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旅に出よう
今は汽車が走らない線路を
何処までも 何処までも
歩いて行こう
リュック一つを背負い
身軽なままで
あれこれ考える必要はない
ただ まっすぐ歩けばいい
春は足元の草 ....
今の将棋ブームに便乗した
少年マンガを考えた
━ あらすじ ━
主人公の名は星飛竜馬
元真剣師の父、星重明に
大名人養成ギブスを装着され
一手指すだけでフラフラになるなど
徹底的 ....
春、また
海のない街で
想いで腫れた胸のうちはまだ
ことばにならない
ばらが枯れ あじさいが枯れ
百合が枯れ 菊の花が枯れ
それでもまた 蕾がふくらむ
風が行き 雨が落ち
....
銀河の高さの
白い霧
夜に架かり
動かない
左の肉の寒さが目覚め
右より細く震える時
月は余計に そして速く
見るものの方へと割れはじめる
光に光をこぼ ....
円柱型のストーブに火を入れる
ストーブの小窓から見える暖かな火を
見つめて僕は夢の中
これが薪ストーブなら格好いいのにな
丸太小屋にこもって
文を書いて、それを売って生き ....
山育ちの子が海を知った
知らなければその深さも大きさも
わからないまま死んでいく
たった一日の出来事を
赤い水着を着た縁取り写真の子が
記憶を差し出す、午後五時九分の日没
赤穂海岸で俯 ....
朝、息は白く冷たい
夜雪が降り、ウサギの足跡はついた筈だ
心の中の鉛は骨に入り込んでいる
だが、浮き足立つ朝の輝きは止めることができない
ウサギ狩りだ
猟場に着いた
車の中から銃を下ろ ....
僕がsと外苑前を歩いた土曜日
通りは肌寒い 春先で
人気のない暗がりの道で地図を頼りにした僕は
歩いていた ただ 美術展を見るために
アングラだった 映像作品などや そして
そこ ....
あなたの鍵を青く塗って海に投げた
波の泡が飲み込んで
見えなくなった
別れた日だった
わたしが泣くとあなたも泣いた
玄関に、台所に、ふたりの部屋に
あなたとわたしのYESとNOが
....
果てしない切なさが広がる
救われることのないこの気持は
やるせなさに変わる
消えてなくなりたい
そんな風にさえ思う
ときに見失う
自分が欲しいもの
ときに忘れる
人の優しさ ....
はるの海が
すべてを呑み込んだ日
わたしは目眩でしかなかった
はるの苦さというにはあまりにも
多くの命が失われた日
応えぬ名
帰らぬ瞳
待ち続けた背中
遠ざかってい ....
白い孤独が風上に立つ
悲しみの花弁が吹かれ、落ち
さらさらとした別れが
ひかりを増してゆく
異国の地を歩くとき
誰もわたしに似ていない
そのような寂寞が
どうしようもなく白い ....
そらいろのくるま
にのって
あさがたの
やわらかな
ひのひかりのなか
ぼくたちはいこう
ぼんねっとにひかる
きのうのあめつぶが
さわやかな
くうきのなか
う ....
私をとりかこんでいた言葉たちが
あのときを境に
いっせいに遠ざかってしまった
遠景になってしまった言葉たち
とり残された私のまわりの
がらんどう
けれど私は
おそるおそるでも
....
あなたが死んでほしいと思ってきたけど
あなたがなかなか死なないから
早く自分が死ねたらいいと思うようになりました
だから
きれい好きになったし
いろんなものも捨てたし
死ぬまでにするこ ....
木片の内には像も形もない
{ルビ自=おの}ずと示す雛型も
なぞるべく引かれた線も
一つの像が彫り出された後で
木片はその内部に
一つの像となりうる可能性を秘めていたと
言えるだろうか
限 ....
とてもちいさな出来事が積み重なってものごとが見事にできあがり
それがとても不思議だったりもする今日この頃です
僕の押入れの中に隠された凶器みたいなスケートボードはいつも
わくわくする坂を滑り ....
知らなかったなぁ
囓るまで皆同じだと思っていたよ
君が居れば
僕も居る だね
あそこの人は縦長だね
甘いも渋いも
知らなかったなぁ
あの人は金メダル
ま ....
どのくらい引けば客観的に的を得ることが出来るだろうか
中心を触れることも出来ずに運命を終えるかもしれない
悟りに焦がれて至る 人間だものと添えて
己の未熟さ愚かさ阿呆加減に
漸く 趣きが迎えに ....
泣けば、この声は届いただろうか
叫べば、この声は届いただろうか
泣き叫べば、この声は届いただろうか
否、
きっと誰かに踏み躙られていたに違いない
帰宅時間帯の駅で
もの凄いスピードで
走っているバカがいる
もしぶつかりでもしようものなら
有無を言わさず
殴り倒す用意をしているが
なかなかぶつかってくれない
しかし
そんなに必 ....
バカなおばはん自称詩人を
餌食にしようという
目論見が外れて
もう他に楽しいことはない
いっそ首でも括ろうかと思う
しかし
バカなおばはん自称詩人が
世の中から尽きることはない
次 ....
「はよ言わんかい!」
思わず彼女の口調が
故郷の関西弁に…
今日は久しぶりの
映画デート
その後寄ったミスドで
共に口数多く感想を語らう
そろそろ出ようか
という雰 ....
みゆちゃん
って呼ばれた
ほかのこはみんな
みーちゃんって呼ぶのに
にぃーって笑った顔
前歯が二本たりてないね
クリクリした目と
クリクリした髪と
ちょっとなまった話し方
ねえあ ....
そして一輪のガーベラが
窓から春を覗いている
巡り来る太陽が
ひとときの温もりをもたらし
今日の日の優しさが
時の水面に波紋を落とす
優れた季節が波間を漂い
あなたの踝を美し ....
犬は
わかりやすい
うれしいと
しっぽを振るから
猫は
わかりやすい
うれしいと
猫なで声で近づいてくるから
うちの女房も
わかりやすい
怒ると
口をきかなくなるから
カポタストの虜
そんなもんは
僕は捨てたよ
低いとこを捨てて
低いとこを捨てて
自由になったつもりになんか
なっちゃダメだ
カポタストの虜
君が見てる世界は
美しい奴らの
....
なんもないよ
ここにはない
目を凝らして見えるもの
耳を澄まして聞こえるもの
そんなものはない
なんもない
なんもないよ
どこにもない
僕はいない
誰もいない
無い無い無い。
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライ ....
未知なる死の味
こみあげてくる
臓物の味
頭蓋の圧迫
粘液質の
重みのかたまり
はじける鼓動
激しく打って
体の芯がとび出そう
乱れる呼吸
息する ....
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