ぼくんちの黒い電子ピアノは
いちばん右の鍵盤が
壊れて 音が出ない

あんまり使わない音だから
いいんだ と
まわりのみんなには 言っている

けれど
ぼくは 時々真夜中に
もしか ....
まだ 誰にも言わずにいよう

まだ ひとりで 


大切な 想いほど

しまっておいて

ときどき 開いて 

そっと たのしむ
夕暮れの寂しさを
ひらりひらりと切り抜ける
たまに当たるけど
ずっとずっとの儀式になってる

夕暮れはどこも一様に夕暮れなので
眩しくなくなった太陽を見つめる振りをして
薄いグレイの天辺 ....
くちづけするよ
あなたの足に
あなたの指に
淡すぎる紅の花弁に
月の灯りが怪しげに反射して

あの瞬間(とき)の
上気した肌の色にも似た
薄紅色の
はなびらが
はなびらが
舞い落 ....
君はやっと決心がついたのかい

僕は君が海が見たいというから

東京湾に連れて行ったね

きみは

これは私の海ではないと泣いた

君の故郷は

雪の花が海に舞う

懐かし ....
受話器の向こう

一分の

透明な空気






自惚れないで

何にも伝わってやしない







無言で

空気で

 ....
どれだけあせってみても
一日が25時間になるわけでもなく
夜は 確実に
手を引いて 朝を連れてくる


起き抜けにのぞいた鏡には
昨日と同じぼくがいる
けれど
今日という日は 決して ....
「結婚しないの?山内さん」
とは セクハラなんやけども
小さい都市なのでまあ
お茶菓子とともに 語り合い
娘がおりますけど あんたら 話したらひきますやんかあ
アチラが立っても こちらは立た ....
ワケもなく泣けてきた


ワケもなく泣けてきた
と、言ったのはどこか嘘で
きっと なにかあったのだ
ぼくがそれを認識していないにしても


ドラッグストアでもらった風船が
靴のひも ....
我、思う。
声なき心が
月の水辺で
戯れん事を

昨日今日に
声の灯火が
溢れる事を


我、思う。
声なき足跡
月灯りの下
戯れん事を

昨日今日に
声の篝火が
灯 ....
ようやく
妻も寝床に入ってしまったあとは
明け方まで
卵を産んで過ごした

初恋のラブレター と踏ん張ると
名刺が産まれた
元気よく不倫相手 と踏ん張ると
辞令交付が産まれた

午 ....
どこか遠くの知らない国で
雪がしんしん降っている

大きな街の片隅で
人と人が出会う

どこか遠くの知らない街で
風がヒューヒュー吹いている

大きな街の片隅で
男がひとり
生き ....
入院病棟の生暖かい清潔な
空気を吸いこみ眠る
窓の外に見える
看護師寮では
真夜中にドアが何度も開閉する
夢を見るほど深くは
眠れない午前三時
静かに誰かが走り
病室の前を駈け抜ける
 ....
俺があなたに惹かれたのに

訳なんて無いさ

あなたは

そっと

俺の背中を押してくれた

その時

俺が羽ばたくことが出来れば

こんなに辛くなかった

あなたも俺 ....
「きらい」という ことばを
口に出せるようになって
恋愛が とても 上手になった


「すき」という ことばを
口に出せなくなって
恋をするのが 下手になった
きちんと
切符を買って
改札に通したのに
ブザーが鳴った

若い駅員さんが
とんできた

ああ、この切符では
電車には乗れませんね

そう呟いたかと思うと
私に有無を言わせる間 ....
夜になろうとしている
駅と小田急線
歩いて歩いて
一体ここはどこ

線路が遠くに見える
でも見える程度には近い
もっと離れたいけど
離れたらもとの場所に
戻れそうもない

知らな ....
潜り抜ける毎日です

ぎりぎりの所で飛び越えて
ときどき足を踏み外す
そんな時間の流れなので

僕らは包帯代わりに
ほんの少しの嘘で武装して
身をかがめて
ぶつからないように歩くので ....
風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる

星々がさわさわ震えている

明滅する交通誘導棒を持ち ....
屋根瓦に置かれた夕刻の重みで
玄関を飛び出したまま私は戻りません


西空の 夜にかけての諦めが
すべて諦め終わった証拠
としての 暗い打撲跡の広がり
そして癖になったそ ....
今すれ違った 人

もう会うことは無いと思うと

すべて愛しい





とっておいた宝物

過ぎればただのガラクタなのに

どうしても捨てられない

 ....
僕が
自分のやりたいことすら
決めかねていたころ

もうどうなってもよかった

幾度もの朝が訪れ
僕の閉ざされた心が
ひび割れていった

夜と朝の狭間で
小鳥の声が聞こえてきた
 ....
顔が埋めこまれるような パック
洗い流して・・・ 
化粧水 ぱちゃぱちゃ。

「充分、きれいな肌じゃないか。」
そう なげかけた言葉も
乳液ぷちゃぷちゃに つぶされ

「おい、 ....
 

 月曜日 自転車をぬるま湯につけて
 春の風を茹でる
 申し訳ないのは
 カラスの居場所がわかること
 その電線を切って
 市民プールにつなごう




 火曜日 性 ....
温泉の
小さな露天風呂は
微かに
排ガスの
匂いがした

生垣で囲まれた
小さな屋上で
年の離れた男と
星空を見上げる

そっと
からだを合わせたら

温まる
ほどける
 ....
北斗七星を みあげて
ひとつたりない、と
君は必死さ




かわらないものも あるのかもしれない
とてもいい天気だったので
カーテンを洗濯した
お風呂場で格闘して
庭の物干し竿に広げて
やっと一段落ついた
お茶を入れると
どっと疲れが押し寄せた

窓はこんなに大きかったっけ
昼間 ....
小さな傘だけど

お前ひとりくらい入れるぜ

俺は

何も話さないかもしれない

俺は

前しか見ていないかもしれない

でも

お前を濡らさないようにする

持ってな ....
リバーサイドは
駆け抜ける5歳児の髪にからまる花吹雪です


遠くを
視線が地平に出し抜けてカーブする先を
指折り数えている ものおもいする午後は
集合が いつか知ったことのように繰り返 ....
コンクリートに
さりげなく咲く
たんぽぽ

それを見ると
不思議と
幸せな気分になる

土のない
コンクリートに落ちた種が
一生懸命に咲いている

それが
なんだか私に
お ....
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