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あれはたしか小学生のころ
ちいさな花をいじめたことがあった
冬がカサリと音を立てはじめたある日
お母さんがお庭でいっしょうけんめい
そだてた花を
「しゃんとしなよ」
「 ....
放課後の淡い窓から金管の音よ羽ばたけ青のたかみへ
とおせんぼされてる明日に手を伸ばすように螺旋階段のぼる
コピー機が光をシャッフルする影でちがう切札のぞむ我がまま
....
今日より、明日、明後日
舟が古びようと
櫂で水しぶきを描かずにいられない
来週より、来月、来年
からだの影が深まろうと
羅針盤の先を指差さずにいられない
蜃気楼を揺らして
永遠に届かない ....
その歌のはじまりとおわりを
わたしは知らない
空を見上げたとき
耳元で起きた風が
どこから来て どこへ行くのか
わからないまま
歩き出してしまったように
そ ....
砂糖黍畑を走るおさな子はいつかのわたし汗まで甘い
エメラルドグリーンは父がちゅら海を恋うる口ぐせ目じり細めて
「白百合は雑草だった」と言う父の故郷奄美は千キロ先に
....
<あきらめ>の四文字にアキとメと見つけ秋に芽生える草木を想う
片翼では飛べない空よすすき野は背中の地平線に波打つ
君の手に止まるとんぼを接写する今この時よ{ルビ ....