効果音とともにある逆さ爪のような傷
ブライアン

街を歩く人たちの話し声や、靴の音
何か分からない音、無言の音
音という音が一緒になっているんだ、と雑音は語りかける

 目に映る街がチカチカしてのだ
 雑音に苛立つばかりではない
 真昼だというのに、光は街を照らしているのだ
 それから、
 どこかで鳴いた鳥の声が、視力の画面に張り付いたままになっている。

80年代の流行歌は
プラスチック、コンクリート、合成繊維で出来ている。
街は石油だ
湾岸で逃げ遅れた鳥は、油にまみれて飛べずにいる

(旧国道から小道にそれる。
広がる田畑の中間で、くわくわくわっと、
鳴いた鳥はどこへ行ったのだろう。)



自由詩 効果音とともにある逆さ爪のような傷 Copyright ブライアン 2008-04-24 22:49:15
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