坊やよい子だ
起きやがれ
手がかりがなければ
足ががりすればいい
真っ当とは
何か知らん
知りもせず言うなや
お陰さまで
真っ当な仕事の
真似ができるくらいに
成らせて ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない
体の中心がどこなのか
わ ....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く
ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う
のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
人は時に狙われて
ものみな静かな夜の中
時という
まだ固まっていないコンクリートに
自分のしるしを残して
ブランコの音だけが
コキー
コキー
時に思いを馳せたとき、
夜だ ....
風邪をひいたとき、よく、「何がほしい?」って言われる。
そういう時って、「きみがほしい」なんて言ってみたら、相手がどんな反応するんだろう?
きっと戸惑うだろうな・・・
かといって、病気に食べる時 ....
ぽつりぽつりと
街に明かりが灯りはじめる頃
点々とするビルの窓を見上げて
君が
まるでほたるが飛んでいるみたいね
なんて呟いたから
僕もいっしょになって見上げた
ほたるなんて ....
一日に一回
空は夕焼けに染まる。
晴れていたなら、だけど。もちろん。
夕暮れてゆく世界は私の手の中にあって
私は一杯のコーヒーを飲み干すみたいに
簡単に
それを飲み干す。
でも確 ....
白と黒のストライプの入った
トランクスを竿に立て
ぼくは全面降伏をする
戦いません 勝つまでは
はためくトランクスの旗の下
ぼくは負けた
負けて負けて負けて
負け続けた
鮮やか ....
さつきに許されないうちは
五月をさつきと呼ばない
ことに決めた
さっき
しどけ
ぼんな
あいこ
こごみ
その不思議な名前の来歴は
山に入る者だけが知っている
雪解け
呪文 ....
だったらそうすれば
そう言いたそうな女がいて
ぼくは6910円分の切符を買い
電車に乗ることにした
駅弁はビジネスランチを買った
行き先はきれいなお姉さんが乗った反対の方向に決め ....
君が眠った後にいつも煙草を吸う
君の前で吸うと物凄いしかめっ面で僕を見て
「そんなもん吸う奴の気が知れないわ」と怒るから
だから僕は気を使って君の目が届かなくなると吸う
まるで脅迫だ
僕 ....
私が本当に知りたいことは
学校で叩き込まれることじゃない
友達や先生の言うことは
どれも最もだが
どれも私にとってマチガイだ
縛られるのは大嫌い
邪魔されるのも大嫌い
もっとカン ....
悠久の時を越えて来るものは
優しい光りとなり
波に木霊する
ひとつひとつが七色に輝きながら
押し寄せてまた戻る
百年も千年も波の旅と恋が始る
煌きは風と渡り
....
誰にも会いたくなかったから、風邪を引いたふりをして
あそこのアイス買ってきてよ。ほら、駅前の。
なんて言って母親を家から追い出して。
そして眠ろうとするけど。
目がぱっちりと開いてきて
どう ....
やわらかくまるめた白い手で
小さな風をつくってみせる
あなたは細く揺れながら
笑うほど
大きく咲いている
感情の枝先にふれれば
おこったようなそぶりで
その
白い身体をしならせ ....
嘘つきは目を見ればわかるなんて嘘だ
「きみなんかきらいだ」
「あなたなんてきらいよ」と言い合ったとき
僕らは目を閉じたまま
真実を確かめ合ったじゃないか
(お金なんていらない)
昨日、100円のおにぎりが買えませんでした。
財布の中には104円あっても、
税込み105円のおにぎりが買えませんでした。
コンビニの店員さんは残念そうで、
僕は ....
小学校4年生のとき
はじめて「せっくす」という言葉を理解した
小学校5年生のとき
クラスの女の子に
「ねぇ せっくすしよっか」て言われて
股の間をさわられた
赤くなって黙った ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく
あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
傾けた視線の先には
何も映っていないように見えたこと
帰り道
車の窓から見えた景色の一つ一つが
過去に押し流されてゆくみたいで怖かった
あなたは
シートに身体をあずけて
窓ガラス ....
この時代に生まれた僕らはさぁ
みんなどこかしらが壊れていてさぁ
それが不器用でも動いているから
まるで普通なように映るんだ
見えてるようで見えてなく
聞こえてるようで聞こえてなく
....
こんな雨の日に泣きたいのは気のせいだと思った
この間、久しぶりに友人と飲んだとき
ずいぶんとしあわせそうな顔になったじゃないかと言われた
そのセリフの半分が
励ましだということを
僕は知 ....
僕は転がる
傷を負い
痛みに耐え
自分を抜け出せば
それで終わりにできるけど
まだ転がることができる
昼下がり
陽射しを避けて歩く公園の道
眩しさを縫うように進むとき
....
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
コウテイペンギンは
子供のために家を作ってはあげられないけれど
ブリザードが吹けば 子の風上に立つ
コウテイペンギンにとって
二人の子供を育てることは困難だけれど
できるだけたくさんのえ ....
建築現場の鉄骨が
空の重さに耐えている
昼下がり
子供たちがホースで虹をつくる
二階のベランダから身を乗り出す猫
視線の先には
鳥が羽を休めている
鉄骨が発する低い唸り声が
体 ....
ところであなたは
どちらにお住まいですか
と
たずねると
その人は、
ビー玉沿線ですよ。
とだけ言って
ころころ笑った
笑いながら
ころころすれ違って
ふり返ったときには
もう
....
絶望を語る人は
絶望を語る上において
楽しそうだ
恋の苦しみを語る人は
恋の苦しみを語る上において
楽しそうだ
国を憂うことを語る人は
国を憂うことを語る上において
楽しそうだ ....
豆腐の角に頭ぶつけて死ね
角の豆腐屋に頭ぶつけて死ね
豆腐屋の角に頭ぶつけて死ね
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