すべてのおすすめ
あかるい街の季節風
最寄駅の女の脚
スカートの奥の巻封
ひめられたかえらぬ昔
あわてふためいてる尼僧
おちてくる白い襟足
目配せしている名僧
みうごきならぬ猿まわし
おろお ....
忘れてませんかね
繁栄を謳歌してるのは
地球の主役は
わたしらでっせ
哺乳動物がなんですかね
冷血どもがなんですかね
もちろん鳥なんて
あんなものは滅ぶべきですな
もっとも多く ....
暑い日だった。どうも影が黒い黒いと思っていたら、蟻が群れていた。蟻は集団でいながらまるで一匹であるような挙動で蠢いていたが、しばらく放っておいても害がなさそうだったので放っておいた。蟻は蟻の言葉で会 ....
<昔詩(十代のノートから) 1976〜1978>
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誕生日
木もれ陽の底で泣いている
ひとりの少女
地面から湧き出てきたように
ただうず ....
瀕死の人間の魂が電波を操れるわけはなく
だからあの明け方に二度鳴ったベルはあなたのおじいちゃんの仕業ではなく
単に誰かの間違い電話だったのだよ、 と言われ
冷静な私はそれを十分わかっているの ....
古タオルに黒マジックで
ぞ う き ん と書いた
ぞ う き ん
なので反対側の端っこには
き り ん き ん と書いてみた
き り ん き ん
家人に見せると
きりんきん では ....
非番の日
みえこは赤ン坊をつれて外出中
(退屈なので)ぼくは
近所のスーパーに出かけた
食品を手にしてはいちいち
(退屈なので)
表示内容を大声で読み上げた
「着色料に発色剤 合成保存料 ....
寝起きはネコのようであり
うつぶせで顔をあげると
アザラシのようであり
つかまり立ちしてキョロキョロすると
イタチのようであり
よつんばいで這いあるく格好は
イグアナのようであり
ゲジゲ ....
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞
きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
....
She Said She Said
「いっつも5分遅刻よ
学校に遅刻、会社に遅刻、デートに遅刻
おまけにあなたにも遅刻
何かの呪いに違いないわ」
I Said I Said
「遅れ ....
愛の症状別言語療法<書きコトバ篇>
・・・幻堕医師の処方箋・・・
さて若者なら自分で手軽に文句を患部につけるだけで治療も終わるが年輩者のように ....
風まじりの雨模様に海はのんびりひろがる
はてもなくさわがしい世間をのがれて
ぬれた花崗岩に足をすべらせおもしろがる
生きてきたそれぞれの体型に目がなれて
だまっていてもあたたかい空気にふれ ....
今年の鮎う ちっこおてえ、
{引用= 夕方
小さい頃から毎年聞かされてきた
親父の秋を告げる声
ここ数年は}
空港工事で もう釣れんわいね
{引用= と続く
....
目を開けるのが遅すぎたんだ
それが嘘だと思えるまでたっぷり
10数えてみたんだ
薄暗い街に残されたのは
やはり僕だけだった
目を閉じるのが遅すぎたんだ
君が誰かと一緒に隠れようと
....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
「きんぎょ」
かすかに覚えている
ものごころついたとき洪水があって
まだ泥だらけの
でも復興しかけた町で{ルビ市=いち}がたって
母に手を引かれ買い出しに行った
長靴が泥でじゅぽじゅ ....
ガラス窓に黄色い熊
緑の幕ゆれる昼間
なんとおおきな図体だ
夏の青空にうかんだ
「全員参加で施設の点検
一人一人の五分間
始業前点検
終業前片付け復旧」
三ヵ月 ....
みえこが
おなかの赤ちゃんに話しかけ
仮の名を呼んでいる ....
ときどき風も停滞して、さ
いかにもなんか考えてるふうに
....
男の子だったら
悠人という名がいい
ゆうと 悠然と人生をわたるひと
みえこも大賛成
女の子だったら
悠帆にしよう
ゆうほ 悠々と海をいく帆船
あるいはUFO 未確認飛行物体
みえこは猛 ....
アメリカ人はみんな金髪なんだと思ってた
マリリン・モンローがそうであったように
売れたいがために染めたのだと知ったのは映画を何本か観た後だった
TVじゃ相変わらずデイブ・スペクターがからかわれて ....
その本を手に取るたびに
同じページばかり開いていたから
今では机に置くだけで
パラパラと そこへたどり着く
私の心の傾きが
そのまま しおりになっている
夏、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう
アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂 ....
目からとおくなれば心からもとおくなる
そんなことははなから知っていた
日毎の天災やら人災やらのセンセーショナル
めまぐるしい張り子の国で半年すぎた
乱読につぐ乱読で本ばかり読んですぎた
....
妻にテレビゲームをさせるRPGだRPGと言っても妻は何のことかわからないに決まっているそれどころか「たたかう」の意味さえ知らないに決まっている決まっているのに妻にテレビゲームをさせる主 ....
ちょっとあんたまた買ったのむやみやたら
よめもしない本ばかりあふれて気がしれない
バルザック? 二十六冊だって、そこいら
にあったじゃない『従妹ベット』やら『純愛』
荷風やら菊池寛やら小林秀雄 ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの
憧れていたんだ、ワイパーのある ....
天国の緯度経度は
ラファティのじいさんが教えてくれた
地獄がもうないってこと
神も悪魔も死んだってこと
でも天国はこの世にあるのだってこと
ラファティのじいさんが教えてくれた
ラファテ ....
ある時あなたが産まれた
あなたを抱いた看護婦さんは
「わあ〜やわらか〜い」
と、とても暖かな気持ちになった
ある時あなたは小さな子供で
あなたのまるいほっぺたを見たおじさんは
「ああ、 ....
パーサータイ(タイ語)では、
海のことをタレーと発音する。
この道をまっすぐ行くとタレーに達する。
椰子林と湿地帯の交互につづく道の果てには、
佛暦二五三六年の浪のしわ
まんまんとた ....
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