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アリスはそこへ乱暴に投げだされ
黒い瞳に大粒の涙をためた
やがて朽ちてゆく散らされた意味の
灼熱に乾いたサハラカラーの砂漠の丘に
一面、蒼く鮮やかに咲く魔の花の
雑音交じりの夢へといざなう、 ....
100705
明日のことは
明日に
昨日のことは
昨日で
今日のことは今日に
当たり前のことを言われてその気になった叔父さん
テレビが映らないのは ....
走る
誰もいない場所へ
逃げている
罪悪感から
そんな時
あなたを伐るだろう
あの樹のように
あなたを伐るだろう
あの樹みたいに
こっそりもいだ
そうまでしていきたいのかな ....
その手に触れたら
現実がずれた
街に潜らないと独りになれない
名前と顔のないものが適当数、ほら
いま地に足が着いている
そろそろ去っていきそうな虚像
昨日のひと ....
真夜中目が覚めると
隣にいるあなたがいない
どうしたのかしら
そう思って階段を下りていくと
リビングから弱々しい明かり
覗いてみると
テーブルの上に水割り
そして
暗い表情のあ ....
わたしにはみずこがいる
それにいつからか名前までつけている
ときどきゆめにそのこがあらわれる
ベランダでげんきよくはねてあそんでいる
あぶないからと注意しても
わたしをなめているのだろう
....
交差点に来た
私を中心に
たくさんの人が行き交う
たくさんの人が
入れ替わり 立ち替わり
私に笑顔を向けてくれる
私もそれに応える
(誰も 私の
本当の顔は 知らない)
....
印欧祖語は滅亡済みです
子々孫々のそれはこれからですが
船という言葉を持ち
どこか大きな湖か川か
とにかく海ではない水のほとりから
雪という言葉を持ち
白いものが舞う中を、覆う大地 ....
真っ白な壁にくるまれて
身じろぎ一つしない 彼女の
静かな寝息が こんこんと響く
そこは いつも
扉に囲まれていた
円い扉、四角い扉、
ぶ厚い扉、簡素 ....
今腕とかなくなったらこまる
目が見えなくなったらこまるよ
足がなくなったらこまるよ
風邪ひいたよ
このまましんじゃうかも
そういえばろくなもの食べてないよ
朝は食パンもしくは食べない
昼 ....
雨が光になるときに
置いてゆく穂は十の色
水銀の譜の散る窓に
まぼろしのかたちが来ては去る
爆ぜては透る
限り ....
だだっ広い雨上がりの空に
僕にはない言葉がさ迷う
地上の、揺れの、草の、言葉
湿気、温度、雲の距離
僕の言葉は枯渇して
君の言葉を吸い上げる
地球、亀、象、
天文学的な、 ....
泣きたいから泣く
を繰り返していた私に
届いた 一通の手紙
そう あなたからの手紙
私の細く縮んだ目は
ひらいて
手紙をみて想う
ああ やっとあなただと
あけられない とおもう ....
私は 無だ
貝殻の絵に
甘い体を 遠のく 人に
視覚の岩肌に 凍てつく 心は
地面の 花畑に
未来を味わった
地面の 花畑に
未来を味わった 私は
私の消された 世界へと 流 ....
懐かしさがほしい
喉から手がでるほどに
だが賛同は得られず
君はしなやかに回る
....
落ちてくる、
展開されるいくつもにさよなら
穿たれる風景にひとかけらの曇り 風花
散ってはまたくゆらされるのでしょう
ティーヴィーで嘆く人の流れに
真っ逆様に落ちてくる鳥の影が
....
話せば判る
夫婦喧嘩した際、父が母に言い放ったような
パパとママ、どちらが好きなの
そんな母の発した答えようもない問いかけに弟と私
布団のなか、ひたすら息を潜めるばかりで
話せば ....
「疼き」
わたしは女吸血鬼
逞しくばしっと叩くような男が好き
やるかやられるか
そのスリルがわたしを余計興奮させるのよ
でもね最近
草食系とか言って
わたしを見ただけ ....
感想屋さん、始めました。
感想屋さん、始めましょうか。
冷やし中華じゃなくて
ほんの少しの感想でいいなら。
ほんの少しの愛でなくてもいいなら。
ごめんなさい、
よくわかりませんでし ....
{引用=
またいつもの
自転車にのって
ぼくがむかっていた
先とは
どこだろう
でも
いまは
どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
はたして
ど ....
わたしは男の帰りを待つ
待つ時間こそわたしを
存在させる
つまり待つことによってわたしは
男への愛情を確認している
しかしそのことを誰にも悟られたくない
そのため日常の動作は速く
人の ....
ひとは胸に
一枚の白い紙をもって
生まれてくる
やがてそこには
おとなになったらなりたい
夢が書かれ、
送辞や答辞の書かれる
春もあるだろう
結局出せなかった
ラブレター ....
汐が濃く匂ってくる。
目にも暗雲が立ち籠めてくる。
簡単に言えばすむものを
見破られまいとして
一刻の猶予を走り抜ける。
仕事とは、自分の心身をきたえるジム。
仕事とは、世界を知る小さな社会。
仕事とは、社会の仕組みを身につけ実践する学校。
仕事とは、仲間と創り上げる秘密基地。
仕事とは、どれだけ ....
7日に蛭木の浜に下りていき
ヨガをする。
足の爪先から、踵まで、ゆくりと着地する。
干潮を合図に背中を反らせ、アーチを模る。
オヒルギとメヒルギが
音をひらいて絡み合い
嘆いて赤土を溶 ....
青
車は停まり
人は進む
車は停まって
足は歩いて
手はそよいで
目は泳いで
思考は羽根をつける
時計を読み流して
ショーウィンドーを見過ごして
雑踏の中で溺れかけ ....
月の晩には誰も知らない小さな島が
沖の静かな呟きの上に姿を現わす
まるで忘れ去られた溺死の骸が
呼ばれて浮上したように
月の晩には紅い魚が青いヒレで
黒曜石の水をかき回す
眠る白砂が舞 ....
うつくしい季節です
赤い花は風に千々に、
報われないとか
叶わないとか
そんな怨み言とはかかわりなく
身を任せてゆきます
昼下がり、ぼくは自ずから
人並みに戦々
立ち向 ....
何もない日々の
洞窟に生きる 夜を
何でもなくなって 疲れて 消えた
私の 幸せな私として
誰かの頭に 叫んでいる
私に何も思わない 私は
幸せに満ちた公園で
鳥となり 走り抜け ....
プラットフォームだった
わたしの手のひらに
砂だんご、
波にくずれて
なにも告げず抜けだした
廊下の底のあおじろい
やみの奥から
潮の鳴る音
雲のむこうで月が
満ちる ....
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