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夕涼みに
かげふみをする
耳元に低く
音楽が流れていく
横切ってゆく鳥は
背中から胸への
青い輝石
角
のことだけを秘密にして
七時に
会いたい、かげふみの背中
を
めくる鬼
....
切り落とされた枝が芽吹いて
いびつに折れた朝の出来事
春まだ浅い日の寝ぼけまなこは
過ぎたことを知らずにいる
幸せな枝に降る雨は優しい
見知った顔をした人達のように
安らぎで包む穏やか ....
三階階段の縁から身を乗り出して
手を振るのは逆光の天窓を遮る影なのです
その振り子運動の往復に眼球が催眠される瞬間
私は階段の縁に手も掛けず三階下を覗き込み
爪先も触れぬ一個の天秤の両端で ....