すべてのおすすめ
--僕は彼女の写真を、白く明るいハダカを忘れない
 パールの明度とオレンジの彩度
 君はマーメイド/マーマレード
 あるいは風船でいっぱいの海/渋谷/チカ

 リスカ。
 チ カ


 ....
ばたばたするだけの十二月は好き
前にも後ろにも進めずに ただ騒いでいられる
夢のような月
あるところでは雪も降って
もう誰もばたばたとした雰囲気を止められない

すこしも進歩のない期間は
 ....
一本のラインが羊を造形する、その工程は普遍化の道程を離れ手工
業の未分化へと進んでいる。進むことは進歩ではない。進むことは
退化ではない。多様化と呼ばれる分岐信仰がラインを圧迫するポイ
ント ....
男の料理は色々うるさい
彼の作るカレーは実に凝っているらしく
野菜だの果物だのがどっさりと入っていて
長時間煮込むのだそうだ
それはさぞかし美味いだろう
しかしうるさい

特にすりおろし ....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
果実のように眠る蛇が
枯れ木の枝に揺れながら
見知らぬ少女に呑まれる夢を見ている


少女は蛇を知っている
眠ったままの蛇の頭を
深く口に含んだとき
無味の毒が舌を ....
誰だ、窓を塗ったのは!


すりガラスが震えて
ブラインドが
閉まる気配


縁石に腰掛けた老人が
日焼けした手で
顎をなでた
何かつぶやいて


しゃがれ ....
言葉をなくした二人の間には
天使が通る道が出来るのだと
教えてくれたのは確か君だった

さっきからずっと何も話さないでいる
僕と君の間を
ほら
天使が団体で通り過ぎていく

天使が通 ....
水たまりに映るいさかいと雲を
雨がゆっくりとかきまぜる
人は過ぎる
空は過ぎる
水たまりの底のむらさきに
次の空がやってくる


鳴き声のように震える音が
どこから ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った


蝶が来て
狂いたい
と言 ....
何処か知らない 浜辺
の砂の上に座りこんで ぼんやり
海を眺めていたようで
すぐそこの岩屋の蔭

から蟹が一匹
ちろっと動いた ように感じて
眼を凝らそうとしている
つもりが逃げ ....
倦んでいた
人ごみを避けると風が冷たかった
空の色が変わろうとしていた
古本屋でたまたま買った
サガンの「悲しみよ こんにちは」を
喫茶店で一気に読み終えたあと
いたたまれなくなって
ひ ....
フィリッピンの
バタンガス地方
カラカの
小さな漁村が消え
三〇万KW石炭火力発電所 出現

あつい日盛りで
海には風もない

遥かセミララから
ふるぼけた石炭船が着いて
なんに ....
縄とびをする子を探していると
ピンク色のセータに 水色の縄で跳ぶ子がいたので
失礼して
卵を置きました
割れて出たのは 木屑です
カラス 雀 みみずく キリンなどが それを喰うので
「トッ ....
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
彼女からの手紙が
炊飯器の中で見つかった
もう
ほっかほかの
ぐっちゃぐちゃで

炊きたてのご飯はうっすら黒く
食べると微妙にインクの味がする
時おりぐにゃりと繊維をかんだりもする ....
舞台の中央には透明な攪拌機がありまして
僕によく似たピエロが登場します
ピエロは無言で虚空を凝視めると
両手をひらひらさせて様々な八月を取り出します

粗末なリュックに詰め込んだサツマ芋 ....
いまひとひらの蝶
ゆっくりと私の眼を奪って
流れ着いたのは何の彼方でもなく
オフィスの私のデスクだった

電話の喧騒の中
不意の来客は用件を語るでもなく悠然としている
よく見ると胸に社章 ....
高校時代といえば
一九五三年 一五歳から
一九五六年 一八歳までのたったの三年間なのに

そこには僕のカオス 大袈裟にいえば 
天地創造の混沌があった
頭の中は吉川英治から太宰治へと

 ....
生まれた街は遥か遠い被膜に遮られ彼方に霞んで
そこに戦火があり七歳の僕は大人たちに囲まれ鉄
路を支える土手に鍋を被せられて伏せ夜空は花火
大会のように明るくて騒がしいその夜焼け失せてし
まった ....
青い目のカモメが鳴く
口をこぅと飽けて
喉を震わせず 
声もたてず
静かに
海の音を拾い

岸壁にならぶポプラを
透きとおった舌液に映し
カモメは鳴く

初めて砂をにぎった足の感 ....
夏休みが終わる
子供達は山へ行くのに忙しい

夏休みが終わる
細いホームを電車が通過する

夏休みが終わる
かすかに水の流れる音

携帯にひり付くメールが大量に運び込まれる
飛行機 ....
時代遅れの政治家並に肥満して
申し分ない冷暖房付の部屋に
横たわり 詩をつくるその男の 別して
濁った目と憂鬱な顔こそ 思うに

現代詩そのもののありようとは言える。
ありふれた喫茶店の  ....
ドナウ川の交番脇を
飛ぶ石曜日をつんざいて
マンテンバイクのレッドロブスター号にて
SOON SOON SOON

高速道路の真下も真下
巨大ネオンも若々しく
田園地帯に屹立する
ディ ....
天ぷらを揚げているうちに
この世にいるのがわたし一人きりになった
キッチン
みんないなくなってしまった

父も
母も
あなたも
娘も
隣の中村さんも
隣の隣の西野さんも
裏の ....
近しい人の部屋
近しい人の猫
正午 匿名な
正午


ワンルームの壁際の テーブル越しに
片隅の空
南南東に穿たれた網入りガラス
通り隔てるアルミフェンスに
迫り来る連なる家並みに ....
こうしていつもおわる。
いちにちがおわる。
ぼくにはありったけのなにかがない。
そうだ。ありったけだ。

それにしても
みながとおりすぎていった。
いや、とおりすぎようとしている。
ほ ....
眠れない夜に
窓から差し込むおぼろな光が
私を月の世界へ連れて行ってくれやしないかと
目を凝らして
そのうち光と影の境界もあやしくなってきて
本当に自分は今
月へ向かって
旅立とうとして ....
(窓の)隙間からひるねこが洩れてくるので
(夜が)さらに重くなる
(部屋の)すべてがひるねこで満ちていき
ひるねこ(の時間)が
姦しく はびこっていく


{I=山ほどのよるねこ ....
ある日のこと
散歩してると
ふと
ユウコのひとみがかがやいて
つぶやいたのです。

アオゾラニ
ホラ
ハルガヒカッテル

ユウコと
ぼくと
ふふっと
ほほえみあって
うたっ ....
まんぼうさんの自由詩おすすめリスト(339)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『リスカ/チカ』- 川村 透自由詩5*03-10-16
補うということについて- 小太郎自由詩203-10-15
羊/綿羊/工場とその周辺- いとう自由詩1003-10-15
- Six自由詩803-10-15
ウイルスの夜- いとう自由詩16*03-10-14
ノート(終冬の蛇)- 木立 悟自由詩803-10-12
ペインティング- 林帯刀自由詩203-10-12
天使の遠足- 山田せば ...自由詩503-10-12
冬と光- 木立 悟自由詩803-10-6
ノート(緑透火)- 木立 悟自由詩1703-10-6
コレスポンダンス- 狸亭自由詩603-10-6
十月×日- 岡村明子自由詩603-10-4
石炭船の船長の話- 狸亭自由詩403-10-3
公園- 山内緋呂 ...自由詩1003-10-2
ごむまりの月- 岡村明子自由詩703-9-30
置き場- たもつ自由詩1803-9-30
八月のミックスジュース- 狸亭自由詩603-9-28
- 岡村明子自由詩703-9-28
一七歳の僕がいてー高校時代-- 狸亭自由詩303-9-27
鶴見- 狸亭自由詩303-9-26
カモメの砦- 湾鶴自由詩303-9-25
夏休みの終わる時- do_pi_can自由詩203-9-23
肥満譜- 狸亭自由詩503-9-22
SOON_SOON_SOON- 石原大介自由詩6*03-9-19
天ぷら- たもつ自由詩1403-9-17
匿名な正午に- バンブー ...自由詩403-9-17
ム・ジ・ル・シ- バンブー ...自由詩503-9-17
離脱願望- 岡村明子自由詩203-9-15
ひるねこ_よるねこ- いとう自由詩8*03-9-15
青空とユウコ- 狸亭自由詩103-9-15

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