私を好きに
なる人がいる
私を嫌う人が
いる
私を憎む人がいる
私を喜ぶ人がいる
来るものは拒まず
去るものは追わず
自分を見失わないで
皆を信じて
全ては良い方向へ向かう ....
頭のずっとてっぺんから
かなたまでつつみこむようにはられた
透明なフィルムの外側を
音もなく星々がすべりおちてゆく
そのすきまに
かすかな灯りがひとつ
はらばいになって停泊している
砂浜 ....
野いちごの赤いいろを口に含むと
なんだか悪いことをしているみたいな
それとも
なつかしいやさしいきもち。
赤いいろのたべものたべるのって
なんだか背徳感をおぼえる。
いけないことをしてるみたいな
こ ....
都会の道路に沿って
綺麗に並べられた街路樹は
まっすぐに立っていたが
その緑は曲がっていた
歩行者や大型の車に合わせて
その枝と葉は
捻じ曲げられていた
緑はいつも
土や大地の色は ....
作者への文句じゃ決してありません
作品に言ってる?作者に言っている?
作品は我が子だ親バカ当たり前
作品は他人だ好きに言ってよし
作品は恋人少しは気になるわ
....
スカアトを持ち上げたわたくしの
内股を流れおちる、それは
ルビイのやうに光り輝いておりまして
わたくしの声を
ただの吐息としてしまいます
生まれでる前に
終はりを迎えたいのちが
恍 ....
僕が死んでしまっても ずっと喪に服すことはない
君が幸せになるためなら すぐにでも忘れてください
もしも 君を幸せにしてくれる『いいひと』がいれば
僕の代わりに幸せにしてもらってくださ ....
呼吸するすべなど誰も教わらない駆け出す夏はどこまでも海
鍵盤を戸惑うような告白が胸をすみかに未来へ渡る
横顔にかける祈りもつかのまに夢から夢へ原理をつなぐ
....
実は好きだったんだよ
照れくさそうに 懐かしそうに 君は言った
嘘だあ
私は 水分が足りなくなった喉元から 乾いた笑い声をひねり出した
好きです 好きだった
こ ....
その日の空は
限りなく紫なオーラを帯ていて
隣の青山さんが
酷く赤っぽく見えていた
学校では
校長がメッシュを入れていて
それが限りなく絵の具っぽくて
生徒全員含み笑い ....
試しにね
目を瞑ってみたの
取り乱したり
泣き喚いたりは
絶対にしたくなかったから
あの人の言う事
ちっとも意味が分からなかったけれど
全部が言い訳に聞こえた ....
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
....
これまで
たくさんの人と出会ってきた
ただぶつかっただけの人もいたし
ふり返るだけの人もいた
目線を合わせただけの人も
いい出会い 悪い出会い
たくさんあったろう
だけど私 ....
これから向かう家庭教師先の
国語のテキストを
電車の中で読んでいた
その内容はあまりにも悲しかった
戦争で両親を失い
家もなく食べるものも満足いかない
それでも生きようとする
子 ....
庭土が連日の梅雨で 満足げに
雑草まで育てている
庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
みどりの息を弾ませている
そして 生垣の隙間には
....
寝床に入っていったから
ライトを消して
暗くしたのに
また起きてきたの?
でも眠そうだね
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ
太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし
太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
荷物を取り上げられ
髪を切られ
消毒され
写真を撮られ
左腕に囚人番号を刺青されて
工場・鉄工所・炭坑で働かされて
木で作られた三段ベッドに
マットレスの代わりに
....
まあるい泡を
ぷくりと吐いて
そっと寝床を抜け出す
水の流れは
暗いぶん少し冷たい
おびれとむなびれ
ぷるぷる舞わし
水草の間から
夜の空を見上げた
真昼の水面を
きらきら照ら ....
1 + 1 = I Love You
2 - 1 = I Miss You
通りすがった人の影さえ 淡い灰色の靄が掛かる
雨の季節 憂欝な空
直ぐに思い出せるのは
雨に混じったすいかずら 少し濡れた夏服
君が差してる青い傘
放課後の音楽室から 君の帰る姿を見 ....
僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために
待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために
屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に
ゆく ....
いま 俺が自殺しても
臨時速報で流れへんから
まだ やめておくわ
いま 俺が自殺しても
株価に影響あらへんから
まだ やめておくわ
いま 俺が自殺しても
国葬にならへ ....
境界に ぬぎすてた 皮膚と肉を
まいあさ まとう直前 わたしの
あばら骨のすきまに 火を
ともして くれているのは
誰だろう
ぼくはサッカー部のヒーロー
試合で何度もハット-トリック
もうぼくなしでは試合には勝てない
まさに今
強豪チームと対戦が始まった
早くも味方からボールを渡される
まずはドリブルで前へ
....
良く頑張っているよね
そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする
お馬鹿さんだからなあ
そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
台風の夜
徹夜をした
夕方は青くて濃かった
西の空が明るんだり
ぱらぱら降ったり
たまにざあっと来たり
そとではときどき風が鳴った
夜9時ごろ焼肉を食う
....
低く垂れ込めた
嵐の雲のなかへ
灰緑色の階段が続き
海は大きなちからに
踏みしめられるように
しろく崩れながら
膨らんでは混じり合い海岸線を削ってゆく
風はいっそう強くなり
雨と潮 ....
あなたの歩んできた道こそが、
最短距離だったのだと思う
でたらめに星を繋いで星座を創る
あたししか知らない天球
一人遊びは得意なの
でも本当はあの人にも見せたい
なんて
なんてセンチメンタル
妄想も後悔も
追いつけ ....
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