長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う

けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって

僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....

小さい頃
コーヒーとは
空色ののみものだと思っていた
すくなくとも
母親が眠れない夜にいつも作ってくれた
ミルクコーヒーは
曇りの日にふと覗く
青空の色をしていた

それなのに ....
コンペイトウの 角を数えてみたけれど
よくわかんなくなっちゃった

だからコンペイトウの 角をおったの

まるいコンペイトウ

少しあまくて
角のぶんだけ
いとおしい

単純な味 ....
東京のさかなは
全然ダメです
死後
七日目ですかって
そんなことを思ってしまう

電車から眺めると
無数の家だ

孤独
の意味を私は思う

ヘッド・フォンで武装して
右側をガ ....
ベッドの準備ができたから
ぼくねるねるねーるね

テストの結果がかえってきたから
ぼくねるねるねーるね

さんすうとけだし
とろろとかけざん
うつわから だ からわってしろみ そ う  ....
最近のボクはこんばんわを忘れてしまった

常に出る言葉はおはようございますとおやすみなさいだけだし
愛してる、なんてもう久しく言っていない

昔、杯を交わしたおまえとは何でも話せたような気が ....
扉を見つけてから5年
最初に見つけたのは空気
静寂にひきつけられて

扉の向こうに見つけたのは香りと存在
何度もつつまれて少しずつ確かめた

時間がたどり着いたのは確かな青
くるまれて ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
(ピンポーン ピンポーン)


「 おはよーございます。ジェイ・オー・シーです。」

なんすか? 朝もはよから


「 北大路京介さん、おはようございます。オリンピック委員会です。 ....
湿った夜の破片が
蝙蝠となって折れ線を描く
低く、低く

やがて来る、雨と
灰色の朝は
かなしい、という色に似ている


里山の懐に
ちいさく佇むそこ、は
永遠の黄昏に向かい旅立 ....
街を歩く人たちの話し声や、靴の音
何か分からない音、無言の音
音という音が一緒になっているんだ、と雑音は語りかける

 目に映る街がチカチカしてのだ
 雑音に苛立つばかりではない
 真昼だ ....

わたしの好きなひとの眼の中には
いつでも空がひろがっている
外が雨でも嵐でも
すこんと晴れた青空の眼だ
することが何もない
曇った日曜日なんかには
一日中好きな人の眼を見ている
そ ....
地球のてっぺんから
百万発のロケット花火を飛ばして
高原でバーベキューなんかやってるような
さわやかな連中を追っ払ってやりたい
乱暴な音楽が流れ始めたら
ちぎれるほどめちゃくちゃに頭を振って ....
{引用=
そうだね、謂わばそれは


やわらかな微笑みを携えて
君は忘れてと

囁いた



{引用=
世界のおわり


全部忘れたら悲しくないよと
君は笑う

 ....
陽だまり

長い 長い眠りから まだ 覚めていないような
ここちを指の先で触れてみた ふかふか お布団のようだった。
ふわふわ そっと っと 。.

あと少し まだ 眠たい.。 そんな風 ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふ ....
「ダックス!」
といきなりいわれた
ソファーでひっくり返って
ノビている姿が
ペットショップで見かけた
ミニチュア・ダックスにそっくりだという
あんなふうにやわらかい腹をムキダシで
無垢 ....
巻き戻されて
巻き戻されて


声が
聴こえた
すぐ側
頭上の左側

いつもの無愛想が緩む
予想外なヒトコマに零れた笑み
不自然な時間はまるで
日常茶飯事のような顔つきで
悪 ....
悲しい息が漏れたのです。
視界はとうに滲んでいます。
冷たい水は流れ出し、
花瓶に挿した花たちは何も知らず笑います。
さよならという言葉なんて、
無くなってしまえばいいのに。
終わりが分か ....
貴方の涙で
貴方の絵を
台無しにしないで
だから泣かないで
風が光っている
それを
瞼の裏で感じて


われに五月を


犯罪的なほどに
短いスカートをはいた
女子高生の耳元で
一編の詩を
ささやいてみたい

気が合えば
ふたりで ....
かぜが
よにん
てをつないで
ふいている

とおくに
ひろびろと
あおぞらが
ひろがる

あのころ
ぼくらは
そんなまいにちを
すごしていた

あなたがかいた
あねもね ....
{引用=
くまちゃん
雪が降ったからね、うさぎを作ったんだ。ダイクマからの帰り道、雪が降って、ねぇ。積ったらいいのにーってはしゃいだら僕、冗談じゃない!ってみんなに怒られてさ。くまちゃんは雪の多い ....
 
たとえ上辺だけの優しさでも
なくなってしまったら
この世の中
上手くいかなくなっちゃうんだよ
 
時に心を隠すことも
人間の世界では必要なんだ
 
ふわ、り
風に追われた桜
川面にちいさな州を作り
その薄紅のしたを
きみの遠い息遣いが流れる

いつか
それはシロツメクサの匂い立つなかで
流れていたのと、きっと同じ
けれど今日は
 ....
ソメイヨシノが いっせいに咲かなくなる
春が やってきてしまった

陽炎の丘を歩く少女  青空色のブラウス


液晶の中を舞うハイビジョンの花びらが
ひらひらと ひらひらと
 ....
マリーは笑うために呼吸をしているんだって、誰かが言った
マリーはお気に入りのおもちゃのピストルを手に持って
後ろ向きのあいつと、しゃがんで泣いているあのこに銃口を向けてた
弾丸は飛ぶわけないし、 ....
真っ赤な世界に三味線弾いて鳴いたこねこのおなかしろしろ
やわらかアスファルト
黒いグーグルアースで拡大できないふるさとの景色

夕暮れ 君の料理がうまくなる
(はっかないお味〜)
夕暮れ  ....
雨の中での別れには密かな憧れを持っていた。

泣かないで、って言ってくれたけど。
私のためでないことくらい知っていた。
自惚れたかった笑顔も優しい言葉も、
今は風化していく思い出の中。
い ....
そらの とこさんのおすすめリスト(666)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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13つぶのカス- さわ田マ ...自由詩608-5-2
東京ヘッド・フォン- umineko自由詩16*08-5-1
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さーせん- 仲本いす ...自由詩608-4-29
- mayaco自由詩108-4-27
あの、ね- Rin K自由詩38*08-4-26
ナシだよ!!_(2008年_春ツッコミ・北京オリンピック編)- 北大路京 ...自由詩8*08-4-26
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効果音とともにある逆さ爪のような傷- ブライア ...自由詩1*08-4-24
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ゆるゆる日和- 渡 ひろ ...自由詩20*08-4-15
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[花]- 東雲 李 ...自由詩2*08-4-14
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われに五月を- 大覚アキ ...自由詩1108-4-14
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くまちゃんと僕の三ヵ月の空白- 士狼(銀)自由詩28*08-4-13
28- 次元☆★自由詩108-4-11
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ともちゃんのファンタジー- ともちゃ ...自由詩7*08-4-5
[忘れな草]- 東雲 李 ...自由詩1*08-4-4

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