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日常にあふれる音の数だけ
日常は動き続けていることに気づく
それが小さな虫の音や
少女が練習するフルートの音色だったり
どこかの家族の会話だったりして
そんなかすかに聞こえてくる音に安心 ....
銀色の包みのチョコレイトを
いつかあなたにあげたくて いつも鞄にいれています
優しいあなたを温める一粒は 日に日に形を変えて
この夏に溶けていくけれど
秋にはまた新しいのを用意しますね。
....
コンクリートの隙間へ
手をひたすとき、
かなしい人魚の
ほほえみが
過ぎる
その、
行方を追いかけやめた目の
放ってみせる空には
青のにじみが
よく似合う
....
誰もいない路地裏の街灯の下
空を見上げて呟く
少女 一人
星も月もない夜に
膝を抱えてうずくまり
火照った脈を測りながら
忘れ去られた夢を食べながら
獏は大きくなった
誰も望みもし ....
一枚の葉がふくむ記憶は
みどりにそまり
やさしく香る
かぜは
ときおり険しいけれど
その手をのぞみ
樹木はそよぐ
世のなかに
なごみの満ちた
晴れ間がつ ....
解けてゆく心の模様が 肉片が
痛々しく千切れあって欲求不満の困惑で
さもしくワインを啜りながら 人が来るのを待っている
憶えている?
返したその言葉に 染み付いた私
助けて貰うの
輝き ....
ここは
誰も
いない森
人間は
入れない森
人間に
荒らされたくない
静かな森なの
ここには
何年
生きても
大人に
ならない人がいる
そう
ここは
楽園なの ....
悲しい時
少し
休んで
空を見てた
そしたら
自然と
悲しみから
すっと
解放できた
悲しい時
死にそうなとき
つらい時
空を見てごらん
勇気がわいてくるから
....
探してる探してる
特に見当たらない気持ち
自前の希望は役立たず
持ち前の優しさも五里霧中
はがゆさの塊は投げるたび
弧を描いて僕に向かって
探してる探してる
特に気に入らない気持 ....
生きている物はいつかは
いなくなってしまう
どんなに大切でも
どんなに愛していても
どんなに憎んでいても
どんなに生きていてほしいと
どんなに消えてほしいと
....
スキの逆はキスなんだよねぇ
好きの逆は嫌いなのに
おかしいよねぇ
あたしたち、キスばっかりしてて
おかしいよねぇ
どんよりとした くもり空
晴れてるのに、霧が濃くて、暗い
今の私にぴったりの空
とんぼの様にぐるりと回る目ん球で
時計の針のような時間をぐるぐると眺めた
少しずつずれはじめた周りと僕はしかし
真っ直ぐな重力で決して切り離される事無く
ただ回り続けた
ただ回り続けそうして ....
色彩アラベスク
黒い空 黄色いライト
オレンジの腕 汗は光る
コンパスはあちこちと動き
ベイジュと紫
赤の縁どり
白い球はくるくると舞い
無花果の実は赤し
オレンジの足は地を ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、
さかなのゆめに朝がくる
ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶
水の
においの
シーツを背中に
....
ああ
まるで
はいつくばる 虫
このように卑屈に生きていては
前を見ることすら叶いません
重い体を
ぐぐぐ、伸ばして
足をそろえれば
あとひといき
背筋を伸ば ....
空気を喉につまらせて
ぱくぱくと喘いだ
さらりとした風は
この喉につまるものと別物なのだろうか
何に喘ぐのかも解からずに
ただ この違和感を追い出したいだけ
右手で触れてみても
な ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように
僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから
ほら
こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
砂を
体中の空いてる
穴に詰めていく
埋め立てた人工の砂浜の
ほつれたぬいぐるみが
さみしそうに息をしている
「あなたのコドモを産むよ」
と笑い
雨上がりの
草いきれで肺一杯にして
....
「少しだけ泣いてもいいですか?」
あなたは細い声でささやく
そしてやっぱり止めようと
小さく肩をふるわせている
「きょうはずいぶんと湿った空です」
たしかに昼間吸い込んだ蒸気を
....
自分が何者なのか
まだ分からなかった頃
なだらかな猫背の丘の上の
手のひらの形をした大木によりかかって
毎日のように雲を眺めていた
飽きもせずに眺めていた
いわしはうろこが剥がれた ....
細い金属質の陽射しが
容赦なく肩に、腕に、
きりきりと刺さって
サンダルの真下に濃い影が宿る
忘れかけた思い出は
向日葵の未成熟な種子に包まれ
あの夏
深く青かった空は
年 ....
優しい手に言葉は潰され
汚れたような日々は拭えば溶ける
ひとつの言葉を持たないわたしは
凍りついた喉を震わせ
通じることのない音を立てる
お話にならない文字はだれにも伝わらない ....
気づいたときには、わたしが
わたしという輪郭に 縫いしろを足して
日常から切りとられていた
景色はいつも、ひどく透明なので
ふりかえっても もう
戻るべき箇所を、確かめることができない ....
1.
すき
きらい
どちらでもない
ひとひらの
花びらを海辺にすてに行く
指先が君を呼びかけていて、長袖を捲ることが
できない
もう知ってるんだ
この先で
海辺の声 ....
身を落とし損ねた夜、水鳥の羽音が耳の奥から離れず
底見えぬセーヌ川のほとり
水草を揺らさないように息を止めていた
また、赤子が腹を蹴った
季節外れなベンチに一つ影落とし、風の遠鳴 ....
(1)
明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
{画像=080722004625.jpg}
遠い空を見上げていつも
鳥になりたいと想っていた
自由に空を飛び回って
あの雲に掴まりたい
虹の橋を渡って途中で落ちても
手を拡げれば大空は自由 ....
ミミという女の子がいて
今もどこかで生きています
彼女は
ゲームセンターのUFOキャッチャーで
お母さんにキャッチされ
取り出し口から生まれてきました
生まれたての彼女は
背 ....
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ
・
・
・
机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないこ ....
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