すべてのおすすめ
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った
彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
「モクテキは何か」
「今 何をユウセンすべきか」
「シテンをどこに置くかが重要だ」
(なんて
ゴシドウくださるおかげで)
くちゃくちゃの紙クズみたいな
オツムの中は
ひ ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに
{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
あなたの揺れる水面が
まるで涙のように見えたので
やさしくなだめたくなりました
あなたは水際にたたずむ
一羽の渡り鳥のようでしたから
どこかへ行ってしまいそうで不安でした
あなたが ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
そう 光の紋、水の模様が
見たかった
ゆらぐ 光の縞に 体を潜めて
水の色 雲の陰
私のゆがみ
私のまるみ
私のいびつさ
けれど、実は 私も水
息を呑んで光を泳ぐと
実は ....
このへんな匂いは何ですか
ああ
満開の栗の花
朧月夜に
ああ
満開の栗の花
血液にアルコールが混ざって
ああ
満開の栗の花
天狗の鼻をかじった
ああ
満開の栗の花
....
あなたが
私を降りる日がやってきました
晴れた穏やか日も
嵐の日も
私はあなたとともに
進みました
着いた地は
新しい居場所
慣れない地での
不安もあるでしょう
....
長いこと 時間はたった
ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う
それすらも
全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった
おぼつかない足取り ....
私は
何でも出来るのに
何もしないから
何も出来ない
私は
本当は優しいのに
優しくしないから
本当は優しくない
私は
真面目な人間だし
面白い人間だし
周りの評価だって ....
あたし象がなくのをきいたことがあるわ
ミルクが冷めるので
君は急いで言うのだった
カーテン 君の室内とその壁
日が射しても 虫がいない日が多いので
もうテーブルクロスは ....
眠りにつく時、思い浮かべる
どんな夢を見よう
目を閉じて
少し集中
・・・そこには優しい面影
そして寄り添うように僕は体を預ける
もたれるように 呑まれるように
意識が遠退く感じ
優 ....
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たがいの爪で
たがいの肉にわだちを描いた
俺は十八だっ ....
夏がわたしを冒していく
(おかあさんのつくったごはんには)
(毒がはいっている)
(でもわたしはおかあさんがすきなので)
(死ぬとわかってたべている)
そう思い続けて ....
あいつが私を殺そうと追いかけてくるので
私はウサギを捕まえようと追いかけます
私はウサギが逃れようとするほどに
必死にウサギを追いかけるのですが
あいつが私を殺そうとするほどには
....
混沌を抽出したような
音楽に溺れていると
時おり
冴えた月光だけが支配する
澄みわたった湖畔の風景だけが
浮かび上がるんだ
ノイズとスクラッチと
サンプリングと器楽音
音の ....
見慣れた景色
窓の外
あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった
風のある日は
大きくうねり
晴れた日は
緑を激しく ....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら
ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ
偶然、生きているぼくは
今日も、また改札口をぬけ
ケータイを開き
牛丼 ....
失われたものが
失われる
方向にむかって、ひきのばされていった
絶たれるために
地球からながめると
原子核よりも
ちっちゃな
ちっちゃな
自分のからだの
どきどきしている
どっきどっきな
むねの奥で
ときどき ....
端正な横顔には
少しばかりの憂いがよく似合う
彫刻の様に滑らかで、なまめかしい純白の肌に、
赤いレースの衣をかざせば
魂(資質)が、
美(生き様)と、
溶け合って、
不可思議が生まれる
女は ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
痛みを知ることがなかったら
この愛おしさに気付くこともなかった。
ありがとう
私を好きになってくれて
空気の中を泳ぐ?
溺れてるようにしか見えないぜエアロ
睡眠もろくに取ってないんだろう
足もとがふらついてるし
さっきから目をこすってばかり
君の頑張りは無駄じゃないが
報われるかど ....
待つ人がいなければこんな辛い思いはしないと思う
僕を待ってくれている人さえいなければ
待つ人がいるところへ
僕は行く
けれど
待つ人のところに行っても考えてることは
別のところで僕 ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない
白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める
踏まれている 足の痛み
知らない ....
海へ行った
病気の母を連れて
もう一年も前
秋の始まり
懐かしい
海岸線
生まれた町
揺れないゆりかご
籐の編み目の
飴色の海
その色を
ずっとみていた
ゆっくりと歩いて
波 ....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
それは、静かな石だから、(青い)のです。
きっと美しかったであろう、
きみの石。
一億年の沈黙が(きみ)を呼んでいたから、
石は、ゆっくりまわれ右をして、
きみのもとをはなれていった ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25