風が春だった

ロカ岬にたったような風の匂いがした

曇り空にはひかりと影の階段があった

幻視にちがいなかった

ショパンの別れの曲が聴こえてきた

幻聴にちがいなかった

 ....
生まれる前日の私は
今日の日のことを知っていた
今日に憂いて泣くことを
先に私は知っていた

愛を求めて痛むことも
求めぬ愛に泣くことも
先に私は知っていたのだ

父よ母よ
あなた ....
岬の塔に幽閉されていた

風の声を聴き

海の虚無を見つめ

雲やひかりの階段に

来世への憧れを昇らせていた


塔の内にある肉体が

世界を傍観していた

世界は私と ....
あどけない湿度

風ほどけてそぞろに

空では光や影がであっている

来世への階段を幻視する


遠い空に

春に

屹立せよ風

自殺に憧れるその鼻を

岬のむこう ....
「もう来んでいいよ」

祖父の入院している病院に行くと
よく祖父にそう言われた

本当にそう思っているのだろうか?

迷惑をかけていると思っていたのだろうが
こっちは会いたくて行っ ....
私の飼ってたハムスターを紹介します。


一代目 むぎ ♂
  と
二代目 めい ♀

二人とも
よくわたしのフードで寝てたかわいい子です。

めいの死は腫瘍が原因でした

あ ....
愛され方にコツがあることを
実はあんまり知られていない
自分の願う愛され方と違っていても嘆かないで

愛されるために笑顔でいることは
実はあんまり有効でない
つくり笑いをした後の顔の筋肉は ....
雪が枝からばさりと落ちる頃
山間部のお昼です
除雪車もとまって のどかな風景

年がら年中 年寄りばかりのこの村では
序列通りの決め事と
しわの多さで明日が決まる

子供たちは 真っ赤 ....
未来へつづく愛なんて

ぼくの旅路にはなかったんだ

人生や社会に

なんの影響も及ぼさないところで

ひとの心とあそんでいる

こどもって

どんな大人になりたいんだろう
 ....
きらきらと
お星様が
光っている

ねぇ
知ってる
流星に
お願いすると
必ず
願いが
かなうんだって

きょうは
何を
お願いしようか

流星に
私は
お願いをし ....
かわいそうって言われて複雑なのは
障害者の姉のことか自分のことか
よくはわからない視線にあうから

くすりと笑う姉の笑顔は
子犬がじゃれるようでかわいい

計算された親切の前で
こわば ....
だれの悲しみも
きっと癒せない
アルファベットは知ってはいても
心をうつ
その言葉の意味をわかって
この言葉は生まれないの

だれかのために
うたうことはない
そうだと 言ってしまっ ....
明け方だった
水色に流れていく川の 悪魔のような
ぼんやり流れていく様子に 眺めていた公園は
子供たちが遊んでいる 僕だったのかもしれない
滑り台が ぼんやりと立ちつくしている
少年にもいた ....
胸に手をおいたのは
あなたがひとりぼっちだったからです

手首をしばったのは
あなたの声がせつなかったからです

歯をかんだのは
ほねを愛する練習です

あなたと石を飲んだのは
ど ....
陥れようと
掘った穴に自分の足を喰われる

ゆかいな事件だが
後をたたない

のさばる犯人の名前は
憎しみ
醜い 顔をして
人を恨んでる

悪意は まるで麻薬
綺麗な心は なく ....
割れた指先に機械油が染みて痛いという
まるでヒトゴトにそれを聞く

吹き荒れる風は私の首筋を叩き
ごっとりと前のめりになる背中になる

ふと
目の前にあのひび割れた指先が現れた
びしゃ ....
小学生だったころ
私の学年には不思議な男の子がいた
その子は明るくて
よく自分から私に話しかけてきていた

でもときに
独りで教室に鍵をかけ
隅で座っていることがあった
また他のときに ....
夕日を見ながら

夕日を見つめている

ぎらついた川面に

純情を吐き出してしまいたくなる

実体とはどこにあるのだろう?


月みたいだ、とひとりごちる


月はかたちを ....
音が無いのならば創ればよかろうと
できた文字を束ねて音を組み立てた

私は音に勝つのだ

熱さえも生まれるほどの熱意をもって
ひびけ ひびけ 私の文字よ

りんと 鳴った ぐわわわわわ ....
月が大きく自己主張した夜
私の家出はまた延期される
わかっているのだもの
どこへもゆきたくはないと

見知らぬ男の両の足の間に置かれ
身動きとれない それが
子守だと知ったのは母の笑い話 ....
あなたは知らない

授業中 私の前に居るあなたをずっとみつめてることを

あなたは知らない

私があなたの行く先をずっと見守っていることを

あなたは知らない

私があなたに冷たく ....
梅の花がふくらんだよ
家族みんなでみにいった
あの梅の花が

山あり谷ありと いうほどでもない傾斜なのに
つえをついたおじいちゃんやおばあちゃんを
誘導する母や父には 救助隊みたいな緊張が ....
はさみで 心を切り裂いて
あなたに半分あげるから
あなたの 半心くれませんか

どうせ
半分以上 あなたでいっぱいな私の心
あなたの空白は私で
きっと埋まっていないから

見上げる夜 ....
知られちまった悲しみに

きょうもめぐみの降りかかる

知られちまった悲しみは

あしたの夕日も選べずに

きょうもこゆきの降りかかる


夕日の福音こだまする

めぐみの雲 ....
{引用=


どうしてか
どうしようもない青が
どうしようもなく在る

私とともに

あなたとともに




どうしてか
どうしようもない
どうしようもなく青

世 ....
流した涙の数だけ 強くなれるなんて

うそです
うそです

苦しんだ後は救われるなんて

うそです
うそです

努力で得られないものは
備わっていないものは

泣いても
泣 ....
『ちょっと、相談があるんですけど』
から始まった会話。

あなたにぺったりとくっついて尋ねた内容は


『どうしたら背が伸びるんですか?』


もっと深刻な話を予想していたあなたは
 ....
ランプの火は
その小さなところが
ちょうど
いい

消せない名前があることや
消えない国があることを
背中でそっと
照らして
くれる

それがもし
厳しさだとか
やさ ....
夜の冷たいベランダに出て、丸い月を眺
める。誰にも云えぬ悩みを白い吐息で呟
けば、胸底の容器に濁り積もった毒の塊
が、少しずつ、少しずつ、蒸発し、夜の
静寂に吸い込まれ、いくぶんか、胸の重
 ....
秋の暮れ

庭の林檎 あかあかと

はずかしそうに 色づいて

あなたへの 恋慕のきもち

みちみちて


美味しい美味しい秋の実ふたつ

どちらが先に落ちるでしょう
りょうさんのおすすめリスト(670)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さいごの慈しみ- 吉岡ペペ ...自由詩7*10-2-3
生誕前夜からの手紙- 朧月自由詩510-2-3
来世への階段- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-2
春に屹立せよ風- 吉岡ペペ ...自由詩710-2-2
昔のはなし- ありす自由詩510-2-2
わたしのペット- ありす自由詩310-2-2
愛され方のコツ- 朧月自由詩410-2-2
名水の谷- 朧月自由詩410-2-2
未来へつづく愛なんて_WOMEN_AT_THE_SAME- 吉岡ペペ ...自由詩7+10-2-2
流星- そよ風さ ...自由詩4*10-2-2
エンジェル・ステップ- 朧月自由詩4+10-2-1
天然果汁- 朧月自由詩410-2-1
ある日- 番田 自由詩210-1-31
雪がぜんぶを- 吉岡ペペ ...自由詩10+10-1-31
落とし穴- 朧月自由詩410-1-31
ひび割れ- 朧月自由詩710-1-31
不登校- ありす自由詩410-1-31
月のたとえ- 吉岡ペペ ...自由詩6+10-1-31
一線の音- 朧月自由詩410-1-30
自己主張の月- 朧月自由詩510-1-30
あなたは知らない- ありす自由詩6*10-1-29
梅花観賞- 朧月自由詩610-1-29
半心- 朧月自由詩310-1-29
理由- 吉岡ペペ ...自由詩2*10-1-29
「青」_—_ツナ氏へ_—- まどろむ ...自由詩1+*10-1-29
ごはんつぶののり- 朧月自由詩510-1-28
30cmとちょっと- 空都自由詩7*10-1-28
ランプ- 千波 一 ...自由詩4*10-1-28
お月見の夜_- 服部 剛自由詩9*10-1-27
秋の果実- くろきた自由詩510-1-27

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