細い糸のような雨が上がった
日が変ると同時に止んだ
慌しく過ぎて行く日々に
ひび割れていく心
解こうとすればするほど
拗れていく魂
腐るほど希望の詩を書いたけど
....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで
先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
赤い陽が窓を照らし
光りに満ちた僕の部屋で、
君の頬は
はじめてキスをしたあ ....
こころは だいじに しなくちゃ だめだよ
遠い昔、幼稚園で毎月配られた絵本に書いてあったから
うしろに両手でだいじに隠してうつむき
口笛ふきふきうわのそら
言葉が怖くて仕方ない
つめたい ....
夢の国に囚われた
彼の名前はミッキーマウス
どこにも行けない
ワンダーランドの迷い人
ミニーに身代わり赤子を生ませ
排水溝から脱出さ
ここが彼のねぐら
本来いるべき
....
暗いことが悪いことだなんて誰が言ったの
友だちのいない子をいじめたのはだあれ
引きつった笑顔を作ろうともしない君
暗い瞳で虚空を見つめる君の横顔
....
あたしはデイジー
みんなを愛す
無邪気という
悪魔のような
言葉を纏い
あなたが好きよ
でもあの人も
この人も好きなの
それは仕方ないわね
だからお許し ....
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた
霊視と解析の挙句の果て
夜は腑分けされ保存され
果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たな ....
だって
海を見ていたあなたがいたもん
だって
地にたたずむわたしがいたもん
だって
砂浜で風に吹かれて黙る二人だし
だって
曇りの空とグレイの海の境があやふやで
....
ワンピースをきた女の子が
お札を両手に持って
これはお駄賃ですよとその手を差しだす
この手は子どものようにちいさい
ゆるやかな曲線を描いて両肩から
ちいさなバレッタに目をやると
わたしの視 ....
自我だと思ってた
俺は俺だと思ってた
なんて馬鹿だったんだ
こんな曖昧で
小さくて
弱弱しい
こんなのが俺だなんて
これじゃ、振られるわけだ
メディアに踊らされ
環境に踊らされ
世 ....
こんじき らでん 夜の濃い靄
この 霊視の夜に 深い夜の香り
立ち込む いにしえの情緒は
まどろみの息へ 溶ける
幻想の写し絵 螺鈿の箱
靄たつ 夜の不可思議
磨きだされた 貝 ....
固く固く閉ざしていた扉
私はその重々しく閉ざされていた扉を
大きく開け放った
中では幼い私が暗闇の中で縮こまってうずくまっている
大丈夫だよ、出ておいで
幼い私 ....
薄すぎたミルクティーを飲みながら
なんとなく夕陽を眺めていた僕は
辛うじて今日の生存を終えつつ
生温い部屋で過ごしていた
静寂はテーブルの肩に寄りかかり
世界を停止させようと 息を潜めて ....
あなたは澄んだその声で
小さな愛の歌を口ずさむ
私はそれに耳を塞いで
雨の音ばかりを気にしてた
明けない夜はないって
あなたは私を抱き締めた
私はその手を振り払って
また一人に戻って ....
僕の賞味期限はいつまでだろう?
本当は知らない間に過ぎてしまっていて
もう味も鮮度もすっかり落ちてしまって
いやいやまだまだ青二才で青臭く
まだまだ未熟で食べられなくて
誰からも本当は相 ....
庭木のゼブラ ストライプを投影したかとおもったら
坂道をくだる自転車並みのはやさで
あすの天気を翻訳している落日
(まるで同時通訳者みたいだ)
垣根には野良猫が隠れていそうな しずけさ
....
冬の中に
君の白い息が眩しくて
なぜか視線をそらしてしまう
ぼくがいる
冬の中に
君の凍える姿が悲しくて
なぜか空を見上げてしまう
ぼくがいる
冬の中に
ぼくの凍える姿に手を ....
都市
その足元は黒に染まる
灼けては、また凍える
現代の 大地とでも呼べるだろう
黒くなった三億の悠久
忘れられて
尊くも足下 誰も
誰も、考えはしないで
あんまり痛くて、裸足 ....
私の道を阻むもの
それは
私を嫌う人か
それは
私を憎む人か
それは
私を恨む人か
否
それは
私
私の道を遮るもの
それは
環境か
それは
欠乏か
それは
....
ギー
バタン
ドアが閉まる陳腐な比喩が威勢良く飛び込んできて
着た切り雀のお兄さんが驚いて二階の窓から飛びだして
倶利迦羅紋紋のお兄いさんが三列乗車の列から押し出され
だらしないなぁ!と ....
鍵はすぐになくなって誰かが拾った
落とし物は行ってしまった
落とし物は鍵を拾って
彼らもどこかへ行ってしまった
落とし物は落とされなくなって
後ろ姿は落とされた
彼らはここに残 ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった
どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで
俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった
けれど
....
大抵ひとりが好きな性なんですが
背にハラは代えられん
愛を餌にして飼うプッシーキャット
犯罪とかしてみたい
羨望の眼差し七三リーマン
大好物はアジアンスパイス
そう頑是無きチキンカレー ....
ありがとう この響きに 精霊が宿る
大丈夫? この響きに 精霊が宿る
ごめんね この響きに 精霊が宿る
可愛いね この言葉に 愛が伝わる
綺麗だね この言葉に ....
弱音を吐くのは
辛いからではなく
お前に甘えたいから
優しく
俺の頭を撫でてくれ
お前の胸で眠らせておくれ
大事なものが日々失われていくよ
不安なんだ
俺の指 ....
離れてゆく
あの人の日々に
なんとか映りたくて
いつも目で追って
あの人はいつだって
私を見たりはしないのに
悲しい希望を胸に
私があの人の日々のすべてになると
来 ....
銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている
風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど
....
なにを おもっている?
なにを 悟る?
すべては さみしさのそばにある。
酒が滅びのそばにあるのならば
とめどなく それをあおることもできようとも。 ....
あなたが
余りにも
輝いているので ....
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