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鏡に映るおまえの顔
おまえは自分と気付かずに
あまりの醜さに
直視出来ず顔を背ける
鏡の中にいる醜い自分を
作り出したのはおまえの心
記憶もないのだろう
おまえが昨日
....
きづく
星と椅子とで
いつか生きた証をとおもっていたひと
息吹く緑に
ひかりと風がふりそそぐ
問いはない
おだやかな招きがまぶたをおさえる
五月
まばゆい魂の軌跡にうなされ ....
飛べない鳥、飛びたい兎
もう何度目の空だろう 僕は急に飛べなくなって
長い間ここで空を見上げていた
もう何度目の涙だろう 空を飛ぶのが鳥ならば
今の僕はどんな名前なんだろう
....
卒論はハナモグラ語
ハナモグラ語における
平均異なり語数について
修論は異言について
非習得言語に対する人間の場面依存的翻訳能力
霊媒は何語で喋ったかということ
もちろんどちらの論 ....
楽しげな手応えを 夕暮れは手のひらで掴もうとしている
確かな 部屋一面の 公園が
たったひとりの 自分でもない 雷鳴の中
鋭いアパートの極彩色が聞こえている
テレビをつけると 亀 ....
{引用=
6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
....
ピンク色の
ケセランパサラン
ネムが水辺で揺れている
水は水だけで流れているときには黙っている
石があるからつまづいて
さらさらとせせらぐ
ぶつぶつ文句でも言ってるんだろうか
テ ....
イワシの頭も詩心から
短歌のあまたも新人から
どうか言葉を迷わせず
普通に歌ってやってくれ
善人なおもて往生す
いわんやましてや歌人をや
いざ花籠にネタを入れ
漏らさじとこれ ....
だいたい自分は恰好つけるのが嫌いだ
恰好つけない恰好のつけかたがしたいのだ
結局のところ恰好つけたいのだが
場所が畑なら恰好つかないだろうということで
....
山盛りの洗い物だって
洗ってしまえばこっちのもんさ
山盛りの皿洗いながら
こんなこと考える
山盛りの洗い物に勝利 ....
100726
軽々と海を渡るからカルガモ
海を渡れないのがアヒル
ケリを入れるのは昼
中学生のくせに
朝から飲んだくれているのがグレ
一緒に酒を ....
本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる
本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
空 でした。
佇む大木の
年輪に住む
わたしたち
黄色いチョークを飲み込んだ
溶けて行く音がわたしに煙を吐かせ
喉の痛みを
嗚咽させる。
それでもわたしは女でしたから
年輪に ....
昔には流れ星のことを
天つ狐といいました
空のマッチ
狐尾が灯す狐火
天つ狸といったら何でしょうか
ぼわわんと
化けたら化けたで
一晩中そこにかかっているだけの彗星?
一晩限り ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない
椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
ああ あなたは山に
いなくなる だから私だけは眺める
ああ 私だけは 色を
私なのであろう 港で
ああ あなたとなって 見つめる
歩いていく
純白の山を
消滅した 影として眺め ....
石の詩を書きたい
原石などではなく
その辺のただの石っころりんの
ひん岩とか、けつ岩とか、あんざん岩とか
まずその名前
貧血とか安産みたいだよね
それから
掘らなくても川原に転がって ....
のっぴきならないのっぴ―のような
蛙の声が雨音にまぎれるような
御飯、パン、御飯、パンのような
星空がスイッチのない電灯のような
ゴミの日のカラスの合 ....
立ちションしてたら
虹がでた
手のひらで
掴もうとした
おしっこが終わるまで
何度も何度も
隣の姉さんが
バス停を降りるのが見えた
高校生になっていた
おしっ ....
みえるもの
触れるもの
ゆれるもの
遺された体温が、シーツの
皺にまぎれ
薄くひかっていた
指で掬って、軽く混ぜて
水の匂いのような
ものと遊びながら
何 ....
眠らないバスにのった
眠れないぼくは
あの野性化した雲といっしょに
あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう
写真でみただけの
マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
どうしたらいいのか わからなくなったときは 川の水を飲もう
全部飲んでしまえ
飲みきれない切なさ
常に飲んでいる
常にごっくん
喉は いったんもめんのように揺れている
川が喉に ....
何にもない手の
何ですらもない 路地で
ひとり 奏でる
つぶやきの中を 立ちつくす
緑色の 芝生の上に
楽器をなくした
誰かに 届くであろう
声を 私は持っている
何にもない手 ....
私の希望を思う言葉に知る
ひどくつぶやきに思わされながら
思う 私は 思いを
寂しげな憂鬱に浸っている
何もしない
そして 何もしないままである
私は遊ぶことなどなくいつも 音楽 ....
夕涼みに
かげふみをする
耳元に低く
音楽が流れていく
横切ってゆく鳥は
背中から胸への
青い輝石
角
のことだけを秘密にして
七時に
会いたい、かげふみの背中
を
めくる鬼
....
{引用= ︱大切なものをなくした日は
見るものすべて新しい}
いち日の折り返しを前に
いつまでも夢みたように在る
うん、そ ....
貴方を探して参ります。
どうか
私を探さないで下さい。
ゾウリムシを草履虫と書かれると
私のゾウリムシなのかどうかわからなくなる
私の知っているゾウリムシは
パラメシウムなゾウリムシ
繊毛で闊達な単細胞たち
サプリメントの広告を見たときに ....
ずっと知っている
甘酸っぱい腐葉土に降り立てば
ほら、夏に焼け焦げた体の
もうすぐそこへ含まれてゆく予感
夏はひとつの心臓として脈打っていた
どくどく、樹液の行き渡ってゆく空気へ ....
 
 
大家族から核家族へ
核家族から核個人へ
人は自由を求めて
分裂を繰り返してきた
原爆のように
大きなものを
小さな核が分裂して壊し
残ったのがこの街だ
....
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