わたしの中を
夜の明ける方へと飛ぶ
一羽の鳥がいる
同じころ
一羽の鳥の中を
どこまでも墜落する
わたしがいるのだ
その日最初の列車が
古い踏切を通過していく
建物の窓はひとつ
ま ....
自分が他人よりも
不幸だと思うのは
他人も自分のことを
そう思っている

他人が自分よりも
幸福だと思うのは
他人も自分のことを
そう思っている

不幸も幸福も
他人が決めるもの ....
恋人が去ったあとのベッドからはいつも決まって炭酸水の匂いがする
苛立ちが砂に変わるほどの長い時間の果てに届いた一通の絵葉書には
硬質で乾燥した陽光の真下で笑う彼女の影だけが黒く縁取られていた
何 ....
買った記憶もないのに
本棚に入っている本というものがある

まるで私の目を盗んで狡猾に忍び込んできた
小動物か何かのようだ
そしてそれは
小動物となることで
本としての役割を ....
彼女は
掃除機と
手を組んだ ようだ
横たわる 私の周りを
ぐるぐる
ぐるぐる
包囲した
つもりらしい

しかし
一言だけ
掃除機で
私のことは
吸えや しないぞ
薄暗い中で
何かをじっと眺めているその目が
あたしで埋まってしまうなんて
そんなことはないとわかっている

夜が明けてしまったな、と
なんでもないふうに言ってしまうから
あたしはその ....
秋が風になびく
僕らはぼんやりと空を見上げながら
くっきりと今を抱いている

君の話す言葉が
木々の合間に踊り
遠い獣が夕暮れを呼びはじめる

生温いカフェオレの缶
高い枝の上で大き ....
あおぞらが
おしえてくれた
あおじろい
あんたのうた
無声音でうたう
あんたのうた
ナイフはひびわれて
ナイフは鈍くなって
とびっきりで
ひとりきりの
うた
ここは
あかるい真 ....
すり切れた半纏の
紅い襟が
小刻みに揺れる

うずくまった
女の子どもは
電気を消した台所で
嗚咽を噛み殺す
母の背中に似ている
クンニの後にキスしたがる男はちょっとうっとうしいと思うの。
なのにフェラの後にキスしたがらない男は卑怯だと思わない?。




無理矢理のキス。
ねぇ。
 ....
受験を控えた少女が
堪えきれずに道端で
脱皮を始めた

その横をダックス・フントが通る
かれは短足を気にして
朝夕ぶら下がり健康器を
使っているのだけど
伸びてゆくのはもちろん
足じ ....
酒に足を取られながら
君と手を繋いで
唄って
雨の匂い
とか言って
笑って

そういえばさっき
笑った顔が
可愛いな
なんて言えないし
言わないんだけど

雨の匂いなんて
 ....
ピースチーズフォンデュ


おまえがやっとそれ無しで寝れるようになった
おまえのお気に入りのタオルケットは
おまえのアルバムと一緒に
大事にしまっておきます



おまえは
僕の ....
バスの発車する音が聞こえた
15時02分
西日に染まる時間
カーテンにくるまって見送っていた 
ビルの向こう

机の上に広がった書類
領収書も
重要なメモも
紛れ込ませている
そう ....
空の青さが遠くなる
秋の朝
それは同時に
山の芸術が近くなる

空の光が白くなる
秋の昼
それは同時に
山の葉が輝く

空の光が赤くなる
秋の夕暮れ
それは同時に
山が休むあ ....
早朝に
誰もいない公園で
一人タバコを吸う
涙が出た

ブランコに乗り
高くこぐ
猫がいる
水飲み場

鐘の音
朝霧
空気がやけに冷たい
大木に抱きつく
砂糖黍畑を走るおさな子はいつかのわたし汗まで甘い




エメラルドグリーンは父がちゅら海を恋うる口ぐせ目じり細めて




「白百合は雑草だった」と言う父の故郷奄美は千キロ先に
 ....
きみのとなりを歩くとき
ぼくはガイコツになりたいのです
骨だらけの傘をさしかけて
あばらに雨が透ける
きみのふくよかなみみたぶに
ちらっと目をやれば
ぼくの目はがらんどうだから
ああなに ....
まもなく世界が終わります。
まだ手続きのお済みでない方は
2階の受付カウンターへお急ぎください。
現在の世界への名残惜しさが捨てきれない場合は
3階のメモリールームで
一部を一時的に預からせ ....
月を落せると信じていたから、いつか触れようと誓い合う。


ゆっくりと近づいてくる景色を、
遠ざけようと、するために眠る。
いつからか儀式となった風景を、懐かしいと君が言った。
首をかしげ ....
くぐり抜けていく
いつも裸足だ
闇のそばでは

どうして自分だけは
かわらなくていい、などと
つぶやいていたのだろう

   ああ、それはちがうよ
   タングステン
   熱で溶 ....

私が学校に向かおうとする時
私と同じような誰かが

学校から帰ってくる
一人ぼっちで泣いている
仲良しの友達と遊んでいる
口げんかしている
夕ご飯を食べてテレビを観ている
飢えに ....
わたしはくま
バニーにも
子猫にもなれなかった
ちょっと可愛くない女の子
だって言われても
好きなのは甘いハチミツ
大きな森の小さな家で
あなたと暮らす夢を見る
わたしはくま
バニー ....
コルクにあわせた
瓶などないのに

飲み ほしたら
捨て去られるだけなのに

杖のように立って
流れていかないように

静かに仕事をしている

歌われないことなど
気にもしない ....
猫の眼を通って
新しい時空を覗き見る
混沌と静寂のメゾピアノ
僕の着地点が
其処に、在った


色々、ありました

とてつもなく
大きな罪を犯しました
あるいは
一番星みたく
 ....
ある日

少年の中に
戦争が充満する

少年の中に
潮騒が充満する

少年の中に
愛情が充満する

少年の中に
故郷が充満する


ある日

少年の中に
憎悪が充満 ....
夢に月が現れて

どうしてあの山荘に

月見に来なかったか

と咎められた

バイトだよ 

欲しいゲームソフトがあったのでね

そうやっておまえは

取り残されていくんだ ....
1.

9月
冷えた朝がきた

2.

電車を通り抜けるような
風は吹かない

3.

書ききれない言葉や
伝えられない言葉が
指の間から
夢をみせる

4.

 ....
日々の風景が
柔らかい布で
硝子の小鉢を撫でている

堆積する繁華街の雑音と
踏み付けられたスニーカーの踵と
人知れず花びらを千切る風

この窓の外側では
幼い子供の笑い声と家族の灯 ....
夕暮れの放課後
自転車をこいで 風と
堤防の道 駆けた
もう忘れかけた 甘酸っぱい思い出

堤防を溢れんばかりの
青春という奔流は
あの頃
何人の少年を大人にして

架かる橋の上か ....
青山スイさんのおすすめリスト(763)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜明け- たもつ自由詩2906-11-5
生きているという証- ぽえむ君自由詩7*06-11-5
L'eau_Gazeuse- Utakata自由詩206-11-5
忘れられた本- 葉leaf自由詩17*06-11-5
生平- FUBAR自由詩7*06-11-5
秋の夜は短い- 田島オス ...自由詩2*06-11-5
- 松本 涼自由詩6+*06-11-5
電車の中は静かです- 青色銀河 ...未詩・独白1006-11-4
紅い記憶- 自由詩206-11-4
「_っくす、しましょ。_」- PULL.短歌10*06-11-4
或る平和の情景- 吉田ぐん ...自由詩1006-11-4
宵町明かりは月明り- プル式自由詩4*06-11-4
くそったれカメラ- 自由詩14+*06-11-4
香水- ku-mi自由詩8*06-11-4
空の青さが遠くなる- ぽえむ君自由詩15*06-11-4
冬の公園- ペポパン ...自由詩7*06-11-4
父と奄美と追憶と- まほし短歌18*06-11-4
骸骨になりたい- しゃしゃ ...自由詩1306-11-4
終末アナウンス- ブルース ...自由詩5*06-11-4
空が悲しくなると僕らはいつも- 霜天自由詩1006-11-4
でたらめな星の水族館- たりぽん ...自由詩17*06-11-4
すべて今だから- ぽえむ君自由詩8*06-11-3
わたしはくま- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-11-3
コルク- 砂木自由詩14*06-11-3
終着点は、未だ遠く- 士狼(銀)自由詩7*06-11-3
少年—原点- 輪橋 秀 ...自由詩21*06-11-3
月が出た_夢に出た- 杉菜 晃自由詩10+*06-11-3
風は吹かない- 佐藤伊織自由詩4*06-11-3
琉球硝子- はらだま ...自由詩12*06-11-3
54、堤防_【ていぼう】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-11-3

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