シューズボックスの中で朽ち果てていく過去は
いくら叫んでももう遠く届かない場所
あのころおまえが一番好きだった
動脈を流れる血のような紅いヒール
汚れた爪先にくちづけをして
....
「明日、笑おう」
と、
夜の向こうで待つ朝に
投げかける
一握りのこ、え、
ピアノの音色はどこまでも
地平線のむこうの
あなたをすり抜けて
そのむこうに在る
小さなお墓の前で、果 ....
雨の名残は道の脇だけ
夏の名残は枯れた茎だけ
出した手紙の返信気にして
閉じたまぶたに弱気が群れる
携帯電話をいじくっていると
未整理のアドレスで肩が凝る
慣れた名前を ....
星の砂は生きている。
あれは一種の虫で、海藻に付着し表面の殻を通して息をしているのだ。
何も考えていないから滅びるのではない、
と誰かが言った。
思考するから、滅びゆく ....
そして いつか
魂が おさまる場所
魂と肉体が完全に同期して
なに 過不足ない 満ち足りた
まわるい場所へと
全て 全ての 人々が
人生を楽しみ
取りたいだけの 汗を流し
満ち ....
譫言のような、
垂れ流した汚物のような、
あなたとわたしの行為
が、
恥ずかし気もなく赤線地帯を飛び越える勢いで、
作用していく
秋だった
幼さには拍車をかけたし、
さ ....
瞳をこらして捜した
街の雑踏 夜の隙間 心の中
壊れた街灯の下
空を見上げた 滲むように 浮かび上がる 星屑
ひとつひとつ
零さないようにつないだら
白く輝く星座
想い出 ....
冬を待つ秋の夜空は冷たくて遠い
冷えた思考は昼間を忘れ
誰かを想う ただそれだけで
思い出すのは笑顔と感情
嬉しいと笑うあなたを感じ
嬉しいと思い私は笑う
春夏秋冬の季節はなくて
思 ....
空 オレンジのカーテン
倒れこむように暮れてく街
夜に馴染もうとする
窓の三日月が悲しいな
目が回りそう
くるくる回る世界の色に
変わらなきゃその色に
寂しさたとえれ ....
いくつ 幾日を削いだならば、
いくつ 幾日を辿ったならば、
眼はかえる
月の朽ちる帰路が帰りゆくものを鎮める
憔悴した月影のした
息をした、
息の焼け付きを瞼の内にしまう
生 ....
灯篭流し
夜に反射する黒川
夏祭りに
テキ屋で はす向かいの少女が買った
りんご飴浮かび
ボクが昨日朝食べた
欠けた月
コーヒーを入れたので
黒川に
流しました
「 人生は素晴らしい 生きているって美しい 」 白い顔の犬が笑う
嗚呼 そんなことは どうでもいい 可愛いオンナの手を握りたい
「 人類が みな兄弟なら どうして殺し ....
小さな星
あの清らかな花の先の星は
いくつもの試練を
乗り越えた光
何光年離れても
夜空に浮かぶ明るさは
僕らの住む銀河と 同じ炎の星の灯り
何百年も昔の光は ....
空き缶
空き缶が
中身を吸われて 捨てられて
カンケリしてる
子供と遊んでもらってる
嬉しそうに 空き缶は
カランカラと 笑ってる
僕の中に入ってた物は ....
遠く 霞んだ 景色
するりと ほどけた 君の手
彩る 季節数えて
重ねた 暖かな色
何処かで 狂わせた線
冷たい 額縁の中へ
閉ざした
繋いだ日々 切り離した 絵画 ....
放蕩のあとで
俺はまた女を抱く
女は女で 俺を抱いている
俺は抱きかかえられている
夕凪にかき消された
誰かの名前
*
白い肩の揺れる姿が
つめ ....
別にたいしたことでもないのに、
君と喧嘩しちゃった
あの時は本当に、
かなりムカついてたから
ヒドイこと言っちゃった
さっき、
ごめんね
って、一言。
いっちゃえばよ ....
意味なんて
ないのです
意味を添えるのを考えるのもわずらわしい。
あなたの返事がこなくとも、
あなたに何かをおくりたい。
あなたへのメールを 手紙を 何でも
伝える手段を ....
不幸せの数を数えてみた
ひとつ、ふたつ、みっつ
数えてるうちに
意味がわからなくなった
なんでそんな事数えてるんだろう
ひとつ、ふたつ、みっつ
いくら数えてみても
意味なんてわからなくて ....
まだまだ書けるだろう
夕陽の違いはSMだろう
おれの母ちゃんでべそ
そこから生まれたおれは最高にカッコいいオジンガーZ
なんでかね
貧富の差が激しいのは
きっと絨毯に乗った男が
手招きし ....
役所勤めの毎日
わずかながら東京という
街のあり方に関わる仕事の中
この街の繁栄は日々まぶしい
街の風は今日も温かく
住む者を養ってくれる
金融や株式だとか
汗まみれの労働や
東京 ....
青いテレビ画面に 手を突っ込んで
すましたニュースキャスターを握りつぶした
気を紛らわせるために 野良犬を呼んで
お酒を飲まして 初めての夜を捧げた
尻尾を振り乱し 飛び ....
涙一つ零れ落ちて
水溜りに広がる波紋
何度後悔を重ねても
繰り返してしまう悲しみを
すべて抱きしめて生きていけるほど
この両腕は強くはないけど
雨上 ....
しっばれる 初冬の朝
まだ寝ている良人の顔を 覗き込む
ねこちゃんみたいな目をして
まだ根室の夢みてる
わたしは えい と起きあがり
つめたい水で顔をあらう
と ....
食べ物を摂り過ぎて
体中に凸凹ができる
凸の部分は紙やすりで削って
凹の部分に合わせる
占い師の水晶のように丸くなった体は
光を反射しながら他人の姿を映す
坂道をころころと転がって
純白 ....
夜空を見たら
牛車が空を飛んでいた
月に吸い込まれるよう
かぐや姫が帰るのだろう
生まれたことはきっと幸福で
この地球もきっと美しい
そこに苦しみがあったとしても
街並みの家を見 ....
窓を大きく開け放ち
男はそのままの姿勢で倒れこんだ
夜風にカーテンがゆれるだけの
ささやかな部屋
カーテンの色はミントブルーで
男の好きな色なのだった
思い出の中で静かにゆれている
今も ....
吠える
獣のように大きく響き渡るような
そんなたいそうなものではなく
ただ
吠える
「俺だ!」と自己主張するにしては
物腰を気にして周りを気にして
吠える
元来声が小さいわ ....
あなたは 眠れない日なんてないのだろう
寂しくて、眠れない・・・
この夜の辛さが分かるわけないわ
愛しい 愛しい あたしの中のあなたが
夜になると 一層膨らむんだ。 ....
愛してる
愛してる
愛してる・・・
永遠に繰り返したって、答えなんて出ないよ
知ってるでしょう?
問題は、そこにないから
季節が変わり、夏が近づいて
煌くような毎日を過ご ....
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