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空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく

風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ

お母さん
あなたと同じように
私も
いつの ....
倦んでいた
人ごみを避けると風が冷たかった
空の色が変わろうとしていた
古本屋でたまたま買った
サガンの「悲しみよ こんにちは」を
喫茶店で一気に読み終えたあと
いたたまれなくなって
ひ ....
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
いまひとひらの蝶
ゆっくりと私の眼を奪って
流れ着いたのは何の彼方でもなく
オフィスの私のデスクだった

電話の喧騒の中
不意の来客は用件を語るでもなく悠然としている
よく見ると胸に社章 ....
眠れない夜に
窓から差し込むおぼろな光が
私を月の世界へ連れて行ってくれやしないかと
目を凝らして
そのうち光と影の境界もあやしくなってきて
本当に自分は今
月へ向かって
旅立とうとして ....
まんぼうさんの岡村明子さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
標識_2- 岡村明子自由詩8*04-4-19
十月×日- 岡村明子自由詩603-10-4
ごむまりの月- 岡村明子自由詩703-9-30
- 岡村明子自由詩703-9-28
離脱願望- 岡村明子自由詩203-9-15

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