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最後だから笑った
夏の日のあなた
帽子をとって
強すぎる陽差しと
埃を纏う風を浴びて
長い髪をそっと押さえ
頬をそめて笑った
誰よりも ....
詩は韻かと訊かれれば
韻はラップで充分だと思うし
....
※しゃっくりする男の隣で聞いてる音楽
※詩の作法でなににもまして音楽だと説いたベルレーヌ
言葉は旋律にのって
意味の無い音楽ほど
美しいなどと
仲間内で褒め合っている。
....
雨のあとの木々が
手首をいっぱいぶらさげている
{引用=きみはしらないかもしれないけれど、
側面
と、
側面
と、
裏側
と、
側面
と、
側面
と、
断片
と、
内側
と、
側面
と、
側面
....
石がひとつ
広くもない池の真ん中に投げられた
その落下点を中心に水の輪が
ひとつまたひとつと
同心円となって広がっていく
きみのこころの池に
石を投げ込んだのはぼくだった
そのぼ ....
わたしはごみです
わたしにはひつようないから
ごみです
わたしはごみです
だれか
わたしをひつようとして
いみをください
かなわないなら
はやくかいしゅうして
....
車庫へ還らぬバスは
停留所にも停まらない
ただ辻々で
わずかな客を乗せて行く
代金は要らない
誰もが代償を払っているから
今日は五人だけ乗っている
眼鏡を失くした男と
手紙を置いて ....
俺にはわからなかった
詩を 書くと言うことが 俺には
自然なリズムなので不確かだった気がする
自然なリズムで 書いた 詩であることが
うまれると
もれなくしが
やくそくされる
しはなんだろう
うまれるとは
いきるとは
なんだろう
わたしはいま
はるをまっている
りゆうもなく
まっている
....
最近は随分と落ち着いた静かな気分で詩を書けるようになって
それはなにも結婚をしたとか宝くじが当たったとか脊 ....
よく晴れた夏の日の朝、私は海岸沿いを走る電車のシート
に座っていた。ふいに砂浜のぬるい風が窓から吹き込んでく
ると、私が飲み干したペットボトルの中に、しゅるしゅると
渦を巻きながら吸い込ま ....
正午ぐらいに
この公園の上空に
赤い飛行機がやってきて
幾つかの小石を落としてゆくのを
その妊婦はじっと待っている
背板にコカコーラのロゴが
描かれたベ ....
私は苺を潰して食べるのを無上の喜びとする女です。完全に潰すのではありません。
いうなれば半殺しです。苺を半殺しにするのです。
半殺し、などと、物騒な言葉を知ったのは、お彼岸の時だと記憶してお ....
自動ピアノは
ひとの手がなくても
自分で鳴れる
黒曜の黒鍵
白亜の白鍵
八十八音の音の鍵
自動ピアノは
ひとの手がなくても鳴れるけれど
弾かれたことがあるので
ひとの手を覚え ....
言葉はいつも確かだった
何もないということが
私には
雲が空を超えていく時
時が空間の中をさまよう
夜の
途絶えることのない迷いの中で
どこにいくのだろう
耳が動いて
ふゆの知らせ
どこもかしこも
なんの匂いもない
白い犬並んで
黒い犬と並んで
でかけながら
遠ざかる 町
みどりの橋のほうで
あるく人はどこへ
しるしを付けて
....
永い夜の後に
束の間の朝が来て
君はシャワーを浴びている
水の弾けるその音だけを僕は
窓辺に立って、じっと聞いている
冬の朝陽に目を細め
少 ....
左目からなみだがとまらない
そして胸が痛い
右目だけが自由に生きていた
すべてこの身で感じている
このくらいが丁度いいんだ
追憶の道筋は
源から発する
り ....
現代を生きる平凡な私達には無言で了解していることがある。
空は青空がいいとか
平日と休日がある。スケジュールがうまっている。だから君に認められる。
「幾多の歴史がつもりつもって、その先っ ....
ちょっと悲しいから
悲しみ飲みました
一杯やるかって
そんな気分でした
みんなとかぜんぶとかそういう
言葉をぶちまけて
ぐちゃぐちゃにかきまぜたら
いろんな色になりました
はじ ....
精神病院で夜勤の朝
朝の体操で
体育館に移動した
体調の良い患者30人ほどが
開放病棟から体育館に移動し
めいめいが
散歩したり
ボール投げしたり
軽い運動をする
病棟に帰ってき ....
愛ってなんですか
たとえばそれで おなかは満たされますか
今月分の家賃が払えますか
愛ってなんですか
たとえばそれは ふかふか毛布よりもあたたかいですか
疲れた体を癒してくれ ....
目を瞑っても嫌な事はそこに在る
目を瞑っても轟音からは逃れられぬように
耳を塞いでも恐ろしい事は起こっている
耳を塞いでも嗅覚は異臭をとらえるように
鼻をつまんでも根本事由はごまかせない
鼻 ....
じゅうじか?
ううん
かざぐるま?
ううん
なにかのかざり?
ううん
なに?
しゅりけん
チラシを細く丸めた棒を二つ
十字形に組み合わせて
セロテープでぐるぐる巻いてあ ....
濡れたスリッパをベランダに干しておいたら
一匹のアシナガバチがとまっていた。
花の蜜を吸うように
命の水を飲み干すように
へばりついていた。
瞬時に、夏の大発生を思い出し、
子ども ....
橋の下の叢に
ひっそりと落ちていた
真珠色の受話器と
捩れてしまった一本のコード
その先は川に入っていて
その更に先は
わからない
暮れ時、水面に ....
XXは シュールと見せかけて
XXは 実はリアリストである
XXは 計算なしで泣くと想わせながら
XXは 正確な解答を知る数学者である
XXは 傷ついたのよと訴えながら
XXは 舌を ....
今日もオンリーワンマンで宅呑みしていたら
ドラゴンのアッシュじゃない方の頭が良い方のケンジの事を不意に思い出して
....
必死になって 一瞬でもいい、小説になりそうな時間を繰り広げて
必死になって 一瞬でもいい、花火になりそうな時間を打ち上げて
必死になって 一瞬でもいい、映画になりそうな時間を映しとって
....
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