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*いたるところにある給水塔/ちいさな/8月
たとえばこんな狭い
はしごで登る
四角い金網のうえで
果たしても
ぐるりをとりまく
空のもと
擦れすらもしない
僕ときみだったとして
....
は
じ
ま
り
は
ひと振れ
蝉の声かな
とおい町外れの
森林から
あたかも
きみとは
まったく
かかわりあいが
ないっていう
そんなふうに鳴いて
そのまま ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
舌がある
それで君を舐めようか
冷えた舌先が触れるとき
君の肌で
どんな音がするか
固まった
ちいさな
ちいいさな結晶が
溶ける音がするか
こんなすこし暑い季節なら
しゅと
音が ....