君に逢い不治の病に冒された僕の心にまだ春は来ず


目を伏せて出来た陰影艶やかで理性を奮わせ視線は空へ


富士山へ夏の終わりに山登り朝日に染まる淡き恋花


不死なんて意味 ....
アイツのこと好きだったのは

別れても好きだったのは

アイツがおれのこといちばんだと

そうだと思ってたからなんだ


選挙のたびに

電話をよこすようになって

もう三年 ....
誰かの置いた                                                                  
みちしるべ
ただ、ただ、幸せになりたい
そう思うのは罪ですか?

ただ、ただ、強くなりたい
そう目指すのは無駄ですか?

許してくださいそんな都合のいいことを言わないが
もう僕は忘れれるよ、ごめんね ....
利休の茶室は 
入口が小さかった 
天下を取った秀吉が 
身を屈まねば 
入れぬほど 

弟子の手がすべり 
お茶を畳にこぼす 
利休は 
(まぁ気にするな)と 
 ....
近い過去

傷口を庇いながら
痛みを無視して
紅空を愛してた



認めなかった傷を
直視して解けた意味
幼さと至らなさと
自我欲の赤い泪
白空を求めている

近い未 ....
得意な挨拶はさよならです

こんにちはさよなら

あなた だれだっけ


久しぶり どのくらいぶり

だめよ 忘れてしまった

はじめまして さよなら

またね いつ ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに

白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに

畑の作物採りに行 ....
真っ赤な帽子をかぶって 
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから

彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
 ....
彼のばあちゃんが作った大きな玉ねぎと

出荷できないからと知り合いから分けてもらった

真っ赤なトマト(何が悪くて出荷できないかまったく不明)と

うちの玄関先のプランターのバジル

全部のっけて朝 ....
散歩より帰りし犬の足を拭く
吾が顔のぞき されるがままに

くちなしの{ルビ香=かおり}ただよう くりやべに
千日紅の赤が寄り添う
{引用=初冬}
桜の葉 すでに
落ちて 紅に
一枚 拾うか
拾うまいか



{引用=実はこちらが第一作目}
夜が眠れない
耳は音ばかり
追って また戻る
くるま くるま

 ....
今日見えたものが
明日も見えると信じてるから
生きて行けるのですか?

さながら私たちは
籠の中の鳥にもなりきれずに
開け放たれた扉を
行ったり来たりの繰り返し

振り向けば ....
「ヘンリーってのは
 どこの国のサッカー選手だい?」



ねえ、母さん
ヘンリーはアイルランドの選手だ
ヘンリーはアイルランドのカレッジのチームで
今日もベンチを温めている
ヘンリ ....
信じること 信じられること
人のそばに いつも言葉があって

認めること 認められること
言葉のそばで いつも耐え忍んでいて


言葉は大切なのだけど
心が言葉と一致しない ....
地下道の便所の前に 
何も書かれていない 
真っ白な短冊が 
くしゃりと折れて 
落ちていた 

無人の通路に 
夜の靴音を響かせながら 
便所を通り過ぎる 

Tシャツの背中を  ....
お前のやはらかさに埋もれて死にゆくなら
それでも良いなと
硝子越しに
笑う人間らしい貴方
 
ただ揺られて生きるのみのわたくしなどは
あすはるとでは
直立できないと言うのに
 
見つ ....
路地裏から見上げた天の川は
細く細く区切られた
都会の小川の様でした
折れ曲がり、折れ曲がり進む
その先には

その先には
何があるのだろうか
短冊の白まぶしくて愛の字を書けないままに無地で結んだ


黄色がいい君が選んだ一枚は願いじゃなくて歌をつづろう


霧雨に耐える紙縒(こより)が話さない青の祈りは「海にあいたい」
 ....
動くことができなくなって

その場に留まって


消えることも

消すことも できなくて


星になることに

決めました



幾千、幾万の想いが

誰かの瞳に帰 ....
CQCQ
これから
ハイウエイを逆走します

アクセルを
思いっきり踏みます

みんな青くなって
右へ 左へ

ハイウエイを逆走します

走行車線と追越車線
ちょうど
うま ....
あの日から気づいていた

いつまでも見過ごしているわけにはいかないって

すべてを咀嚼なしに飲み込むことはできない

瑠璃色の壁で護られてる貴方には

ひっかき傷さえつけられないから
 ....
君は いつも僕と一緒にベッドに潜り込んだ
強く抱きしめてくれて 優しく口付けをしてくれた
明け方にはベッドから落とされてしまうけど それも含めて 僕には至福の夜だったんだ
僕は君の恋人なんだって ....
どうしてぼくを叱らないのと
大人の人に聞いてみたら
君はとてもいい子だから
叱ることなんかないさと
誰もが言っていた

ぼくは知っている
本当は叱らないんじゃなくて
叱れないことを
 ....
右で
左で

そもそも左右がわからないアタシは

どちらを右とするのか

どちらを左とするのか


どこからが
どこからを
どこまでを

ねぇどこでわけたら ....
消えるまで見てあげたこと無いね虹


泣いてるとこれでもか的日本晴れ


茶柱が人相を見て思案する
水はグラスに包まれ
グラスは両手に包まれ
あなたを包むのは誰ですか
水が包むのは、何

泣いているのは
瞳だけ幼い老人
その掌に
日溜まりのような優しいぬくみ
その額にま新しい水を注 ....
この夜に砂糖とミルク少々を入れて
掻き混ぜて飲み干すんだ
――君 何処へ行きたいか云ってくれ給え
ラズベリィの憂愁に
しなやかさの極みの鋭さを閃かせ
僕らを駆動する
僕らが駆動する
{ル ....
(ピンポーン ピンポーン)


「オハヨーございます。タイムパトロールです。」

なんでしょうか 朝っぱらから


「北大路さん、オハヨーございます。タイムパトロールです。」

も ....
藍に鳴く瞬きは
添える程度の色彩
決して主張しすぎない声で
詠うように流れては
見下ろした先の草花に
願いを囁かせた

蒼に震える輝きは
漂う程度の色合い
妥協にも似たか弱い声で
 ....
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