あなたはそば屋で待っていて
熱燗をちびちびやりながら

私を見るなり、ほっとしたような
困ったような

薄汚れたテレビの中で笑う
若いお笑い芸人たちの姿は
遠い、遠い、都会を思わせる
 ....
 
こどもの頃
お正月とお盆になると
母の実家に行った
山々にかこまれた盆地に
田んぼが海のように湛えられ
島のように点々と
街や集落が浮かんでいた

遠くに見える
おおきな島に駅 ....

テーブルの上に
飲みかけのアールグレー
やりかけのジグソーパズル


ソファーの上で
読みかけのミステリィ
書きかけのソネット


静かに晴れて
開けっぱなしの窓
 ....
熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる


台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
 ....
生きている
というのは
そう、
ぼくじゃなく
他人だ。

それは人じゃなく、
空かもしれない。
花かもしれない。
風かもしれない。
海かもしれない。
ぼくたちは
そういうと ....
建物を出ると驚くほど寒い
7時間ぶりの外の世界が
熱を帯びた脳を冷ます
薄曇りの空の中
提灯のように
月がぼんやりと光り
遠すぎる等間隔で
街灯が照らす田舎道

努力の底が見えない
 ....
やさしさを溶かす、空、空、空、きみはここにいない、ぼくもここにいない、あこがれだけを持っていた、あやまちなんかじゃなかった、たとえばそういうかなしみに、すこしだけ滲むライトブルー、指先に絡む、宙に .... 合宿所の小さな食堂
人と話すのが苦手な僕は
ひっそりと息を潜めながら
周りの会話に耳を傾ける



スプーンを洗いに席を立つ
「その唐揚げ美味しそうだね」
その言葉に振り向いてみたけ ....
仄暗いアーケードは、まだ15:20。

明けない夜ですが何か? に負けじと、

平静を装った鼓動で、ペースで、歩き続ける。


どうもこんにちは。

スマイルすら買えないところから来 ....
 
 
綱わたりをしていると
月がきれいだったので
僕はまっさかさまに落ちていった

形の良い吉川くんがそれを見ていて
僕らはレンガ遊びを続けた
吉川くんはレンガをちゃんと地面に積んで ....
 
釣りは飽きてしまったようだ
さかながいないからしかたがない
父さんだけが夢中になって
往生際がわるかった

ふりむけば
木のベンチで息子がねむってる
一億年前から
そうしていたよ ....
手首の傷は癒せたとしても
こころの傷は癒せない

ずきずきと痛むこころの古傷は
まるで親知らずの発する悲鳴のようで

嘆いているわけじゃない

こんな季節の溜め息は
寝付けない台所の ....
                050115


                   
みじんこ
こすもす
ゆりの花
左うちわの
いもようかん

ひっくり ....
あさがきました
ふゆの
あさがきました
どおりで
さむいとおもったわけだ

*

さむいから
さむいので
あさをむかえることにしました
でもやはり
さむかったのです
それ ....
血液は旅をする
一生の半分は心臓を目指し
残りの半分は心臓を懐かしむ
何周も何周もするのだから
何度も何度も繰り返すのだろう

プールの前に体温を計る
血液が今、何を思うのか
知るため ....
からからと 転がるかなしみだけが
音を立てていました

きのう 死んだ心がまた生き返ろうと、棺の蓋を叩いて
その音がまたからからと音を立てました

耳を塞げどその音は耳の中からするものです ....
トライアングルが鳴り
レモンがはじける
太陽が昇り
太陽が沈む

気持ちのよい1日を過ごしたい
いざこざは嫌だ
澄んだ声
澄んだ息

仕事の為の毎日が過ぎる
食って寝る。
ヘト ....
介護施設のベッド
幸せそうな家庭が
そこだけ
作り上げられている
洗剤のコマーシャルに出てくる
清潔そうなお嫁さんが
わたしの代わりに
お祖母ちゃんの世話をしてくれている
に違いない
 ....
 
幸せなときに限って
幸せを知らない
河原のベンチに座りながら
そんな時が誰にでもあるように
思うことがあった

ベンチに座ると
夏の虫が僕のまわりで
いっせいに鳴きはじめるものだ ....
涙を空に溶かしたら

こんな色に

なる気がするんだ



切ないけどさ

綺麗だね
朝は、
最寄りの駅まで走るための時間ではなく
ラジオから流れる落語の人情噺を聴きながら
渋い野菜茶をゆっくりと喉に通過させる。
そんな涙を流すための「ひととき」でありたい。
ぜいたくぜいたく ....
 
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら

階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
ねぇきいて
今日の風は黄色だったの
あなたの瞳にはどう映った?


今日の風がささやいた
足元気をつけて
黄色い落ち葉が落ちている
きっと今日の風が塗ったのだろう


足元に佇む ....
これが泣いている、
という行為
大粒の雨が
ぼたり、ぼたり、と
音を立てる


わかってあげられない
ティッシュを差し出すこと
背中をさすること
それしかできない


それで ....
皇帝夫人の指輪は 不思議な宝石みたい
疲れを癒やしてくれる 光を放ち続ける

夏は赤く輝いて 冬は青く輝くんだ
是非とも手に入れたいな オイラのモノにしちゃいたい

  あの怪盗ルパンも  ....
囲まれてクマのプーさんマワされる

お茶の間でドラえもんを押し倒す

オバQを脱がした夜の熱にうかされ

ポケモンを発光させて暖をとる
もう
ここは冬
になってしまった
日は短くなり
昼からすでに夜の気配がする

けれど迷い人よ
冬のせいではなく
この森はずっと昔から
喪服の切れ端のように暗い

鳥は言う
「さ ....
たぶんもっと速い速度で
きみに近づいている
あした、なんていうものは
きのうで忘れた

だいじょうぶ
向かうところ敵なし、どころか
敵しかいないのでわかりやすい
さっさとやろうよ
 ....
今日 キミの夢を見た
もう居ないくせに
「いつも見てるよ」と言うのだ

薄曇の外光が窓から入り込んで来て
中途半端な空間を作るので
夢の端っこを掴んだまま手放そうとせず
意識が行った ....
触るとすべてを溶かしてしまうだからみんな
溶かしてしまった
触ると溶かしてしまうから
三日前に投函された手書きの手紙も封を開ける前に
アメーバのように指の間からぽたぽたと
がくりとポストに手 ....
そらの とこさんのおすすめリスト(666)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時計と熱燗- うめバア自由詩308-11-6
傷跡- 小川 葉自由詩308-11-5
君と僕と空と午後- nonya自由詩6*08-11-5
平熱- 小原あき自由詩7*08-11-5
生きている- ゆうと自由詩4+*08-11-5
夜を噛む- 木屋 亞 ...自由詩2*08-11-4
やさしさを溶かす- ゆうと自由詩3*08-11-4
ラッコパーティー- 1486 106自由詩4*08-11-4
飛田新地- 猫道自由詩9*08-11-3
月光- たもつ自由詩2508-11-3
一億年前の休日- 小川 葉自由詩2008-11-2
きしみ- 恋月 ぴ ...自由詩20*08-11-1
芋羊羹- あおば自由詩8+*08-11-1
ウィンタータイム- ゆうと自由詩4*08-10-31
平熱- 木屋 亞 ...自由詩6*08-10-30
からからと- 湖月自由詩4*08-10-30
新しい日が来る- ペポパン ...自由詩6*08-10-30
嫁いで思うこと- 小原あき自由詩13*08-10-30
玄関の虫- 小川 葉自由詩608-10-30
多分ね- 愛心携帯写真+ ...8*08-10-29
あたりまえのこと。- きゃっと ...自由詩308-10-29
空の匂い- たもつ自由詩4308-10-29
風の色__(チョコ同盟連詩_夕焼け空+乱太郎)- 乱太郎自由詩9+*08-10-29
共有- 小原あき自由詩17*08-10-28
盗む男- 北大路京 ...自由詩17*08-10-27
ネツアイ- 真鍋 晃 ...川柳3*08-10-25
暗い森- ふるる自由詩10*08-10-24
たぶんもっと速い速度で- ゆうと自由詩2+*08-10-24
キミノコエ- 千月 話 ...自由詩21*08-10-24
サイダーは引き戸を開けたから- KETIPA自由詩408-10-23

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