―夢々語るまいぞ 天下のことは
   しばし女房の膝枕― 98・7・3 星幸一

薄暗いカラオケクラブの片隅に陣取って
五十六歳役職定年を迎える星がいて
箸袋の裏側に書き綴った辞世の ....
たまねぎを剥く事くらいに
泣くのは簡単だと言うクローゼ
とても静かに
自分の作った暗喩を慰めている



すり減ったローファーを履いて
路地裏でメントスを噛むクローゼ
クローゼのメン ....
あなたが俺を突き放したのは

俺のためか

だったら

早すぎだ

俺の傷はまだ治っていない

あなたでなければ

治せない

あなたの付けた傷だからだ

あなたが俺を ....
ハロー、ハロー
周波数はあっているか、こちらはDJ
十三年ぶりに新種のサンショウウオが発見されたそうだよ、皆さん
サンショウウオが好きなDJとしては久しぶりに嬉しいニュースだ
寒い日が続く ....
まちがいなく
だいじょうぶ、と
つぶやいているときは
すこし
くじけぎみのとき

やっぱり
だいじょうぶじゃないや、
なんて
わはは、って
おいつめられてた
じぶんを
わらって ....
両方欲しい
二兎や二鳥得たいし、及び 欲しい
二丁拳銃ほすい ばんばん!
両手に花束が欲しい
二つの手の平に乳房が欲しい
シーソーの両端が欲しい
生きている時に死も欲しい
ばん!
俺の

コップみたいな

小さな海に

白い雪が

舞い落ちて

溶ける

狭くて小さいけど

溶けた雪の

悲しみも

しっかり受け止める

溶けなければ
 ....
なんだよ!
よりによって俺に向かって「頑張れ!」とは、どういう了見なんだ
何様のつもりだ
いいか、俺はだな「頑張れ僕滅サークル」の会長だぞ
まだサークルだけどそのうち法人化するつもりだ、悪いか ....
不感無覚の大河を 大揺れに揺れ
流れ流れて年を越し あと二カ月と
迫りし時 苦楽隠居の夢破れ
空を見上げて大嘆息の浮かれ人

六道輪廻の迷いの果ての幕切れ
あっさりと これまた成行 ....
   


石鹸のにおい
休み時間の度に手を洗っていた娘がいた
両手で水をすくい
端からこぼれ落ちるところから飲んでいく
こんなふうに
僕の書く文章なんて
いつも隙間だらけの言葉足ら ....
あなたが死んだら
私も死んでしまう


そうなのかもしれない
よく 聞く台詞だし


でもね

あなたが死んでも
私は 
なんとしても
強く生き抜くわ

それぐらいの覚悟 ....
あなたの背中に吹いた風が

ここまで届くようにと窓を開ける

どこからか

たどたどしいリコーダーの音が聞こえる

この星はとても小さい
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  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
黒い筒の中に入った卒業証書を昨日
僕はうちへ持って帰った

そいつは本当は
日の目をあびていたいんだろうけど
丸まって黒い筒に収まっているのが一般的で

そいつは本当は
沢山の視線を浴 ....
真夜中でも

僕のところに来ていいよ

僕は待ってるから

君は寂しがり屋で

毎日

いろんな付き合いがある

買い物 食事 カラオケ

それでも

君の寂しさは癒え ....
菜の花の黄色に
あたたかさを感じた

芽吹いた緑に
優しさを覚えた

暮れゆく紫に
せつなさを知って

どこまでもある青に
強さを学んだ


心のゆとりは 恵まれていたから
 
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です


タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので


飛ばされ ....
鳴り渡る  静寂
風の棲む  場所で


流れる風に
夢を見ていた
移ろいゆく水の 夢を見ていた
遠い  水音の
言葉を  聴いていた


水は  さらさらと
遠く 遠く  ....
世の中が思うようにならない
のは 今始ったことではない
あと三カ月だなと呟いて
自分自身すらよく判らない

続けたいのに仕事がないヒト
辞めたいのにちょっくらちょいと
辞めさせてもらえな ....
布団をはねると
氷柱はおちた
遠く小川も
煙りはじめる
屋根も柱も
あらわに濡れて
くずれて 光を
ながして
雪掻きも雪上車も
消えてしまった
小窓から
ちいさな二列の
足跡さ ....
シャツとセーターを
いっぺんに エイッ と脱ぎ捨てるように

思い切って
まだ冷たい風の中に
私をさらしたら

その勢いに 驚いて
くよくよする私も
ピョンッと飛び跳ねるかもしれない ....
凍えるようなフランスパンに
アプリコットジャムの毛布
パチパチと弾ける
ガーリックバターのシャッポ
クリームスープに浸しては 寒さを癒した
季節

家庭教師の家には いつも
ライ麦パン ....
生まれ変わったら

何になりたいかって

お前は聞いたよな

俺は

男も女も生き物はいやだぜ

俺はね

街になりたい

色んな人間がいて

楽しいことも

悲し ....
雪が降っていた

ここは積もらない

俺も

雪の想い出はない

ただ雪のような人は知っていた

美しくて

純粋で

真っ白の心を持って

はかなく消えた

その ....
夕暮れに浮かぶ雲を吸い込む

仕事疲れの体に心地良い睡魔を運ぶ

ふわふわと柔らかい

幼いころに母にせがんだ綿飴みたいに

甘い明日をくれる

暗闇が雲を仕舞い込む前に

母 ....
眠い 眠い とても眠い
政 官 財 崩壊
若い 丸い オンナたちのおっぱい
ミンナ 謝罪 おれは謝るまい

{ルビ天使の都=クルンテープ}の朝 のっと 太陽が赤い
ヤーを送りだした後 なん ....
君がどんどん

僕を切り取ってゆくので

ついに僕は

一粒だけになりました


海辺の砂のように

乾ききった一粒の僕

君は少し

ためらいながら

僕を道ばたに ....
旅人達は、目的に達するよりも
歩くことにたいまつを、傾けていた

僕は
振り返ることのできない
馬車馬で
ただ荷が揺れぬよう
心を砕き
足元を見、地を蹴りつける。
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない

ありったけの洗濯物を押 ....
 白一色の海を眺めて 僕たちの涙は涸れるだろう

 君は歌舞伎町で行き倒れるのだが 二日目の朝に

烏についばまれてようやく死体だと気づかれる

 君はチョモランマで穏やかに死ぬのだが
 ....
純太さんのおすすめリスト(446)
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