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ようやく
妻も寝床に入ってしまったあとは
明け方まで
卵を産んで過ごした
初恋のラブレター と踏ん張ると
名刺が産まれた
元気よく不倫相手 と踏ん張ると
辞令交付が産まれた
午 ....
布団をはねると
氷柱はおちた
遠く小川も
煙りはじめる
屋根も柱も
あらわに濡れて
くずれて 光を
ながして
雪掻きも雪上車も
消えてしまった
小窓から
ちいさな二列の
足跡さ ....
地響きひとつ。またひとつ。灰色の仮囲いの隙間から、黄色のユンボー。
引き裂かれたアパート。ざくざく歯先を確かめるように、太陽を何度も掠めて振り下ろされる。
断面図は美しいと思った。断面図の発見と人 ....
ここで
てをふることにする
かぜふくにせよ
ゆきつもるにせよ
きみはもう
とまってはいけない
いちにちやふつかは かまわない
けれど
ここで
てをふることにする
蔦は一列二列と ....
なみだでなくて
シャボンのとんだ
きみは
ほろんろん
はじけて
あふれた
なないろの
皮膜だったから
ひしめきあう一日のあとに
コップを倒した夜は零れる
子猫の駆けた路地裏に
白い平らな月は滑る
風は
影の上に重なる雪をおくり
この街の色やかたちをおくり
世界はひ ....
理由なんて
ない
大声を 上げたんだぜ、
因果関係を 超えていく
大声は 勝手だ
ピアスの数が ふえたから
違うだろ
隻手の声のように
逆照射する
俺に
....