葉水
砂木

風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて

根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく

風は海から共に
重ならないから指をのばし
触れないから傷つかないから

凍った雪が体になっていく
下り 私も爪になる

なにも育てることはできない
雪の水

土の奥にだけ
行方を願う

凍りがぬるんだら
陽に渡る


自由詩 葉水 Copyright 砂木 2010-05-01 07:14:57
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