... レディオヘッドのあとでぼくたちは
おもちゃの拳銃でたがいの心臓を撃ち抜いた
それで賞味期限はおわり
ぼくらのあいだにあったものは神さまへと返品処理された
不思議よね、と彼女が
「こん ....
俺は、まるでスープの出汁に使う魚の頭みたいにぶつ切りにされたいくつもの見知らぬ人間の死体と一緒に穴の中で横たわっていた、前後の記憶や感覚はまったく失われていて、自分がどうしてそこにそうしているのか .... いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように


まともなあんたは
ひびわれた ....


硬質ガラスの瓦礫、量子力学の悲鳴…空っぽの巨大な培養液のカプセル、デジタルラジオにはノイズの概念がない、なにも拾えない時間には探しすらしない、「信号がない」と、小さなディスプレイに映し出 ....
ジョディ、おまえが産まれたのは
数十年に一度の月が太陽のように夜空で燃える
八月の終わりの夜だったね
いま、開け放たれた窓から見える月は
あのときのものほどではないがそれでも
やさし ....
そこらへんでいい連中が
そこらへんで手をうって
そこらへんで吹かし続ける
そこらへんの武勇伝
(ブユーデン、ブユーデン、レッツゴー)

誰かに言われた言葉を
誰かに教えられた道を
 ....
そんな粗末な寝床にかじりついて
どんな夢を見ようというのだね
おまえは堅実に生きることで
浅ましさを手に入れている

処刑のなされた丘で放置された罪人どもの血が
土に染み込ん ....
   1

おれはラウンジに横たわっていた、さながら、廃墟に忍び込んで出口を見失い、そのまま干からびてしまった犬の骨のようだった、ラウンジの日当たりはよく、太陽光は大きな窓から見えるフロアーす ....
俺はゆっくりと落下していた、だがそれはもしかしたらあまりに高くから落ちているので、ゆっくりと落ちているように感じているだけかもしれなかった、全身を包むように猛烈な勢いで吹き抜けている風が、「もしか .... 清く正しく生きようとするやつが気に入らねえ
欲ボケて腹の弛んだ肉玉も気に入らねえ
政治家のケツをブログで突っついてるやつが気に入らねえ
海外ボランティア活動に志願するやつが気に入らねえ
 ....
ふたつの盃が並べられていた
そのひとつには、なみなみと酒が注がれ
もうひとつは、空のままだった

そのそばで男は働き、女は子を生した
男は働き続け、女は育て、子はすくすくと育ち
そうし ....
世界はいつも俺の視界の隅で何ごとかゴチャゴチャと展開している、俺はそれを自分に害が及ばない程度に―流れ弾とか、もらい事故なんかを喰らわない程度には気にかけながら、自分自身の人生を生きている、だけど .... 数時間硬直したままの肉体は、真っ白い砂漠の中でどす黒く腐敗する夢を見ていた、血液は破れた血管から鉄砲水のように溢れ出し、もう使いものにならなくなった皮膚に無数のラインを描いてから砂地に染み込ん .... 俺の脳天に風穴がふたつあいている、ひとつは自分でどうにか出来る、もうひとつは自分じゃどうにもならない、その穴はお前にどうにかして欲しい、そいつは俺にはどうすることも出来ない穴なんだ、俺 .... おそらく期限切れのアンフェタミンがもたらしたのは
誰かを執拗に切り刻む紙芝居
生温かい数グラムの血しぶきが頬にへばりつく感触だけが
この世界で唯一変動しない価値のように思えた

 ....
毛細血管が狂気と絡み合って血流は金属的な悲鳴を上げながら全身を駆け巡る、オオ、産まれ持った宿命を受け入れよ、産まれ持った脈動を受け入れよと…あらゆる肉体組織の軋む音が俺のリズムだ、経年劣化した .... 小さな金属の塊がふたついびつなフロアーを転がってぶつかった時のような音が脳髄のどこか奥深いところで何度か聞こえた、その感触は絶対に忘れてはいけないなにかをしまいこんだ鍵付きの抽斗の鍵が壊れてし .... 子供たちはそれぞれに武器を手にして、頭を押さえつけてきた街の中に飛び出していった、程なくいくつもの銃声がこだまする、男の声、女の声、年寄の…さまざまな悲鳴がビル街を跳躍して夜空の黒の中へ消えて .... ろくすっぽ砂も噛んだこともねえ表六が
干し過ぎた柿みたいな遺書をしたためる魂の童貞
笑わせんなよ、書き終わらないのは
心残りのせいじゃねえ、終わらせる気がないせいさ

「青い果実 ....
間村長さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
渚にて- ホロウ・ ...自由詩3*18-10-7
からっぽの世界に小石を投げ込む音を椅子に腰を下ろして聞いてい ...- ホロウ・ ...自由詩2*18-8-13
いったいどうしてこんなことを思い出したりするのかね- ホロウ・ ...自由詩2*18-8-4
ソリチュードのもつれ- ホロウ・ ...自由詩4*18-7-21
望んだような眠りがそこに訪れるはずもなく- ホロウ・ ...自由詩2*18-7-13
冗長な雨のリズムとだらしない詩情のジャム- ホロウ・ ...自由詩7*18-7-6
Inorganic(性質など関係ない)- ホロウ・ ...自由詩8*18-5-31
ばらまかれて勝手に意味を作り上げていく(もうすぐ日付が変わる ...- ホロウ・ ...自由詩3*18-5-21
ほんとうに言いたかったのはたぶんそんなことじゃなくて- ホロウ・ ...自由詩2*18-4-25
本当に凝固しているもの- ホロウ・ ...自由詩1*18-1-17
あらゆることが語り尽くされたあとに- ホロウ・ ...自由詩15*17-12-1
記憶がなくなれば永遠になることが出来る- ホロウ・ ...自由詩3*17-11-10
メモリアル・ムーン- ホロウ・ ...自由詩3*17-9-30
ソコラヘン- ホロウ・ ...自由詩3*17-9-25
試供品の朝- ホロウ・ ...自由詩2*17-7-21
日向の標本- ホロウ・ ...自由詩1*17-7-20
真白な記憶、落下、ああ、二度だけ鳴る。- ホロウ・ ...自由詩2*17-6-27
ヘイト浅漬け- ホロウ・ ...自由詩6+*17-6-18
子よ、おまえに歌を教えてあげよう- ホロウ・ ...自由詩2*17-6-12
公園の壁の煉瓦の端っこにいつの間にか書き殴られていたメモ- ホロウ・ ...自由詩4*17-4-22
誰も思い出さないその雨のことを- ホロウ・ ...自由詩3*17-4-2
本当じゃない限り出来事のすべては簡単なことなんだ- ホロウ・ ...自由詩2*17-3-28
あの娘の胸に赤いバラ- ホロウ・ ...自由詩3*17-3-19
真夜中を話そうとするとき血液のせいで濁音が混じる- ホロウ・ ...自由詩3*17-3-10
無駄な境界線を引きたがるインサイドとアウトサイド- ホロウ・ ...自由詩3*17-2-4
引き算の挙句、最後に記入される解答となるために- ホロウ・ ...自由詩4*17-1-5
くたばる手前で生きてやれ- ホロウ・ ...自由詩4*16-12-2

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