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冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた
光をともす雨つぶのなかに 今朝はうまれた
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた
わたしは傘を差し 家を出る
はじまりがおわりに ....
暗く清い女の子だった
こんなに、水のように柔らかい裸足では
どこへも逃げだせないだろうと思っていた
彼女は星の連なりを蹴飛ばし
夜の幕を裂いて、去った
綺麗な笑顔の残像は流れ星のよう ....
殻を食べた
血
葵の茎
たおって
ヨーロッパまで
旅する
先生の
鉛筆
去年の手帳に
素敵なものを閉じこんだんだ
六角形が
はじまり
先生
先生の ....
そう
あの子のなきがらに
付箋が張ってあった
「解釈してみて」
わかるようでわからない
心を追いかけ
血潮のなかで溺れている
皆を
ちょうど首のところで止めたんだね
....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて
手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです
あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
ぬっとり湿った夜の膜を
そっとふたつの指で広げれば
胸を裂くような光のしたを
あたたかさ、なさけなさの影が歩いていた
カーブミラーの歪みのなかの
少しだけ正しい領域を
裸足で歩くわたし ....
桃をおろし金に擦りつけ
埃をかぶって臭うストローを水で洗った
プラコップの水面は穏やか
遠い南国の、夏の海の、奥の奥
レンジから元気のない食パンを取り出して
固いバターをスプーンで擦り落 ....
折れ傷つき 挫け痛み
苦い草を食いちぎり また歩み
道ならざる道に 壁は壁ですらなく
人のほほ笑みは 時に後ろ髪をひき
憎しみを擦りあわせて ほのかに熱をだし
また歩み また断崖に臨み
....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている
川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる
車椅子に花を差し入れる
目を細めてファインダーを覗 ....
ボットン便所を囲んで皆で歌った
曲はなんでも良かった
太古よりこびりついたほにゃららの香りと
最新のほにゃららの香りを胸一杯に吸いこんで
厳かに歌いだす
「Aufersteh'n, ....
実の生る木なら育ててくれましたか
色の良い絵なら褒めてくれましたか
温かい冬なら一緒に居てくれましたか
高いワインなら飲んでくれましたか
ね、
魂のある肉なら愛してくれま ....