薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る

遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる

振り返ると 朱色の実が いく粒か
 ....
こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
 ....
鳴りものに そそがれる蜜
削がれる 鉢植えの暗闇

黒い雪崩に つかまる鳥の爪
横切る 銀色ワイヤー

透ける板 はずさないで
みたくないなら みないで
柔らかな緑の草で
指を切ったら毒
血に書いて 流れた塊
草の水脈を焼く

告白すべき晴れ渡った青空の下
汗に隠れた熱の音

茂る 土の影
崩れる 白い月
水晶の心臓をもつあのこの
心音は途切れずに
星雲で脈打っている。まなざしは
林の陰のように微笑んだまま
朝食をいただいている
鉄塔の影はのび
山際の空が紫にいろづく
せせらぎを
さかの ....
もしも車を降りて歩いた道になつかしさがあるなら
初めての土地だというのに二度と行かないというのに
どこまでもありふれた水田の続く田舎道を
よそ者が歩くのは珍しく少し勇気がいったけれど
私は覚え ....
小さな蛇のミイラも大雨で流されて
ほっとしていた
蟻に狩られた子蛇
もしかしたら毒蛇の子で
しっぽしか食べられなかったのかもしれない
食べた蟻は死んだのかもしれない
助けを呼ぶように身をく ....
ソーラーパワーを貯める小さな容器
一日中 陽射しの下に置くと
透明な中に太陽が集められて
暗がりに光る

夕間暮れの四隅にそれぞれ置くと
太陽の神殿のようで
くたびれた靴下の足跡も
遺 ....
きづく
星と椅子とで
いつか生きた証をとおもっていたひと

息吹く緑に
ひかりと風がふりそそぐ

問いはない
おだやかな招きがまぶたをおさえる

五月
まばゆい魂の軌跡にうなされ ....
強い効き目の薬を飲んで
回復しつつある風邪の喉
朝 一息つくように裏の戸を開けると
いやでも見ざるおえない
蟻が捕獲した蛇のミイラ
しっぽは食べて まだ間に合っているのか
あれから一週間に ....
システムは やってきた夜に触れない
尾がトンネルの中で 木琴を鳴かす

むしりとられた電源が隠れた警報
草から顔をだせない風

静かな飾り物につらく当たる
すった靴の奥
まみれた火 離 ....
ナギと呼んで空に心をのばす
心は手になり私になり
ナギに届くと思うのだ

思うのだと思うほど信じてはいない
チチチ と鳴きながら近くを飛ぶのは
警戒の意味もあるのだと
私は警戒にあたいす ....
チチチ と絡まった溝を鈴音のように舞う
開く両手に飛び込む事はないと
幾重に承知しても 
投げ出さずにいられない

おはよう どこですか

電線に 立ち止まる 空
小雪は宙にちらちらと
ほほにとけてゆきます
そらはあんなにふかくって
こんなにあつくふっている
さっきまでここにあったのに
出あった瞬間どこへやら
おそらく、これは

みるのも こころ ....
冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない



やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる



ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....
朝起きて 台所のブラインドを開けると
猫が 物陰に隠れて
つたの絡まる切られた木の上の方を見ている
そこには ヒキナギのつがいが
巣をはぐくんでいるのだ
が いつもはもう チチチとさえずるの ....
風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて

根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく

風は海から共に
重ならないから指をのばし
 ....
虫の音を
聴く
深い夜へ
星が瞬いているのも知らず
あのひとは
ねむっているのか
荒野が明けることは なく
しわぶく空よ ここに直れ。

わたしは 暗闇に透ける
深淵のねむる火
 ....
 ここのところ、詩をやることに少し疲れている。詩を書くことに、ではない。詩をやることにだ。詩を書くだけなら、いつでもそういう気持ちになることは出来る(もっとも、僕の場合は気分屋で、おまけに面倒臭がりの .... マジャン と聞こえたので
えっという顔になった私に
中国人の友人は ジェスチャーをしつつ
マジャン と言う

なんとなくそのしぐさから
ああ マージャンね というと
日本では マージャン ....
かえろうよ
そう言って風は積雪の氷をはがし
小さな白い頬を撫でた

一瓶の底に這う旅
握りしめる緑の葉づれ
きこえて 忘れて

かえれないよ
そう言って風は積雪の氷を埋めて
小さな ....
本を閉じるように雲を抱え
糸くずのついた縫いぐるみに
兄弟の名を教える

のぞきこまれた気がして
草のつぶやきに
片言で行くと答え
噛み付くように
草をむしり切り捨てた

 ....
暗闇と心を分け合い
なぞられる無き言葉

茎の黄緑が集めた光
ガラスの氷と溶ける

土に立つ木漏れ日の中
鉢に割られた時と鳴る
くずりのけたわだちは
ひわたののどにねむる

ゆするとなのはなめに
もたれたこくげんのよ

つづらめざめしらかげ
あがないくうからきる
こうこうと燃えている白い道に
飲んでたむける傾きの宵戸口
ねかせておいた木漏れ日 影の上
指に重なり ぽつん すさませない

ひめくりにつられてつぎたし
のどもとにつきつけついばみ
よそ ....
いつからがいつまででいつもなの
普通に生き物が生きている時間
隣人はそろりとひそみ
悲しくなどないないと  
はじけてしまう

つるりと 空が転んだ
雪と雪と雪 こんにちは
暖かくなったら簡単に
咲いてしまうから花は
ぴたりと閉じた夜
冷気に凍れもしないで
焼けて朽ちるよ

ともし火は枠のほこりに
つもりまみれて居残らない
 年老いた扉をゆっくり開けて
 ようやく飛び出せる

有酸素運動をしよう
小さな目標を掲げたわたしはアパートの階段を駆け降りて
よく知った町を
道を 歩き出していく

 音楽やヘッドフォンいらず
  ....
 ひとすじ、の 細道を辿る

わたしの集大成が惜しくも
失恋をしてしまったようで
ドミノ式に崩れ去っていく


 ほのずっぱい雨
 これは天気予報のいじわる
 わたしの真っ赤な靴 ....
にょろにょろは横になる
どうして立っていないの
小さなおててで持ち上げちゃったら
にょっ
雪のしっぽは切れちゃいました
あらら ねえねえ
横になっててもいいんじゃないの
恐竜のしっぽって ....
木立 悟さんのおすすめリスト(569)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朱色の記憶_落下- 砂木自由詩8+*10-10-20
目撃したもの_光- 砂木散文(批評 ...8+*10-9-23
銀の爪- 砂木自由詩8+*10-9-14
影白- 砂木自由詩5*10-9-4
一瞬の影- こしごえ自由詩5*10-9-1
空の端- 砂木自由詩7*10-8-13
狩る_トンボ- 砂木自由詩5*10-7-30
リトル_月- 砂木自由詩4*10-7-29
いつかの一葉- 乾 加津 ...自由詩7*10-7-29
狩る__時雨- 砂木自由詩2*10-7-18
紅尾- 砂木自由詩2*10-7-6
ヒキナギへ- 砂木自由詩13*10-6-19
ヒキナギ- 砂木自由詩5*10-6-10
みえないわたし- こしごえ自由詩5*10-6-1
さみしさで貧血- ふるる短歌26*10-5-21
ヒキナギの子- 砂木自由詩5*10-5-20
葉水- 砂木自由詩7*10-5-1
日没- こしごえ自由詩2*10-4-15
詩をたたきのめす- 岡部淳太 ...散文(批評 ...7+10-4-12
赤い言葉- 砂木自由詩6*10-4-4
春風- 砂木自由詩6*10-3-29
空を折るには指がたりない- 砂木自由詩4*10-3-27
つづり- 砂木自由詩3*10-3-13
吹雪- 砂木自由詩4*10-2-20
白いリズム- 砂木自由詩8*10-2-14
天夜- 砂木自由詩6+*10-2-5
破られた季節- 砂木自由詩5*10-2-1
散歩道とわたしと白線- 窓枠携帯写真+ ...4*10-1-27
泣きっ面のロメロ- 窓枠自由詩7*10-1-25
雪のしっぽ- 砂木自由詩6*10-1-3

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